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竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

奈良教育大にも「弘法清水」がある!?

2010年08月01日 | 日記
毎日、猛暑が続きますね!
何とかなりませんかね。
そこで、少し涼しいお話をしましょう。

奈良教育大には、なんと清水がこんこんと湧く泉があるのですよ。
これです!



どこにあるかというと、正門を入って、少し行くと坂になっていて、左手をみると
斜面が草原になって、植木も点在します。ちっさな小川も流れています。
その小川の源泉がこの泉なんです。

実は、春日原生林の伏流水が湧き出ているので、きっとおいしいですよ。
理科の先生が少し前、水質を検査したら、いいミネラルウオーターだったそうですよ。
大学の近くには、「清水町」と言う町名もあり、いい水に間違いありません。

大学も法人化して、お金がなくて困っています。
大学発の「なっきょんウオーター」を商品化しませんかね!
(注:なっきょんとは大学のイメージキャラクターです)

まあ、とにかく一度、この冷たい水を味わって見て下さい!?

次回ブログは、吉野の伝説「弘法清水」を語りましょう!
お楽しみに!

吉野・大塔村のお話「雀孝行」

2010年07月29日 | 日記
通勤途中、白庭台駅で燕が駅構内にとまっているのに出くわした。
早速、カメラに収めたのが、下記の写真です。



それで、思い出したのが、雀と燕にまつわるお話です。
原文のまま引用しましたので、ちょっと読みにくいでしょうが、
じっくり味わってみてください。


雀孝行

燕は、親が今、死に病でな。あの、なにしとんのに、
「来い」いうたら、化粧して、きれいにして、ゆっくり燕は来たんやて。
そんで、親の死に間にあえへんかってんて。

一方、雀は、もうな、そのまま、親の死に病にな、もう、すぐ来たんやて。着の身着のままで。
そんで、親の死に間にあってんて。

ほんで雀は、あんな格好でええし、村の近くでお米とって食べてええんやて。

燕は、きれいに紅つけたりな、おしろいつけたりして。
ほんでに、お大師さんが、
「もうお前はな、親の死に目にそんな化粧して、やつしとるんだったら、
もうお前はな、食物は食べられん。」て。
ほんであれは、虫となにと食べて、ほんで、
「土食って、虫食って、土くさい。」
って鳴くんやて。そして渡り鳥になって、遠くまで行かなあかんねんて。

わしら、子供の時、ようそんな話、聞かされたけど。

原話資料:比較民話研究会編「奈良県吉野郡大塔村の昔話(上)
     (『昔話―研究と資料』 14号 所収)
語り手:梅本マサノ

夏の民話祭りポスター公開!

2010年07月26日 | 日記
ナーミンちゃんのかわいい縫いぐるみは前回のブログで公開しましたが、
今回は素敵なポスターを紹介しましょう!


デザイナー:マスダ ケイコ

民話祭の当日、会場を飾ることになるでしょう!
語りの臨場感があふれているでしょ。
ナーミンちゃんも来て、聴いてますよ。

実物は以下のサイトを開いてみてください!

「奈良民話祭り」 8月11日・12日 国際奈良学セミナーハウス


ナーミンちゃんとともに語りの特訓中!

2010年07月24日 | 日記
私たち、奈良の民話を語りつぐ会では
現在、会員有志が新しいお話に挑戦中。


(写真説明:原話資料から日常語で語りやすいように
再話テキストをみんないっしょに検討中。
イメージキャラクター:ナーミンちゃんも応援しています。)

このあと、覚えて、自らの語りに仕上げていきます。

現在、挑戦中のお話:
中将姫、おふじ井戸、猿の肝、虫の知らせ、絵にかいた牛、おに女房などなど。

8月11日、12日「夏の民話祭り」聴きに来てくださいね。

モロッコで民話祭が復活!本日の朝日新聞記事より

2010年07月21日 | 日記
今日の朝日新聞を読んでいると、
「モロッコの山村で再び 先住民ベルベル人の民話祭り復活!」という
見出しが目に飛び込んできました。



私ども、奈良の民話を語りつぐ会では
奈良における語りの文化の復活に取り組んでいますが、
モロッコ・アトラス山脈の奥深い村々では、
北アフリカの先住民族ベルベル人が、年に一度の民話祭りで
独自言語での民話を語り継いできたそうです。
ところが近代化の波で10年前に祭りは途絶えたが、
今春、村人たちが仏人学生の協力を得て、復活してということです。

是非、7月21日(水)朝日新聞朝刊、8面を見てください。


高齢化社会ならではの笑い話「広岡の腰痛地蔵」  

2010年07月19日 | 日記
今日は久しぶりにお話テキストを載せましょう。
本来、このブログはお話の面白さを楽しんでもらうのが目的ですから。


広岡の腰痛地蔵   
  
奈良の広岡町に普光寺いうお寺があるねん。
そこに六体地蔵さんがあって、腰痛地蔵て呼ばれてるねん。



お参りすると腰痛が治るいうて、昔の人はようお参りに行かはったそうや。
あるとき、ひとりのおばあさんが、巾着に白いお米をちょっと入れて、
杖ついて、お参りに行かはったてんて。
そうして、お米をお供えして、「治してください」いうて、拝まはってん。
毎日毎日拝まはったけど、なかなか良うならへん。
おばあさんは、
「私はもう腰も痛いし、生きてても用がない。はよお迎えに来て下さい」
て拝みはってん。
そしたら、六体地蔵さんが現れて、
「わかった。明日早速迎えにきてやる」ていわはったんやて。
おばあさんはびっくりして、
「明日の今度のその今度で結構です」ていわはってん。
すると六体地蔵さんが、
「わかった。明日の今度のその今度に迎えに来てやる」
ていわはったんやて。
おばあさんは慌てて、
「明日の今度のその今度、もひとつ今度のその今度、またもひとつ今度のその今度」
て、繰り返し繰り返し拝んで、帰って行かはったいうことや。
この六体地蔵さんよう聞いてくれはるそうや。

原話資料:進藤秀樹・竹原威滋・丸山顕徳編 『奈良市民間説話調査報告書』 
     再話 : 村上 郁


この話は、高齢化社会ならではの笑い話ですよね。
語り手の村上さんは、昨年この話をNHKの「ラジオ深夜便」で語られて
大好評を博したのですよ!
  

ならまち民話地図をご覧あれ!

2010年07月16日 | 日記
夏の奈良民話祭り開催まであと一ヶ月をきりました。

特にならまちの民話をあらかじめ知っておいて欲しいのです。
と言うことで「ならまち民話地図」をご覧ください。



この地図の裏面、つまり、次のサイトでいえば、2ページ目に
ならまちの民話が9話載ってます。

ならまち民話地図

ぜひ、読んでくださいね。(少し拡大して見てください、読みやすくなります。)


そして、1ページ目の地図でお話のスポットを確認してください!



民話絵本『稗田の村と広大寺池』刊行される!

2010年07月13日 | 日記
奈良には大きな書店が今までなかった。
この春にビブレ奈良店に「啓林堂書店」が開店した。
児童書から専門書まで40万冊の品揃えという。
時々、私も通勤の合間に寄ることにしている。

お店の一番奥、つまり西端に児童書の売り場がある。
そこで民話絵本『稗田の村と広大寺池』を見つけ、思わず購入した。



写真の上段左端の本である。
こおりやま民話絵本の会がこのほど出版したものである。

絵:浜 朝子  文:辻野もと子
『稗田の村と広大寺池』

村人たちが日照りで稲が育たず、困っていたところ、
聖徳太子が稗田の村に来られ、その惨状を憐れみ、
広大寺池を造ってくださったという話である。
辻野もと子さんの文に浜朝子さんの絵も素敵である。
一読をお薦めします。

ちなみにこの村は古事記の語り部、稗田阿礼の出身地でもあります。

奈良なら民話祭・1ヶ月後に迫る!

2010年07月11日 | 日記
このブログを見ていただいている皆さま!

私たち、奈良の民話を語りつぐ会では
夏の奈良民話祭りを8月11日(水)、12日(木)に
国際奈良学セミナーハウスで開催します。
下記サイトをご参照ください:
「奈良なら民話祭り」

いよいよ、民話祭まであと1カ月です!

オンラインでお会いしている皆さま、
奈良なら民話祭りは、いわゆるオフ会です。
このブログの交流会です。

ネットでご縁を頂いている皆さま、
是非ぜひ、お子さま、お孫さまとご一緒にいらしてくださいね!

春の民話祭(4月1日・2日ならまち物語館)のスナップ写真を掲げます。



子どもさんも一生懸命、聴いてくださいましたよ。

今は家庭で伝承されなくなったふるさと奈良の民話のかずかずを
お届けします。

夏の民話祭の詳しいプログラムなどはまたブログで紹介します。






ふるさとに伝わる昔話を映像化!

2010年07月08日 | 日記
昨日のNHKのならナビを見ていたら、
「ふるさとに伝わる昔話を映像化」という兵庫県宍粟(しそう)市の
取組みが紹介されていました。

インターネット関連会社の社長前野良造さんは
宍粟に伝わる昔話を映像化して、ネットで公開しています。

そのひとつを紹介しましょう。


鮎の友釣り発祥地 ~下駄屋甚平物語~

宍粟市山崎町五十波(いかば)の揖保川岸は、
なんと鮎の友釣りの発祥地だという言い伝えがあります。

昔、下駄職人の甚平は、木彫りの鮎をおとりにして
鮎を取ったところ、うまく釣れました。



それが面白くて、下駄作りの仕事をそっちのけにして熱中していたのを
奥さんが気づいて、木彫りの鮎を全部燃やしてしまいました。
そこで困り果てた甚平は、本物の鮎を使った友釣りをしてみると、
次から次へと面白いほど針に鮎がかかったのでした。

これが「鮎の友釣り」の起源ばなしです。

下記のサイトをみてください。その映像を見ることが出来ます。

「下駄屋甚平物語」

ほかにも面白い昔話が下記サイトで見れますよ!

「しそうの逸話」


なぜ無実の罪を「濡れ衣を着る」というの?

2010年07月05日 | 日記
昨日、今日と武庫川女子大で行われた昔話学会に行って来ました。
昨日は大雨、今日は晴れ、暑かったですが
民家の片隅にこんな花が咲いていました。



さて、学会は6月24日のブログでお知らせしたように、
多彩なブログラムでしたが、
森誠子さんの発表から学んだとっておきの話をしましょう!

なぜ、無実の罪を「濡れ衣を着る」というのでしょうか?
私も知らなかった由来譚があったのです。

濡れ衣

ある男が国守となって任国へ下るが、
京より伴った妻はその地で娘を残して死んでしまう。
その後、その国の女を後妻に迎える。
この後妻は継娘のことを憎み、
夫に様々な讒言をするが用いられない。
そこで、財宝を与えて海人を語らい、
継娘が密かに海人と通じていたように偽装し、
その証拠として、海人の濡れた衣を寝ている継娘にかけておく。
翌早朝、海人が後妻に言われたとおりに、
自分の衣を返してくれと言いに来る。
夫は娘が海人の衣をかけて寝ている姿を見て、
後妻の讒言を信じ大いに怒って娘を殺してしまう。
このことにより、無実の罪(無根の浮名)を負うことを
「濡れ衣を着る」というのである。

出典:大島由紀夫による梗概(『学習院大学国語国文学会誌』31号より)

「濡れ衣」説話は、貝原益軒編『筑前国続風土記』(元禄10年)ほか
謡曲・説話集に多様な展開を見せつつ伝承されてきたそうです。


『奈良ふるさとのはなし英訳本』が奈良新聞社より刊行される!

2010年07月02日 | 日記
以前に乾健治著『奈良ふるさとのはなし』を読んだことがあります。
25年前に出た奈良の民話・伝説など124話が収録された名著です。
それが、なんと英語に訳されたのです。
それがこの本です。



最近、奈良にも外国人観光客が増えてきましたね。
世界に奈良の語りの文化を発信するのに、格好の手引書です。

天理大学教授のマッシュー・アイナンさんとアジア生活文化研究家の高宮照子さんの翻訳です。
B6判 262頁 1890円

奈良の民話の定番:良弁杉はじめ、中将姫、おふじ井戸、久米の仙人など
面白い話が満載です。読みやすいので、英語の勉強にもなりますよ。

例えば、良弁杉の冒頭を挙げてみましょう!

23. The Eagle and the Child

In the old days in the village of Shiga of the area of Omi (Shiga Prefecture)
there lived a husband and wife who were quite close.
However, because they were childless for such a long time,
they prayed to the Kannon bodhisattva and were eventually blessed with a baby boy.
They raised their child with loving care,
and when he was two years old the baby followed his mother to the mulberry fields.
While the mother picked the leaves of mulberry trees
she placed the child in the shade of a tree.
Suddenly an eagle, flying out of nowhere, snatched the infant and flew off.

とても、読みやすいでしょ。

お薦めの一冊です。

『おはなしおはなし通信』発行される!

2010年06月29日 | 日記
5月25日のブログで「奈良の民話を語りつぐ会」と「おはなしおはなし通信」の
おはなし交流会のことを報告しましたが、
本日、『おはなしおはなし通信』の72号(2010年6月)が
川瀬夫妻から送られてきました。

私はこの冊子を初めて拝読しましたが、
おはなしの好きな人にとっては、素敵な記事が満載です。

もちろん、この号はご夫妻の奈良訪問の際の「おはなし交流会」を特集しています。
そのページの一部を下記に掲げます。




この記事を読みまして、改めて「おはなし交流会」の楽しいひと時を思い出しました。

この通信にはほかにも、素敵な記事が載っています。

金子さんは妹さんのお孫さんとの絵本遊びのドキュメントを綴っておられます。
絵本を通して小さな子どもが物語の世界をいかに演じているか、
絵本の力のすごさをあらためて実感しました。

ほかにも、ピーターパンの作者の隠れたエピソード、
川瀬さんの民話の再話「観音様に助けられた鷹匠」、
藁しべ長者の原典:宇治拾遺物語「長谷寺参籠男預かりしように」の紹介など
全12ページの冊子ながら、おはなし愛好家にとっては魅力的な記事満載です。

是非講読をお勧めします:
下記のサイト「アメジスト・アート出版」ホームページをごらんください。

http://www1.ocn.ne.jp/~amejist/

猿沢池の衣掛け柳は植え替えてありました!

2010年06月26日 | 日記
5月22日のブログで「猿沢池の衣掛け柳は消えたままです!」と
書きましたが、
ちょうど1ケ月の6月22日に現場に行ってみましたところ、
実は別の場所に植え替えてありました。
下の写真を見てください。



手前右の切り株が昨年秋ごろ切り取られた跡です。
左の石碑には「衣掛け柳」と書かれてあります。
そしてその背後右手に新しく衣掛け柳が
池に垂れかけるように植えられていました。
そして支えの柱が4本ありました。
その支えは木が根を張れば、やがてはずされることでしょう。
次の写真を見てください。



反対側から撮りました。
その前には「衣掛け柳」の説明の新しい碑がありました。

これでお分かりいただけたでしょう。

私は早合点して、切られた株だけ見て
植え替えた柳を見落としていました。

それにしても、元の位置から離れすぎているのが気になりました。
以上が、「衣掛け柳」の顛末記です。

日本昔話学会・武庫女大で開催・7月3~4日

2010年06月24日 | 日記
今日は学会の話をしましよう。
私の関わっている学会は、
日本口承文芸学会、説話伝承学会、日本独文学会など
いろいろありますが、
なんと、昔話だけを対象にした学会もあるのですよ!
「日本昔話学会」といいいます。
もともとは、柳田國男のお弟子さんたちを中心に
つくられた学会です。
民俗学、国文学、児童文学、それに外国の民話を研究している方々、
ならびにストーリーテリングをしておられる語り手の方々も
参加している学際的な学会です。

毎年、年に1回、七夕の頃に大会が開かれます。
学会事務局の梅花女子大の加藤、鵜野両先生のお世話で
武庫川女子大学の野口先生のところで開催されます。

一般の方にも公開されていますので、
昔話に興味のある方は是非、いらしてください。

以下プログラムを載せます。


日本昔話学会2010年度研究大会
 
日程 2010年7月3日(土)~4日(日)
場所 武庫川女子大学
最寄駅 阪神電車 鳴尾駅から大阪方面に徒歩7分
場所:武庫川女子大学
 
プログラム (一般公開・無料)
7月3日(土)
12:00- 受付開始 場所:文学2号館23号教室(LⅡ23)前
12:45-12:50 開会の辞 武庫川女子大学 野口 芳子
12:50-13:00 学長挨拶 武庫川女子大学学長 糸魚川 直祐
13:00-16:30 講演会  
13:00-14:00 講演1 昔話と子守唄のポリフォニー 梅花女子大学 鵜野 祐介
14:15-15:15 講演2 累積昔話とはなにか 齋藤 君子
15:30-16:30 講演3 桃太郎からみる昔話研究の動向 國學院大學 花部 英雄
 
7月4日(日)
9:30- 受付 場所:マルチメディアホール(MMホール)前
10:00-12:10 研究発表  
10:00-10:30 在地伝承としての「濡れ衣」説話の展開 九州大学大学院 森 誠子
10:30-11:00 「ドイツの記憶の場」としてのニーベルンゲン
―メディアにおけるニーベルンゲン受容をとおして― 関西大学 齊藤 公輔
11:10-11:40 日本の山姥と中国の変婆の比較研究 立教女学院短期大学 立石 展大
11:40-12:10 「野獣の主」伝承とヨーロッパの狩猟文化 関西大学 溝井 裕一
 
14:00-17:00 シンポジウム(MMホール)
《テーマ:昔話のなかの女と男》 コーディネーター:武庫川女子大学 野口 芳子
14:10-14:40 基調報告1 ドイツ語圏の現代伝説における男と女 ドイツ語圏口承文芸研究家 金城 ハウプトマン 朱美
14:40-15:10 基調報告2 イラン民話のなかの恋人たち 大阪大学・世界言語研究センター 竹原 新
15:10-15:40 基調報告3 日本昔話における女性像の特質
―男女逆転型からの照射― 神戸女子大学 川森 博司
15:40-16:00 休憩
16:00-17:00 討議
17:00-17:10 閉会の辞 静岡文花芸術大学 二本松 康宏

詳しくは以下のサイトをクリックしてください:

http://www.mukogawa-u.ac.jp/~noguchiy/folktale.