エメラルドの海に 設計図が描かれて
羽化前日 蛹のカプセルに蝶のパーツが・・・
朝の4時 暗い内に羽化は終わっていた
蛹の抜け殻を上から見る 設計図も中の様子も見えない
ウラギンシジミ成虫(蝶)の♀
観 察 月 日 2011 8、28、晴 30℃
観 察 場 所 厚木市 七沢産
ウラギンシジミを見ていると、身近なシジミ
チョウの仲間と比べ、形態的にも、生態的にも
異なって見える。
蛹の形を見ても、他のシジミチョウと違いカ
メノコ型で、その腹面はクズ等食草の表面にぴ
ったりと密着させ、剥がす事は困難でむろん蛹
の腹面を見る事は出来ない。
そこで、今回はその腹面を見ようとガラス面
を用い、蛹化する事を試みた。すると、蛹を上
面からは外皮しか見えないのに対し、体の中が
透けて見えたのである。これは、葉に密着させ
ているので内外皮の層が単純なためなのであろ
う。そこから解ったのは、蛹化時には、既に蝶
になる為の体の設計図が、描き上げられていた
ことだ。
羽化前日、設計図面通り羽が完成、頭も胸も
腹も、目も口吻も触角も足も、体の総てが蛹と
言うカプセルに、コンパクトに積み込まれたい
るのが見えた。
翌朝4時、暗い内に羽化は終っていた。そこ
には、蛹の抜け殻が残されていたが、羽化を終
えた蝶と比較するとその大きさの違いに驚いた。
他のシジミチョウと違い、力強く羽ばたく羽と
体を持っている。それを作り上げたエネルギー
は蛹の中のどこにあったのか。目には見えない。