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予測されていた全電源喪失

2011-06-11 | つぶやき
経産省所管の独立行政法人「原子力安全基盤機構」が2008年から毎年公表している報告書で、福島第1原発2,3号機と同規模のマークⅠ型原子炉の防波堤の高さが13mの場合に、15mの津波が襲来すると、外部電源、非常用電源を含めた全電源が喪失し、冷却機能停止によって100%炉心が損傷すると予測。また昨年公表の別の報告書では、地震によって全電源が喪失した場合、わずか約1時間40分で燃料溶融が始まり、約7時間後には格納容器まで損傷し、大量の放射性物質が大気に放出されると予測していたそうだ。福島第1原発の防波堤の高さは約5.5mしかなく、今回の大震災では14~15mの津波が襲来し、原子力安全・保安院の解析によれば、1号機は津波襲来後2時間余りで炉心損傷が始まり、約4時間で圧力容器が損傷した。まさに上記報告書が予測した事態がそのまま再現されたという。これに対し、東電は「発生確率の高いものを優先し、手が回らなかった」と説明しているそうだ。また、原発の改修、補強に取りかかると、今まで地元に安全と説明した前提が崩れるという事情もあったという。さらに、同原発の40代の東電社員は「現場では震災前から津波で非常用電源が水につかり全電源喪失の危険があるという認識があった」と証言しているそうだ。●一方、日本原電東海第二原発(@茨城県東海村)は07年の東電・柏崎刈羽原発を直撃した新潟県中越沖地震を受けて、津波想定を4m台から5.7mに引き上げ、防波壁の建設に着手(南側の壁は既に完成)したことが奏功し、今回の大震災で全電源喪失を回避できたそうだ。 ⇒ 6/11読売新聞
産総研は昨年春の報告書で、1150年前の貞観地震で今回と同規模の巨大津波が発生していたことを警鐘していたそうだし、全電源喪失とその後のメルトダウンも予測されていたのに、それを敢えて想定せず、全く対策を取ってこなかったのは東電の責任であり、また、それを容認してきたことは国の責任であろう。しかし、最早、起きてしまったこと(まだ継続中であるが)をキャンセルできる訳ではない。このようなことが二度と起きないようにしなければならない。(関連:3/31マイブログ)

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