足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1171 ~ ナツズイセン は 里山の花 ~

2013年08月01日 | 植物

草むらの中より 茎が伸び

花を 開く

人里の植物だ

観 察 月 日  2013 8.1.曇 陽が射す 30℃

観 察 場 所  瀬谷区 瀬谷

 オカトラノオの花も実となり、赤い花穂を突き出したミズヒキの

草むらから、60cm程の茎を伸ばし、ナツズインセンが花を開いた。      

 “夏枯れ”の言葉は人の社会にある言葉だけではなく、野原を

眺めて見ても暑さにあえいでか、咲く花は少ない。その中にあっ

て、すっくと茎を伸ばし花を付けるのがナツズイセンだ。

 花の色がいい。濃くも無く、薄からず、藤色がかった桃色が辺

りを明るくする。人里にあって山深くには無いのは、帰化植物の

証しだ。古い時代中国より人と共に我が国に渡って来たのだろう。

 若い頃の夏には、よく信州の松本辺りを歩いた。稲も大きく成長

し、田んぼは濃い緑のじゅうたんを敷き詰め、牛車が通る程の十

字路があった。村の人々にとって重要な地点だったのだろう。そ

こには道祖神が祭られ、寄り添う様にナツズイセンが花を咲かせ

ていた。ナツズイセンは野の植物ではないので、先人の誰かが

植えたのだろう。       

7月は過ぎ、8月のお盆のころになると自然に盆花(キツネノカミソリ)

が咲き、9月のお彼岸にはヒガンバナが咲いた。

その人情と景色の美しさに心を打たれ、カメラのシャッターを何

回も切ったのを憶えている。その頃の写真はカラーフィルムであ

った。あの時の懐かしい思い出は、フィルムの中に現像されたままだ。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿