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ないない島通信No2

映画&読書&旅行&日々の雑感

映画「この夏の星を見る」を観てきた。

2025-07-19 11:09:12 | 映画

観てきました!
「この夏の星を見る」の映画バージョン。
(原作本については2023年7月24 日の記事参照)

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すごく期待して行ったのです。
よかった、といえばよかった。
ずいぶん泣いたし。
もうね、星空や望遠鏡が登場するたびに涙が溢れてくる私は変態か?

それに、映像化されて初めてわかることってたくさんあるから。
たとえば、ナスミス望遠鏡ってこういうやつだったのね、とか、スターキャッチコンテストの手作り望遠鏡ってこうやって作ってたのねとか、スターキャッチコンテストのやり方とか、長崎五島の風景や星空とか・・
(特に五島の風景は私が育った愛媛と似ているのでなつかしかったなあ・・)
映像化して初めてわかる細部というものがあるので、これは本を読んだだけではわからなかったことです。

なので、私としては大満足。
でも、これ、原作読んでない人にわかるのだろうか?
という疑問が残りました。

何しろコロナ禍の高校生たちの話。
みんなマスクしてるのですよ。
しかも高校の制服といったらよく似ていて、誰がどの学校の生徒で、誰が誰なのか見分けがつかない。

原作の登場人物たち、皆とてもユニークで、映画を見ると実物と対面したような感動があるのですが、原作読んでない人には、それぞれの違いってわかるんだろうか?

ちなみにブログに書いた原作の紹介はこちら。
「コロナ禍で部活や学校行事もままならない中、砂浦三高の天文部の生徒たちが、手作り望遠鏡を通して、遠く離れた中学や高校の天文部、理科部の生徒たちとオンラインで交流し、やがてその輪が広がっていき、夏休みには、オンラインでスターキャッチコンテストというコンテストを開催するに至る、というストーリーです」

登場人物の紹介は以下のとおり。
「まず登場するのが、茨城県立砂浦第三高校の天文部の生徒たち。
溪本亜紗(あさ・高2)、飯塚凛久(りく・高2)、天文部部長の晴菜先輩(高3)、天文部顧問の綿引先生。この先生が実にユニークでね。彼らは天体望遠鏡を手作りしています。
ネットで調べたら、実際に茨城県の高校生たちが天体望遠鏡を手作りしているサイトが出てきてびっくり。かなり綿密に取材して作られた小説のようです。
次に登場するのが、東京の渋谷区立ひばり森中学、理科部
安藤真宙(まひろ・男子)そして中井天音(あまね・女子)共に中2。
それから、長崎県五島列島にある泉水高校の生徒たち。
佐々野円華(まどか・女子)、円華のクラスメートの武藤と小山(男子)。そして、以前クラスメートだったけれど東京に転校していった輿(こし・男子)いずれも高2。それから、五島の天文台館長の才津・・
等々が中心人物ですが、他にもいっぱい登場人物がいるので、頭の中を整理しながら読まないとごちゃごちゃになりそうです。それぞれの章ごとに、砂浦三高とかひばり森中学とか泉水高校とかの物語が展開していきます。」

まあ、わからなくても、物語が進んでいくうちに次第にわかってくるとは思うのですが。
コロナ禍で友だちも会えず部活も出来ず、鬱屈した中高生たちが彼らの貴重な夏休みをいかにして価値あるものに変えることができるか、というのが基本的なテーマなので、成功だといえば成功なんでしょう。

そもそも、あの長編を2時間の映画にするのは無理がある。
できれば、映画化ではなくドラマ化して、それぞれの生徒たちをもう少し丁寧に追いかけてほしかったなあ、というのが私の感想です。

でも、視覚化したからこそわかることっていっぱいあって、
望遠鏡もそうだし、高校生たちって今も昔も大して変わらないのね、というのもそうだし、人生の中で中高時代の青春真っただ中って本当に貴重な時間だったんだなあ、というのも実感として感じました。

そして、中高生にはものすごい底力があるということ。
コロナ禍のような不条理な現実に立ち向かい、それを乗り越えて大きく躍進する力があるということ。
その力を掘り起こし、彼らの未来につなげるのが大人の役目だということ。
先生に限らず親として社会人として、彼らの力をもっともっと引き出すことができるようになれば、社会は日本は変わるんじゃないだろうか・・
というようなことを感じました。

いずれにせよ、青春直球ど真ん中の物語なので、できれば皆さん、映画観る前に原作を読んでおきましょう!

原作、本当にお勧めです!

画像

 

(これはnoteにアップした記事です)

 

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「ごはん」これはいい映画だ!

2025-05-13 10:34:32 | 映画

「侍タイムスリッパー」の安田淳一監督が侍タイの前に作った映画、

「ごはん」(安田淳一監督 2017)

をアマプラで観ました。

これ、ずっと観たいと思ってたのだけどどこも配信してなくてね。アマプラで見つけて即購入(440円)。

いい話です!

とにかく田園風景が美しい。

安田監督は、映画史上最も美しい田園風景を撮りたい、と思って作ったそうです。その通りの美しさです。

最初のうちは「侍タイムスリッパー」の登場人物たちが別人として登場するので、つい笑ってしまいましたが、

お寺の住職や奥さん、撮影所の所長さんなんかが登場し、主人公はあの優子殿です。

しかも、侍タイで関本役をやるはずだった福本清三氏も元気な姿で登場しています。

侍タイに比べるとコメディ要素は低めで、どちらかというとシリアス系なのですが、やはり随所に笑える箇所があり、安田監督はやっぱり関西のお人なんやなあ、と思いました。

ストーリーはシンプル。

東京でOLをしていた寺田ひかりのもとに、故郷の父が亡くなったという知らせが届きます。

故郷に戻ったひかりが直面したのは、父が請け負っていた30軒分の田んぼ(1万5千坪)。

高齢化が進み、一人で田んぼを賄えなくなった人たちが、ひかりの父親に自分の田んぼを任せていたのです。

父は、九州から出てきた青年(ゲンちゃん)と二人で田んぼの世話をしていたのですが、重労働に耐えかねて突然死してしまいます。

ゲンちゃんに泣きつかれ、東京に帰れないひかり。

ひかりは故郷に残る決心をします。

ゲンちゃんから米作りの基本を教わりながら米作りを始め、ついに秋に米を収穫するに至るまでを描いたのがこの映画です。

米作りは一筋縄ではいかない。水の調整、台風による被害、雑草取り、夏の容赦ない太陽の下で過酷な労働を強いられる毎日・・

米作りが初めてのひかりにとって、何もかもが新鮮で、また過酷な日々でした。

お父さんはこうやって米作りをしていたのか・・

父に反抗して家を出たひかりにとって、田んぼは父を奪った仇のような存在でした。

しかし、ひかりは米作りをしていく中で、父を理解し始めます。

米作りの教科書みたいなストーリーですが、その中にひかりと父親との関係、ひかりが幼い頃に亡くなった母との関係などが盛り込まれ、家族のストーリーとしても見ごたえのあるものになっています。

米不足の今こそ、日本じゅうの人が観るべき映画です!

田んぼの米が、私たちが食べるごはんになるまでに、こんなに複雑で大変な行程があり、農家の人たちの苦労は並大抵のものではない、ということを教えてくれます。

政府の減反政策とは何だったのか、その結果、私たち国民に残されたものは、米不足と米の高騰という現実。その現実も織り込まれています。

タイトルが「米」ではなく「ごはん」というのもいい。

私たちが食べているのは「米」じゃなくて「ごはん」なのですから。

最近TVコマーシャルなどで「米」「米」と盛んに言われていますが、「ごはん」が正しい。あるいは「飯」。

私たち日本人は毎日ごはんを食べて生きているのですから。

最後に、

これを観終えた後、再び侍タイを観ていたら、

なんと新たな発見が。

ついクスリと笑ってしまいました。

安田監督の遊び心が素敵です。

ぜひ、私が何を見て笑ったのか、当ててみてくださいまし。

(新左衛門の食べたおにぎりじゃないよ)

 

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MAY THE 4th BE WITH YOU!

2025-05-04 13:44:08 | 映画

5月4日はスター・ウォーズの日ですね!

というわけで、毎年GWには「スター・ウォーズ」シリーズを観ることにしています。

何回観ただろう。エピソード4なんて100回は観てると思う。

何回観ても凄い映画です。

とりわけ、最近は「スター・ウォーズ」の若さに注目しています。

あれを創った時、ジョージ・ルーカスは33歳でした!

もの凄い快挙を成し遂げたわけです。

創り手が若いので登場人物たちも若い。当時老人だと言われていたオビワン・ケノービだって今の私から見ればとても若い。

もちろん他にも魅力的な要素はたくさんあるのだけど、歳を重ねるに従い、若さというものがどれほど大事であるかに気づくようになったというわけ。

失ったからこそ気づく命の大事さ、貴重さ。

私が最初に「スター・ウォーズ」を観たのもまた20代の若い盛りでした。

映画館を出た後、あまりの感動と何だかよくわからない動揺とで足が地に着かず宙に浮いてるような気がしたものです。

あれは単に映画が面白かったという以上の、何か既視感のある感動でしたね。

後でいろいろ考えた末、もしかすると私は何度もこの経験をしているのではないか・・

この人生を何度も経験しているのかもしれず、あるいは別の人生で経験したのかもしれない。

もしかすると、宇宙戦争のようなものを経験したのかもしれない・・

などと思うようになり、その後、オリオン大戦の話など聞くに及び、もしかすると私たちの記憶の奥底にこのオリオン大戦の記憶が残っているのではないか。だからこそ、世界じゅうであれほどヒットしたのではないか、と思うようになりました。

こんな話はオカルトだと切り捨てられそうですが、いやいやどうして私たちの潜在意識(あるいは魂)に摺り込まれた記憶はそう簡単には消えるものではない、と私は思っています。

何世代にもわたって、あるいは何千年、何万年にもわたって人類は太古の記憶をつないできたのではないか、

そんな風にも思えてならないからです。

だからこそ、あれほどの衝撃を受けたのではないか。

それはともかく、

「スター・ウォーズ」はその後更に発展して、今や世界の神話となりつつあります。

でも、私が好きなのはジョージ・ルーカスが作った最初の6部までです。

ディズニーに売却されてから制作されたエピソード7以降の作品は、あれは「スター・ウォーズごっこ」だと私は思っています。

なので、「スター・ウォーズ」といえるのはEP1~6。とりわけEP4とEP5が最高ですね。

できれば、ジョージ・ルーカスに9部作全部創ってほしかった。彼は最初から9部作のつもりで構想を練っていたといいます。

ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」全9作を観てみたい! と思うのは私だけではないはず。

まだ一度も「スター・ウォーズ」を観たことのない人はぜひ観てください。でも、シニア世代にはもしかするとちときついかもね。

スター・ウォーズと出会うにはやはり若さが必要かもしれません。

ともあれ、今年もまた無事5月4日を迎えることができてとても幸せです。

MAY THE 4th BE WITH YOU!

(Meow The 4th be with You!)

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映画「教皇選挙」

2025-04-23 10:52:39 | 映画

ローマ法王が亡くなったというニュースが飛び込んできましたね。

ローマカトリックについては、私は全くの門外漢で何も知らないのですが、

バチカンて一体どんなところじゃろ、ローマ法王(教皇)って何する人、コンクラーベ(教皇選挙)ってどうやるの?

という極めて興味本位の好奇心で今上映中の、

「教皇選挙」(エドワード・ベルガー監督 2024年)

を見てきました。

これ2時間もある長尺の映画で、最初の方は寝落ちしかけた。でも、段々面白くなってきてね、

へええ、カトリックの枢機卿たちって、普通の人たちと全然変わらないじゃん、ていうか、普通の人達よりもっと敵意剥き出しで相手を蹴落とそうとしたり、裏で手を回したり、はたまた女性スキャンダルまで持ち出してきての権謀術数の数々。

こんな人たちが信徒に告解を授けて「あなたの罪は赦されました」なんて言ってるのね・・

という感想を引き出したかったのか、この映画は??

以前観た「天使と悪魔」もコンクラーベが舞台でした。

こちらは有名な「ダ・ヴィンチ・コード」の続編で、どちらかというとアクションものなので、今回の映画とはかなり違いますが、バチカンの中で何が行われているのか、という点は共通しています。

「天使と悪魔」でも悪魔はバチカンの中にいた、という結末でしたね。

ただ、「教皇選挙」は最後にちょっと驚く仕掛けがあって、この一点で評価が高いのだと思うのですが、これも、なんだかなあ・・

カトリックの信者が見たら、驚天動地なのかもしれないけど。

仏教の方がずっと寛大だよね、とも思った。これ以上書くとネタバレになるのでやめておきますが。

ローマカトリックやローマ教皇(法王)に興味のある人、コンクラーベって何? って思ってる人は観てみてもいいかも。

ミステリー映画として面白いかどうかはともかく、ちょうどローマ法王の代替わりの時期なので、リアルタイムで楽しめるかと思います。

いやはや、世界で戦争がなくならないわけだ。

 

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「FLOW」とにかく映像が美しい。

2025-03-26 11:14:36 | 映画

今回、アカデミー賞長編アニメーション賞やゴールデングローブ賞など数々の賞を授賞した、

「Flow」

を観てきました。

ラトビアのギンツ・ジルバロディス監督作品。

すごいアニメーションが出てきたものです。

とにかく映像が美しい。

CGアニメーションなのですが、黒猫の疾走感といい水中の映像といい、町の遺構といい、とにかく見事です!

世界の美しさ、恐ろしさ、荘厳さ、そして個々の登場人物(動物ですが)たちの動きや心理状態をこれほどまでに緻密に描写できるCG技術というのは凄いなあと、ただただ感心しました。

特に、猫好きにはたまらない映画です。

私も黒猫を飼っていたので、そうそう猫ってこうよね、というのがいっぱいあって、映像への没入感も半端ない。

劇場で観るべき芸術作品です。

ストーリーはシンプル。

洪水により人類がいなくなった世界で、一つのボート(ノアの箱舟のような)に乗り合わせた動物たちが、やがて助け合って生き延びていく、というお話。

登場するのは動物のみ。彼らは人間の言葉をしゃべったりはしない。あくまでも動物の鳴き声やしぐさで表現するのだけど、言葉以上に伝わってきます。

主に黒猫の視点で描かれます。黒猫の疾走感が半端ない。

草原を駆け抜け、犬に追いかけられ、水たまりに入り込み、空を見上げ・・彼の視点ですべてが描かれ、世界はこんなにも美しく、また恐ろしく、圧倒的な存在だということが存分に描かれます。

この映像を通して、私たちもまた、世界はこんなにも美しく恐ろしく荘厳なところなのか、と改めて自分の周囲を見回すことでしょう。

私たちは周囲の風景を見ているようで、実はちゃんと見ていないのだ、ということにも気づかされます。

詳しいストーリー等はネットにたくさん出ているので省略します。

ノアの箱舟の動物版といえばいいか。

それを波乱万丈かつ美しい冒険譚に仕上げる手腕は見事というほかない。

これが若干30歳の監督の作品だというから驚きます。

世界は変わってきたのだなあ、と実感できる作品です。

人々の潜在意識にどのように訴えかけるのか、どのように刻印されるのか。

まだ未知数のところがあります。

でも、凄い作品だということは確かです。

できれば劇場で観てください。

《追記》

ギンツ・ジルバロディス監督が25歳の時にたった一人で作ったというアニメーション「Away」がアマプラで配信されています。

Flow」監督ギンツ・ジルバロディスのデビュー作「Away」全国で再 ...

こちらも見事な作品です。

 

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