受験票には、自由曲として用意したレパートリーが
10~9級では3曲、8~6級では4曲、
記入されています。(ピアノ・Bコース)
3曲・4曲 苦も無く用意できる人もいれば
2曲でもしんどいのに~と負担に思う人も。
そんなわけで
ある時期に起こる現象として、こんなのがあります。
【9級の自由曲】
「メヌエット」「きつつき」「トルコ行進曲」
他が およそ30秒で弾ける曲なのに対し
一曲だけ、その級にそぐわない、異様に長くて浮いた曲が。
…発表会の曲です。
ちょうど、発表会が終わった後に グレード試験があるので
1曲、余分に弾かずに済むよう、
発表会の曲をそのままグレードに使っちゃえ
…という魂胆丸見えの レパートリーです。
当てませんよー。
舞台に向けて、長々と弾きこんだ曲は
それなり一旦は きちんと仕上げたでしょうし。
そんな曲を わざわざ聴こうとは思いません。
また逆に、発表会後も 延々 弾くことで
本人がうんざりしていた場合(←よくあることです)
かなり雑な演奏を聴かされかねない。
(――だからと言って、
「発表会の曲」は絶対当たらないかといえば
そんな事は 無いのですけれどね。試験官によります。)
ちなみに、今まで試験官をしてきた中で
一番 仰天した出来事。
↓
グレード試験が終わった後の 講評の際
生徒さんに 質問することが あるのですが
私「ところで、今日弾いてくれた2曲目の自由曲、
何分の何拍子の曲だった?」
生徒「えーと、8分の6?」
(正解は2分の2拍子。4分音符の伴奏が続く曲)
・・・・・
本当に、弾いているだけなのだなあ、と思う時。