たまたま一日空いたので、海を見にいくことにしました。
思えば2年前に熱海に行って以来、海には行ってなかったのです。
子どもの頃、海辺で育ったので、時々海をチャージしにいかないと、陸に上がった人魚みたいに、アップアップしてくるのです。
別に泳ぐわけでもサーフィンをするわけでもなく、ただボーっと浜に座りこんで海を眺めているだけ。
引いては寄せる波を眺め、水平線を眺め、空を眺め、ただただボーっとするのです。
そうしていると、次第に海が私の中に流れ込んできて、ガソリンをチャージするみたいに、やがて私は海で満たされていきます。
満タンになったら、また立ち上がり、歩き始めます。
海辺で暮らすのが夢ですが、この歳になるとねえ。来世で実現しよう。
というわけで、
朝一で「海へ行く」と決めて、さっそく登戸まで行き、小田急線に乗り換えて藤沢へ。
藤沢から江ノ電で海辺を散策という計画。
(江ノ電には、「のりおりくん」という一日乗り放題の乗車券があります)
最初は江の島に行こうかとも思ったのですが、江ノ島駅に降り立ってみたらまあ、ものすごい混みよう。
外国人だらけ。駅前の商店街にはカフェやソフトクリーム屋さんが並び、若い子たちが闊歩しています。
江の島ってこんなになってたのか。
江の島に渡る道も団体旅行客で渋滞してる。
これじゃ、新宿と変わらない。人にもみくちゃにされるだけ。
というわけで、江の島には行かず、浜に降りました。
しばらく浜辺に座りこんで海を眺め、ああ、やっぱり海はいいなあ、潮の香りもいいなあ・・
心と体が開かれていくようだ。体の中心から開かれていって、アジの開きになった気分。
それから、再び浜伝いに歩きだしました。
空は靄がかかったような薄曇り。遠くは霞んでいる。でも、暑くもなく寒くもない程よい天気。
江ノ島から腰越を通過し、鎌倉高校駅まで歩いたのですが、
折から東風が強く吹いていて、帽子を飛ばされそうになったり、砂に足を取られたり。
それほど長い距離じゃないのに、すっかり疲れてしまいました。
鎌倉高校駅から再び江ノ電に乗り、長谷へ。
長谷寺でも参拝して、鎌倉から帰ろうかしらなどと考えたのですが、
長谷寺もまたすごい混雑でした。
世界じゅうの人が集まったんじゃないか、っていうくらいの混み具合。
中国語、英語、スペイン語、ロシア語なんかが飛び交っている。
やれやれ。
日本は何処に行ってもこんな人混みになってしまったのか。
境内のお団子屋さんでお団子買って、ベンチに座り、向かいの席にいた観光客に話しかけてみたら、
メキシコから来たといいます。
笑顔が素敵な若い女性。日本はどうですか、と聞くと、大好きですとの答えが。
私の英語はブロークンなのですが、彼女の英語もブロークンなので、英語ネイティブじゃない人の方が話しやすい。
ひと時、おしゃべりして、また長谷寺巡り。
やっぱり旅は人よねえ、と今回も実感しました。
一人旅だと誰とも話さない時間が長いので、たまに誰かに話しかけたくなるのですね。
長谷寺はなかなかよかった。
そして、再び長谷から江ノ電で藤沢に戻り、小田急線経由で帰ってきたのでした。
江ノ電なんて、昔はガラガラで、「千と千尋の神隠し」に出てくるローカル線みたいだったのに。
時代は移り世相も移る世の姿、だよねえ・・
合計8時間くらい、1万3千歩の小さな旅でした。
今度行くなら、やっぱり観光地じゃないところにしよう。
離島がいいかも。
なんだかんだと大満の休日でした。