「土星の輪が見たい!」と思って、天体観測に行けば。
天気や条件がよければ、望遠鏡で見ることができる。
とてつもなく、遠い星なのに。
パキスタンやアフガニスタンの問題について語ってみようとすると。
イスラム関連の本を読んだり、新聞の記事を見たりするのだけれど。
逆に、なんだか、カスミがかかったように見えない・・・というか解らない。
本当のところ、かの地で、何がおこっているのか。
未だ、かの地を語る術も知識もないけれど、パキスタンにすごい日本人女性がいる。
民宿シルクロード今日も開店休業大忙し オバハン、イスラームの大地に生きる
督永忠子 著 合同出版 1400円+税
日本でバツ1娘一人の彼女は、20年前、登山で訪れたパキスタンが忘れられずに、娘を連れてかの地に渡る。
そして、パキスタン人の妻となり10年。
息子を得、大家族の中、「働く嫁」という、パキスタンの常識で言えば、「妻になっても働かなくてはならないなんて、よっぽど前世が悪かった」と言われながら奔走する。
パキスタン人の夫が愛人(といっても、第二の妻)と、みんなで一緒に住みたい!というのに、ついに堪忍袋の緒が切れ。
娘、息子を連れて離婚。
しかし、イスラムの国。
離婚が成立するまで、妻は夫に殺されても罪にならないお国柄。
アフガニスタン難民をボディガードに雇い。
弁護士を立てて、離婚・親権を取り。
民宿と、ロケなどのコーディネーターをしながら生計をたてる。
二人の子どもを育て上げ。
ニューヨーク・テロ事件をきっかけに、アフガニスタン難民を支える会の活動を始める。
遠い異国の地で。
時には命を狙われながらも、たくましく生き抜いていくオバハン。
カスミがかかっていた中近東の生活が、オバハンの目を通して、伝わってくる。
イスラムの常識。イスラムの生活。
何よりも、オバハンの「ハラのすえ方」が見事だ。
現在も、与えるだけの支援ではなく、地域を興す支援を続けている。
ボディーガードのアフガニスタン難民のアクバルが、初めて日本に来たときに、悔しくて泣いた。
「私たちのアフガニスタンには、何もありません。何にもありません・・・。
勉強をしたくとも先生もいません。アフガンでは字の読めるもの、算数のできるものも少ししかいません。
・・・中略・・・日本の街には品物がいっぱいです。
・・・なんでも、なんでもあります。戦争の心配もしないで生きています。」
アフガニスタンには、すばらしい自然があるじゃない・・・という言葉に。
「それは、何でももっている日本人だからです。」
「日本人は、たまたま日本人に生まれたことが、どんなに素晴らしく、すごいことか、気がついていません。
いまの日本の若い人達は戦争も知らなくて、世界中に食べられない人がどれだけいるか、考えたこともありません。
・・・毎年、パキスタンにまで登山に来て、日本の若い人が何人も死にます。命を大切にしません。
私達はゲリラになって、靴もなく雪の中を裸足で戦いました。
戦いたくて戦ったのではありません・・・。死にたくないので戦いました。私も日本人に生まれたかった・・・」
生きるために。食うために。
闘っていく事の、厳しさを。
やっぱり、私は、知らない。
夢を見る事は大切だけど。
夢を見る事すらできない現実を生きている人が。
どれだけたくさんいることか。
それを、ただ、私達の価値観で、論じる事の罪の重さを思う。
今、私に何ができるのか。そんなことを、とりとめなく考えている。
天気や条件がよければ、望遠鏡で見ることができる。
とてつもなく、遠い星なのに。
パキスタンやアフガニスタンの問題について語ってみようとすると。
イスラム関連の本を読んだり、新聞の記事を見たりするのだけれど。
逆に、なんだか、カスミがかかったように見えない・・・というか解らない。
本当のところ、かの地で、何がおこっているのか。
未だ、かの地を語る術も知識もないけれど、パキスタンにすごい日本人女性がいる。
民宿シルクロード今日も開店休業大忙し オバハン、イスラームの大地に生きる
督永忠子 著 合同出版 1400円+税
日本でバツ1娘一人の彼女は、20年前、登山で訪れたパキスタンが忘れられずに、娘を連れてかの地に渡る。
そして、パキスタン人の妻となり10年。
息子を得、大家族の中、「働く嫁」という、パキスタンの常識で言えば、「妻になっても働かなくてはならないなんて、よっぽど前世が悪かった」と言われながら奔走する。
パキスタン人の夫が愛人(といっても、第二の妻)と、みんなで一緒に住みたい!というのに、ついに堪忍袋の緒が切れ。
娘、息子を連れて離婚。
しかし、イスラムの国。
離婚が成立するまで、妻は夫に殺されても罪にならないお国柄。
アフガニスタン難民をボディガードに雇い。
弁護士を立てて、離婚・親権を取り。
民宿と、ロケなどのコーディネーターをしながら生計をたてる。
二人の子どもを育て上げ。
ニューヨーク・テロ事件をきっかけに、アフガニスタン難民を支える会の活動を始める。
遠い異国の地で。
時には命を狙われながらも、たくましく生き抜いていくオバハン。
カスミがかかっていた中近東の生活が、オバハンの目を通して、伝わってくる。
イスラムの常識。イスラムの生活。
何よりも、オバハンの「ハラのすえ方」が見事だ。
現在も、与えるだけの支援ではなく、地域を興す支援を続けている。
ボディーガードのアフガニスタン難民のアクバルが、初めて日本に来たときに、悔しくて泣いた。
「私たちのアフガニスタンには、何もありません。何にもありません・・・。
勉強をしたくとも先生もいません。アフガンでは字の読めるもの、算数のできるものも少ししかいません。
・・・中略・・・日本の街には品物がいっぱいです。
・・・なんでも、なんでもあります。戦争の心配もしないで生きています。」
アフガニスタンには、すばらしい自然があるじゃない・・・という言葉に。
「それは、何でももっている日本人だからです。」
「日本人は、たまたま日本人に生まれたことが、どんなに素晴らしく、すごいことか、気がついていません。
いまの日本の若い人達は戦争も知らなくて、世界中に食べられない人がどれだけいるか、考えたこともありません。
・・・毎年、パキスタンにまで登山に来て、日本の若い人が何人も死にます。命を大切にしません。
私達はゲリラになって、靴もなく雪の中を裸足で戦いました。
戦いたくて戦ったのではありません・・・。死にたくないので戦いました。私も日本人に生まれたかった・・・」
生きるために。食うために。
闘っていく事の、厳しさを。
やっぱり、私は、知らない。
夢を見る事は大切だけど。
夢を見る事すらできない現実を生きている人が。
どれだけたくさんいることか。
それを、ただ、私達の価値観で、論じる事の罪の重さを思う。
今、私に何ができるのか。そんなことを、とりとめなく考えている。