足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.987 ~ ベッコウハゴロモ ♂ 羽化 ~

2011年08月27日 | 昆虫

ハゴロモヤドリガ5令幼虫を付けて、元気に歩き回る

クズの葉上の繭、大きさは5mm

糸を広く吐いているものもある

繭の中から蛹が半分ほど出た形で成虫は這い出す

頭頂から尾端まで5mmと小さい

羽状の大型の触角が目を引く

休んでいる時は 触角は力なく下がる

ハゴロモヤドリガの寄生していないベッコウハゴロモ

日  2011 8、25 曇 30℃

所  横浜市 戸塚区 舞岡

 

 ベッコウハゴロモを4匹見付け、幸運?にもその内の2匹に

ハゴロモヤドリガ幼虫が寄生していた事は前号に書いたが、そ

の幼虫も間もなく寄主を離れ、蛹化のため繭を作る5令幼虫で

あった。

 茂るクズの葉を見て行くと、葉の表面や裏面に繭が幾つもあ

り、中にはヨモギの葉に、コンクリート面でもみられた。

 繭を2個持ち帰り、大型のシャーレに入れて置いたところ、

Ⅰ♂が羽化した。見ると触角が大きく羽状に開いているのが目

を引く。広い空間の中で、♀のフェロモンをキャッチするのは、

大仕事なのだろうか。

 ガの成虫の大きさは開長で言うが、標本にしないと計れない。

便宜的に頭頂から尾端までを計ると5㎜と小さい。野外で成虫

発見は困難とみえ、神奈川県昆虫誌では5例の記載に留まって

いる。

 平野から低山まで普通にいる様だが、ハゴロモ科のベッコウ

ハゴロモ、スケバハゴロモ、アミガサハゴロモとはわりと出会

い、観察し撮影もしているつもりだが、今までハゴロモヤドリ

ガ幼虫の寄生には全く気が付かなかった。

 実態としては(テングスケバも含め)、どの地域に、どの程

度棲息しているのだろうか。