PSSとの生活 #3 （2年6ヶ月・34,460km）

【2500キロ走行】
ミシュラン・パイロット・スーパー・スポーツ（PSS）を
購入して約3ヶ月と2500kmを走行しました。
最初は凄く固さが気になったものの、
いつも通り、大目に入れてある空気圧を
徐々に減らしていって調整。
非常に良かったのは、なんと給油口に貼ってある、
ＶＷ指定空気圧値でした。
最初から、そうすれば良かったのに(笑）

初回の200kmで、ヤケに固い塊感が薄れ、
600km辺りから本領を発揮し始めた。
飛ばす事に恐れなくなったのはこの距離からになります。

【感想】
＜低速＞
いわゆる一般道での走行では、多少固い気もするけれど、
柔らかさも兼ね備えた「パイロットスポーツ３（PS3)」
よりワンランク上の確実な操作性を感じます。
慣らし運転が終わったら、コンビニやスーパー駐車場
などへのアプローチも楽になりました。
馴れるとそれほど固いとは思いません。
タイアが暖まるまでは、多少ロードノイズを感じるのは
比較的ハードコンパウンドだからかも知れません。

＜中速＞
こちらも一般道での走行。
明らかに、ショックアブソーバーの劣化を感じる程、
タイアはインフォメーションを伝えてくれますが、
決してtoo muchではなく、程よい加減。
レーンチェンジなどではリアタイアがフォークリフト
のように曲がっているのではないかという錯覚まで覚えるくらい素直。

＜高速＞
東北の大震災の影響は、実は首都高湾岸線に多く出ています。
真っ直ぐだったはずの道路が微妙に波うっており、
スムースさは皆無。
車線変更などで、このうねりを経験すると多少足元を取られた
感じがします。
そんな時でも、安定しているのがこのタイアの良さ。
適度な固さでボディーを支えてくれます。
だから安心感が増すのです。

一般の高速道路は、最高が100km/h。
果たして先進国のように、第二東名高速道路が
120～140km/hになるかは不明なものの、そんな将来を
見越してタイアを選択するならば、ＧＴＩには
このタイアが適当でしょう。（PS3りもコチラが本命）
でも車がEOSやSLKのようなオープンスポーツカーなら
PS3をオススメします。

＜超高速（テストコースにて）＞
1980年代半ばまでのドイツ車には「最高巡航速度」と書かれていた。
最高速度とは違い、その速度で巡航出来る能力を示していたのだ。
しかし、エコが叫ばれるようになり、アウトバーンの多くの区間に
速度規制が入るようになると、あまりこの言葉を聞かなくなった。
同時に、高性能な車は全て自主規制の250km/hに統一されてしまったので
意味の無い数値になってしまったようだ。
しかし、近年では中東の一部などで本当に最高速を試せる場所があるので
「最高巡航速度」は復活したという。
そして一時発展が止まった感ものあったタイアの進化も
また動き始めた。

超高速域でのハンドリングは、最上で
スリリングな所は一切ありません。
もちろんGTIとしての走りのスリリング感はありますが、
安全第一の純正装備ESPと共に、最高の安定性、
最高のブレーキ性能を有しています。
また、ウエットな路面でも食いつきは120km/hの2
倍の速度を出しても変わらず、安心してクリージング出来ますし、
高速コーナーではいつもより数十キロ多いスピードで駆け抜ける
楽しみがあります。

【Pゼロとの比較】
ハッキリ言ってコントロール性からロードノイズ、
ウエットを含むグリップから消耗まで、
全く比較にならない。
それでも、両者の価格に差が無いのは何故だろう？
それはブランドイメージとしか思えません。

なので「GTI ピレリ」で「ピレリタイア」を履く事は
あくまでファッションなんだと思います。
また、Ｆ１用タイアと同じく消耗性が激しいので、
その消耗させながらのドリフトグリップを楽しめる
マニアックな人には、面白いタイアと言えるでしょう。

英国の自動車番組「Top Gear」的なコメントを書くならば
　・「MONEY IS NOTHING WITHOUT CONTROL」
　（本当は、POWER IS NOTHING WITHOUT CONTROL）
　・「インテル・ミラノのサポーター専用品」
　・「グリップ最悪、でも騒音が好きな方へ」
と嫌味が出てしまうのもピレリならではでしょう。

もし僕がこの車を20年間所有し、車のオフミに持って行くなら
Pゼロタイアを履かせて登場したいですね。その話題性、
そしてシート生地とのコンビネーションを他人様に見て
いただくのには、素晴しい演出だからです。

しかし、安全に走る楽しみも追求したい今、
同じ金額を支払うのなら、僕はミシュランのPSSしか
選ぶ気がしないのがホンネです。