先日紹介したNHKドラマ「ハゲタカ」を見た。
また8月に再放送をやるようなので、興味ある方は見てみてちょうだい。
NHK ドラマ『ハゲタカ』の公式サイト
最初の3話は、日本企業に次々と買収攻勢をかける外資系ファンド「ホライズンインベストメント」にスポットをあてたドラマ。
うーん、今話題のスティール・パートナーズがダブるなぁ。
ブルドックきょう買収防衛策発動
スティールが特別抗告 「違憲」と最高裁に
(FujiSankei Business i. 2007/7/11)
バブルに踊って多額の負債を抱えた、経営能力の欠如した旅館の主人や、そして会社の資産や労働者を好き勝手に使い甘い汁を吸っている経営者一族が、経営者の座を追われるのは当然。自業自得ってもんである。そういう連中を一刀両断にバッサバッサと斬っていく外資ファンドは、ある意味爽快で、どこか共感してしまう部分がある。
たしかに、腐敗してる連中はいっぱいいる。しかし、見ているうちにだんだんと「…そりゃなんぼなんでもやりすぎやろ…」という気分になってくる。
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“借りた金を利子を加えて返すのは当然でしょ?それが資本主義社会の常識中の常識。最も基本にあるルールってもんである。我々(外資ファンドも銀行も)は、ルールにのっとってやってるんだ、文句あっか?”みたいな感じで買収街道ひたすら突き進む鷲津(大森南朋)は、記者会見でこう言い放つ。
「金儲けは悪い事ですか?」(どっかで聞いたようなセリフだな…)
一方で一視聴者としては、そんな非情な資本の論理のみで突き進むところに反発する気持ちもある。芝野(柴田恭兵)が、不透明な銀行組織の中で組織の中で苦悩する姿は世のサラリーマンの共感を呼ぶのではないだろうか。
芝野が若き日の鷲津を慰める為に言った「日本は資本主義だから仕方ないよ」みたいな台詞は、まさに現在の資本主義のシステムに翻弄されている我々が日々自分自身に言い聞かせている言葉なのかもしれない。
我々は、その「資本主義」のシステムの中に生れ落ちて、そのシステムを所与の前提として暮らしているので、資本主義のシステムや基本ルールについてことさら意識する事はない(当然のことと思って疑わない)。云わば「パラダイム」ってやつである。
例えば、会社が外資に乗っ取られたり、資金繰りに詰まって会社が潰れたり、借金で首がまわらなくなったり、といった究極の状況や、そのような目にあっている親しい人に触れるような機会がめぐってきてはじめて、「なんで資本主義のシステムってそうなってるの?」という疑問が湧いてくるものなのかもしれない。
しかし、そんな究極的な状況に陥ってしまってから考えたのでは遅すぎるので、大それてはいるが、社会を形成する根本の原理の一つとしてのこの資本主義システムについて考えてみたい。
ということで、今後何回かにわたってド素人の普通人が捉えた「資本主義というシステム」について、実感を中心に時々書いてみたい(常識の枠を平気で踏み外すのが素人の強みである!…という勝手な開き直りで、一部暴論も承知で展開するのでそのへんはスルーしてほしい)。
・バブル経済の構造とその行方~
・日本をガタガタにした「バブル経済」とその崩壊って何だったのか