丹沢湖ビジターセンター
kさんが手にした枯れ枝に付いていた 変形菌ムラサキホコリ
付け根は 毛のように細い多くは胞子の塊だ
細い小枝を 子実体に触れると 胞子が飛び散り空気中に広がった
観 察 月 日 2013 7.14.晴 34℃
観 察 場 所 山北町 玄倉
今日一日の仕事も終わり帰り際に、ビジターセンター裏庭の
池の様子を見ていると、レンジャーのKさんが林の中から出て
来た。
「こんなものがありましたよ。写真に撮りますか」と。Kさんは
30cm程の枯枝を持っていたのである。
「ここに、刷毛状のものが付いているでしょ」と言われて見ると、
1cm程の古びてばらけた筆の穂先様なものが付いていた
それは、“キノコでもないし、カビでもない”私の不思議そうな
顔を見ると
「ムラサキホコリの仲間です」 Kさんは変形菌に詳しいのだ。
以前にも見せてもらった事がある。
枯れ枝についているのは子実体で揺れるとそこから胞子が出
て、風に流れて朽木や土壌など好条件な場所に落ち発芽すると、
アメーバー状の細胞が放出されるのだと言う。これらの細胞はバ
クテリア等を捕食しながら大形のアメーバー状生物に成長し、こ
れを変形体と言う。変形体は朽ち木や土壌の中に潜り込んでいる
ので、多くは私達の目には入らないが、適当な時期になると表に
出て小さなキノコの様な子実体になり胞子を飛ばすのだと言う。
動物にも植物にも思える不思議な生物”変形菌”に興味を持ち、研
究に没頭した”南方熊楠”は余りにも有名だ、
ところで、大形の子実体のムラサキホコリに集まり、好んで胞子を摂食する
甲虫がいると言うから、生き物はどこまでも不思議で興味深い。
先日の27日(土)に、丹沢湖ビジターセンターに行ってきまして、Kさんとお会いして、先生の変形菌の写真についてお話しました。Kさん「あんな小せぇ変形菌の写真を、綺麗に撮影された先生はすげぇ~!!」といつもの調子で、驚きかつ大変喜んでいました。