ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

二宮忠八のこと

2023-11-30 13:49:34 | 飛行機

前回お知らせしたとおり、二宮忠八について書きたいと思います。

二宮忠八(1866 ~1936)は、世界で初めて飛行機を発明した人物として英国航空協会が認めている人物です。

(1954年、英国王立航空協会は忠八の「玉虫型飛行器」の模型を展示し、彼のことを「ライト兄弟より先に飛行機の原理を発見した人物」と紹介している:wikipedia)

日本ではあまりなじみがないのですが、戦前の教科書には記載されていたそうで、戦後GHQにより削除されたようです。

人類が初めて動力を使って(グライダーではなく)空を飛んだのは1903年のライト兄弟だと言われていますが、

そのライト兄弟より12年も早く、二宮忠八は飛行器を発明していました。

(彼は飛行機ではなく「飛行器」と表記しました。ちなみに「ひこうき」という言葉も二宮忠八の造語だそうです)

この二宮忠八、私の母校である八幡浜市立八代中学校のすぐそばで生まれ育ったということを最近知りました。

なんか、ご縁がありそう。

二宮忠八は裕福な商家の四男として生まれたのですが、兄たちの相次ぐ放蕩と父親の早すぎる死(彼が12歳のときに亡くなった)により、家は没落し、成績優秀であったにもかかわらず中学には行けずに働きに出ることになります。

彼は幼い頃から好奇心旺盛で、トビウオを見ては空を飛びたいと思い、弁当めがけて降下してくるカラスを見ては、鳥たちは羽ばたかずとも空を滑空できることを看破し、またトビウオとの共通点を見出し、固定式の飛行器の翼を思いついたといいます。

若い頃から空へのあこがれは強く、彼が作った数々の凧は「忠八凧」と呼ばれ、大変な人気だったといいます。

二宮忠八はついに自力で飛行器を発明し、動力さえあれば飛ばせるというところまでこぎつけますが、肝心の動力が手に入らない。

そこで軍の上層部に上申書を出して、飛行器のための動力となるガソリンエンジンを提供してほしいと幾度も申請しますが、軍上層部の無理解により却下され、彼の飛行器はついに日の目を見ることはありませんでした。

この間に、ライト兄弟が有人動力飛行実験を成功させてしまうのです。

ライト兄弟の実験成功の知らせを聞いた二宮忠八は、自身で制作した玉虫型飛行器をハンマーで破壊し、以後、飛行器制作に携わることを断念してしまいます。

空に憧れる人たちは、どの時代にもいました。

レオナルド・ダ・ヴィンチもヘリコプターの原形などを発明していますね。

近年では、気球やグライダーが発明され、人類はますます空へのあこがれを募らせていきました。

そして、1903年にライト兄弟が初めて有人動力飛行の実験に成功しますが、それからわずか64年後の1967年、人類はアポロ11号によって月に到達するのですから、この間の進歩のすさまじさがわかります。

地球上には多種多様な生物がいて、中には空を飛ぶ鳥や昆虫たちもいますが、その中で月まで行きたいと思う生物は人間だけでしょう。

人間はあきらかに他の生物たちとは違う脳や神経構造を持ち、原始時代から星々の運行に興味を持ち、宇宙に憧れてきました。

つまりね、私たちは他の星からやってきたのではないか、と思うのです。

だから、夜空を見上げるたびに郷愁を感じるのではないか。

一方で、残念ながら、飛行機は戦争によって発達してきたという側面もあるのですが、放っておいても人類は空を飛びたがり、やがて宇宙へ出ていきたがる生き物なのではないか。

二宮忠八やライト兄弟をはじめとした大空に憧れた人たちは皆、どこかでそれを感じ取っていたのかもしれません。

そんな気がしてならないのです。

ともかく、二宮忠八の発明した玉虫型飛行器のデザインの美しさは、後世に伝えるべき文化遺産であると思います。

私がここでくどくど書くよりも、YouTubeには詳しい彼の伝記や飛行器の説明等がありますので、興味のある方はぜひそちらも見てみてください。

日本には二宮忠八という悲運の発明家がいて、実は世界で最初に飛行機を発明していたことは、もっと多くの人に知られていい事実だと思います。

 

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三鷹天文台の定例観望会・木星

2023-11-26 10:13:44 | 宇宙

国立天文台三鷹の定例観望会は、毎月第4土曜日に開催されますが、予約制で、申し込んでもなかなか当選しません。

それが当選したのです!

11月25日(土)の観望会、6時半からの会。

けれども、昨日(11/25 )は朝からどんよりと曇り空。

これじゃ月も見えないだろうなあと思っていたところ、

何と夕方から晴れてきて、月も木星もくっきり見えるようになったではありませんか!

前回(5月27日)も晴れたので、

「私たち持ってるねー」と一緒に行った友人と話しました。

星空はお天気次第。お天気が悪くちゃいくら観望会に当選しても見られない。

というわけで、昨日の観望会で月と木星を見てきました。

まだ夏の大三角の名残りもみえて、土星もちょっとだけ顔をだしていましたが、

後半になると薄雲がかかってきて、観望会が終わる頃には空は一面の雲で覆われてしまいました。ぎりぎり間に合った。

ほんとにラッキーでした!

テーマは木星だったので、まずは木星についてのレクチャーから。

木星って地球の11倍の大きさだとか、衛星は95個もあり、中でもガリレオ衛星と呼ばれる4個の大きな衛星があって、一番大きいのがガニメデだとか。

ガニメデは太陽系の衛星(地球などの惑星の周囲をまわる星)の中で一番大きな星だそうです(これ、クイズになってた)。

そして、ガニメデといえば、ジェームズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」を思い出します。「ガニメデの優しい巨人」もありましたね。

そのガニメデが(望遠鏡越しにですが)見えた時は本当にワクワクしました。

(望遠鏡で見た木星。小さいけど木星の衛星も見えている)

空を見上げる機会というのはなかなかないのですが、たまにこうして観望会なんかに参加すると本当に楽しい。

そして、星が好きな人たちって案外大勢いるんだなあと思います。

昨日も小さな子ども連れの家族が何組か来てました。

三鷹天文台は街中にしては辺りは暗く、空がくっきり見えます。

また行こうよ、宮古島で星を見るのもいいね、来年あたり行こうか、

などと話しながら帰ってきました。

いやあ、大大満足の一日でした。

 

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僕のワンダフル・ライフ/僕のワンダフル・ジャーニー

2023-11-25 11:46:41 | 映画

急に寒くなったのでちょっと体調崩してましたが、復活しました!

体調がよくない時はこういう平和な映画に限ります。

「僕のワンダフル・ライフ」(2017年)
「僕のワンダフル・ジャーニー」(2019年)

二編とも前に見たのですが、再度見てみて、いい映画だなあと改めて思ったので紹介します。

これ、犬の転生の物語です。

イーサンという少年とベイリーという犬が出会い、犬は寿命が尽きた後もイーサンに会いたくて転生を繰り返す、というお話です。

輪廻転生を私は信じているので、これは犬の物語であると同時に人間の物語でもある、しかも真実の物語であると思っています。

続編の「僕のワンダフル・ジャーニー」の方は、イーサンの孫娘のCJ(クラリティ・ジューン)の話になります。

年老いたイーサンは転生したベイリーに孫娘を守ってほしいとお願いし、

ベイリーはまたしても、何度も転生してはCJと出会い、彼女を見守り続けるというお話。

イーサンとハンナの出会い、CJとトレントの出会いもベイリーが助けます。

ベイリーは犬らしく陽気でほがらかで目の前にあるものを追いかけ、食べ物を欲しがり、いたずらをし、嫌いな人には噛みついたりもします。

犬は常に「今ここ」を生きている。

でも、ベイリーはちょっと特殊な犬で、前世の記憶を保ち続けています。

何度も転生するので、その度に犬種が変わり飼い主が変わり名前も変わるのですが、彼は自分がイーサンのベイリーであることを忘れません。

私たちが転生するとき、前世の記憶はなくなるようですが、どこか魂の奥の方にそれは隠されているだけなのかもしれない。

そして、ベイリーのように、今この瞬間を生きていればきっと未来は明るい。

そう思わせてくれる物語です。

イーサン役のデニス・クエイドがいい!

「僕のワンダフル・ライフ」ラッセ・ハルストレム監督作品ですね。

「HACHI約束の犬」の監督でもあります。

また「ギルバート・グレイプ」「サイダーハウス・ルール」などの監督でもあります。

私はラッセ・ハルストレム監督の映画が好きでかなり見てます。

人生、捨てたもんじゃないと思えるし、前向きに生きていこうという気になれる映画ばかりなので。

最近の映画はアクションが多く、暴力シーンも当たり前のように登場しますが、

やっぱり最後はこういう暖かい気持ちになれる映画がいいよね。

(ゴジラも好きだけど、一日の終わりに見るのはこういうのがいい)

私たちの人生もまた、終わりの時は新しい人生への出発の時なのだと思えば、

死ぬのはそう怖くなくなるかもしれない・・(まだわからないけど)

という気持ちにさせてくれる映画です。

 

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「最高の人生の見つけ方」

2023-11-18 11:53:14 | 映画

ちょっと古い映画ですが、

「最高の人生の見つけ方」

をまた見てみました。

というのも、神津島で出会った若いカップルと話をしていた時、一人が「グランドキャニオンで見た星空がすごかったです」と言い、私はまだ行ったことがないので、

「グランドキャニオンは私のバケットリストの一番上にあるのよ」

と話したのですが、その時、改めてバケットリストのことを思い出したのでした。

Bucket list 

自殺する人が最後に踏み台にしたバケツを蹴って仕上げをすることから「死」を意味するようになったそうで、つまりは「死ぬ前にやっておきたいことリスト」という訳です。

この映画はバケットリストを実践する話です。

ガンで余命半年あまりを宣告された二人の老人(ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン)が病院で死ぬのを待つよりは最後に人生を謳歌したいと、病院を抜け出して二人で世界旅行をする、というお話。

まあ、普通の人には無理だけど、エドワード(ジャック・ニコルソン)はものすごいお金持ちでね、プライベートジェットなんか持っちゃってるんですよ。

そりゃあ、プライベートジェット持ってれば何だってできるわさ、と思ったのですが、

まずは、スカイダイビングから始めるあたりがすごい。

なんと、80代の老人二人はこれをこなしてしまうのです!

これを見ていると、なんだか自分にもできそうな気がしてくるから不思議。

所詮金持ちの道楽、と片づけてしまえばそれまでですが、

死を目前にして、大半の人が後悔するのは、

「もっと冒険しておけばよかった」

ということらしい。

そこで私も、日々の些事に翻弄されるのをやめて、思い残すことがないように、最後のチャレンジをしてみたいと思い始めました。

私のバケットリストの一番上にあるのは確かにグランドキャニオンだけど、ちょっと遠いので、その前に足慣らしとして、

島に行こうと思っています。

神津島がすごくよかったのでね。

八丈島にも行ってみようと思っています。

去年、下北沢病院で同室だった方が八丈島の魅力を語っていたので、ぜひ行ってみたいと思いつつ気がつけば一年が過ぎていた。

最近、気がつくと平気で一年や二年が過ぎている。

石垣島も行ってみたい。ここには天文台があるので。

また、九州のたちばな天文台にも行ってみたい。

行ってみたい場所が山ほどある。

人生の残り時間を考えたら、躊躇している暇はありません。

どんどん出かけていき、新しい経験を積んで、また新しいことに挑戦していきたい。

その前に身軽になっておきたいので、家の片付けは必須よね。

というわけで、

らせん状にループを描いて、私の人生は向上し続けるのです。

映画では、二人ともバケットリストを完結させて無事極楽往生したようです。

皆さんもどうか後悔のない人生をお過ごしくださいませ。

 

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ゴジラシリーズを幾つか見て・・

2023-11-16 13:32:16 | 映画

「ゴジラ-1,0」を見て以来、どうもあのゴジラに納得いかなくてね、

歴代の「ゴジラ」を幾つか見てみました。

まずは1954年の最初の「ゴジラ」

これはもう別格ですね。

何度見ても面白い(たぶん10回以上見てる)。

着ぐるみのゴジラなのだけど迫力があり、戦後の人々の暮らしぶりも現実感があり、あの頃はこうだったなあと思い出すことができます。

1954年、私は5歳でした。

劇場で初めて「ゴジラ」を見たのはしばらく後のこと。

何より冒頭で大戸島にゴジラが現れるまでの不吉な予兆のようなシーンの数々。

この不吉な予兆に満ちた冒頭シーンは、子ども心に鮮烈な印象を残しました。

その挙句、山の上から顔を出す巨大なゴジラの頭。恐怖は頂点に達します。

やっぱりゴジラは怖くなくちゃね。

次に「シン・ゴジラ」を見てみました。

たぶん5回は見てる。

政府関係者たちの形式ばった会議風景は何度見ても笑える。

蒲田に上陸する第二形態のぎょろ目の幼生ゴジラの気味悪さが印象的です。

そして、海にもどり再び鎌倉付近から再上陸する第四形態ゴジラの、威風堂々たる神のごとき姿。

これぞゴジラ!

ゴジラはこうでなくちゃ。

物語のテンポの速さもこのゴジラならではです。

一度見始めたら最後まで止まらなくなる。

ゴジラの巨大さも印象的でした。118mと歴代ゴジラ(日本の実写版)の中で最大。

初代ゴジラが50mだったので倍以上の大きさになっています。

ハリウッドのゴジラはジュラシックパークの恐竜たちと変わらないけど、日本のゴジラは恐竜ではありません。

ゴジラは神なのですよ。

爬虫類みたいにやたら動き回らない。ゆっくりと泰然と自分の行く道すじを心得ていて、ただただまっすぐに歩んでいく。

それがゴジラです。

今回観てみて、「シンゴジラ」の最後のシーンも納得がいく気がしました。

しっぽの先からゴジラの背びれを持つ人間の形をした生き物たちが生まれようとしている。

それが何なのかは見る側に委ねられ、また凍結されたゴジラの処理についても見る側に委ねられています。

ゴジラはまだ進化の途上にいることを示唆していますが、映画はあれで完結していると思います。

それから1984年の「ゴジラ」。

この「ゴジラ」は、1954年以来ゴジラの襲来はなかった日本に、再びゴジラが襲来するというストーリーです。

最後のシーン、大島の三原山の火口にゴジラが落ちていく姿が印象的でした。

この「ゴジラ」も悪くない。

日劇のビルにゴジラの姿が映るシーンとか、新宿の高層ビル群の間でスーパーエックスと対峙するゴジラとか。

見どころがたくさんあります。

あと「ゴジラVSビオランテ」「ゴジラVSキングギドラ」「ゴジラVSメカゴジラ」等々も久しぶりに見ようかと思っています。

それにしても、なぜ私はこんなにゴジラが好きなんだろうかとつらつら考えているのですが、

まだ結論には至っていません。

ゴジラには人間の潜在意識の中にある何かを刺激する要素があるんじゃないか。

その何かがたくさんある人とあまりない人がいるんじゃないか。

私にはその何かがたくさんあって、ゴジラに反応するんじゃないか。

あるいは、エヴァンゲリオンやガンダム、進撃の巨人にも通じるものがあるのかもしれません。

巨大なものに対する畏怖、恐怖、畏敬の念・・これらが混然一体となった感情。

それが私たちの心の奥底に潜んでいる、そんな気がします。

単に「怖いもの見たさ」かもしれないけど。

でも「ジュラシックパーク」にはそれほど反応しないのはなぜだろう。

あれはあれで面白かったけど。

なので、単に巨大で恐ろしい怪獣に反応したということではないと思う。

ともあれ、私にとって「ゴジラ」シリーズは何度でも見たい映画です。

何か新しい発見があればまた書きます。

 

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