外国のどこだったかな、「料理が辛いものばかりだから、食後に甘い物が欲しくなる」と言っているのを聞いて私は膝を打ちました。全体でバランスを取るわけです。すると日本料理は、料理に砂糖をけっこう使うから、食後には甘くないデザートの方が向いているのかな?
【ただいま読書中】『日本の有平糖 ──名匠に学ぶ、基本の手順と細工徹底解説』石川久行 著、 グラフィック社、2018年、3500円(税別)
私は和菓子では主菓子が好きで、有平糖はきれいだとは思うけれどそれほど食指は動きません。「砂糖から作った!」と主張する菓子だったら、金平糖の方が好き。それでも有平糖が嫌いなわけではないので、せっかくだからちょっと読んで見ることにしました。
有平糖は、砂糖を煮詰めて作った飴菓子の一種で、戦国時代にポルトガルの宣教師によってもたらされた「アルフェロア(糖蜜から作られた茶色い棒状の菓子)」「アルフェニン(砂糖から作られた白い砂糖菓子)」が元だそうです。
まず様々な有平糖が写真で紹介されますが、単なるハードキャンディーではなくて、実に細かく細工され着色されたガラス細工のような風情です。
ではそれを作るためにはどうするか。まずは基本生地を作ります。白色、赤白のボカシ、緑と白の縞生地などを必要な量だけ準備しなければなりません。そのために必要なのが、色粉。素色の粉末をアルコールで溶いて固さを調節して準備しておきます。同時に道具もすべて準備。そうしてから、白双糖と水飴を煮詰め始めます。
飴細工ではついつい「細工」の方に注目してしまいますが、「基本」が大事、が著者の主張のようです。
基本生地ができたらそれをカットして細工ですが、たぶん熱いですよね。繊細にかつ大胆にスピーディーに、と矛盾した手さばきが求められるのでしょう(未来の「本」ではこれを動画で見ることができるのでしょうね)。私は作る側ではなくて愛でる側に身を起き続けることにします。これを作るのは、私には無理だ。