足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

NO. 1503  ~ 7月 玄倉の自然 ~

2017年07月18日 | 野生動物

観 察 月 日   2017.7.9.晴 31℃

観 察 場 所   山北町 玄倉

玄倉川はいつもながらの水量で丹沢湖にそそいでいるが、支流

の小菅沢は水が止まっている。

 先月は、体調にアクシデントがあって、私は玄倉に来る事が出

来なかったが、元丹沢湖ビジターセンター玄関前の木には、何年

か前に急に現われたモリアオガエルが幾つかの卵塊を今年も産

んでいたと言う。その残骸が残っていた。

 先月来た人々の話を聞くと、枝に卵塊はあったものの、その下

にある人工池には水か無かった。皆さんは心配したが前庭の水

道は止まっているし、どうにもならなかったという。

 ところが、今日は池に水が溜まりモリアオガエルのオタマジャク

シが泳いでいた。その後降雨があったのであろう、カエルにとって

幸いであった。だが、現在は管理する人は無く、池の水質は悪く、

オタマジャクシは水面に頭を出して呼吸していた。はたしてこのま

ま成長し、変態し、カエルになれるかどうか皆で心配になった。

 こんな西丹沢の一隅のモリアオガエルの命が次代へ繋がるかど

うか心配する事等、利益を産み経済成長を追求する現代社会から

見れば、自然は利益を産まないどころか、無駄なものにさえ写るで

あろ。が、一つづつ県民の自然財産が消えて行くのはどうなのだろう。

 気分を変えて、ミドリが大好きという心が無色の仲間と西丹沢の

自然を見つめて歩いた。

支流の 小菅沢

先月の モリアオガエル卵塊の残骸

池の水は アオミドロ等でどろりとしていた

気分を変えて 無色の仲間と歩く。 オバボタルが

今年は 気温が高いのに 開花が遅い

Sファミリーが座ったデーブルのベンチに クロオオアリの集団が!

★クロオオアリの世界に いったい 何があったのか。

気を取り直して ミドリの中を!


No.1502 ~ オバボタル で考える ~

2017年07月13日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.6.18日 雨 20℃

観 察 場 所   厚木市 七沢 (丹沢の林道他)

「もう、ゲンジボタルの時期が過ぎて、すでにヘイケボタルでした。

光は弱いがきれいでした」ついこの前話を聞いたばかりだ。

 突然目の前を、黒い体に赤く染まる小形の甲虫が飛んだ。その

時「ヘイケボタル?」と小さく口走った。考えてみれば、夜行性

のヘイケボタルが日中飛ぶ訳はないのに。聞いた話が頭に残っ

ていたのだ。

 とっさに掌で捕まえようと、1回2回と振って見たが、空気の動き

に押されて失敗、3度目には掌に当たって地上に落ちた。

 落ちた甲虫はと言うと、胸部を前に曲げ、横になって寝ている形

だ。そして、じっとして動かない。甲虫の中には、驚いたりすると葉

上から自分で転げ落ち、地上では足を縮め死んだ振りをするもの

がいる。

 "寝姿が可愛い❤”と言う人がいそうな形?で寝ていたが、しばらく

すると、のこのこ歩き出した。

 落ちた甲虫はヘイケボタルではなかった。胸背の赤い斑紋は似

てきれいだが、オバボタルであった。成虫は光らず、昼間活動する。

そこで、ヘイケと比較すると目は小さく、触角は平たく長い。触角は、

活動する時何等かの情報をキャッチするための形だ。

 最近丹沢山麓を歩いて目にしたホタルとその近くの仲間を思い出

すと、黒を基調とするが、赤が入ったり、その形にも変化があって魅

力的だ。だがその種に辿り着くには、専門性が高く私などにはとても

できない。

手のひらに当たって落ちたホタルは 動かない。

オバボタルだ 赤色紋が違う 目が小さい 触角が扁平で違う

ベニボタル

キタベニボタル?

クビボソジョウカイ?

ジョウカイボン

★ ベニボタル科 ジョウカイボン科は肉食性 小昆虫を捕食する


No. 1501 ~ エサキモンキツノカメムシ ~

2017年07月12日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.6.18日 雨 20℃

観 察 場 所   厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

「観察会に参加して、初めての雨になりました。草木のミドリが一段ときれいになり、

雨もまた楽しいものだと思いました」センターのミニ観察会に参加した人の“声“。

雨に濡れたハンゲショウを、皆で観賞した。

 ハンゲショウが白くなったこの頃、私たちは一本のミズキに注目するの。ミズキ

の葉を指で軽く返し裏面を見ると、不思議にも、背中にハート印の紋を付けたカ

メムシが何匹も集まっているのです。

 相手を探しまわっている細型の♂。既に相手を見付けカップルになれた♂。♂の

方が細身、しっかりしている方が♀。♀はこれから沢山の卵を産み、生命をつない

でいく重い役目を担っているのだ。

 ミズキの葉裏を見ると、いるいる、一匹ではなくここにもそこにもと、産んだ卵を

体の下に抱えて守っている。

 ♀に抱えられている卵は、やがて孵化するが幼くてまだ親の下を離れられない。

脱皮して体がやや黒くなり、足がしっかりすると幼虫達は散り始め、ミズキの枝

を登り始める。

 和名は”エサキモンキツノカメムシ“と長い名前だが、私の回りの人の間では、

いつの間にか”ハートカメムシ“と呼ぶようになった。

 今日の参加者の”声“にも「ハートカメムシは、背中に❤を付けて我が子に愛情

を注いでいるんですね。人間も見習はなきゃ・・・」 

「可愛らしさと母の愛の強さに感心。どのくらい続くのかな?」

”参加して 初めての雨 雨もまた楽し”

雨に濡れ 美しいハンゲショウ

この季節 ミズキの葉裏が 気に架かる

”ハートカメムシ” と愛称で呼ぶ 細い方が♂

お母さんは 懸命に守る。 背なかを触ても 葉を揺すっても お母さんは卵を離さない!!

だから ハート印の紋を 背中に貰ったんだ!!

★ 今の世の中 見習ってほしいね!