草むらの中より 茎が伸び
花を 開く
人里の植物だ
観 察 月 日 2013 8.1.曇 陽が射す 30℃
観 察 場 所 瀬谷区 瀬谷
オカトラノオの花も実となり、赤い花穂を突き出したミズヒキの
草むらから、60cm程の茎を伸ばし、ナツズインセンが花を開いた。
“夏枯れ”の言葉は人の社会にある言葉だけではなく、野原を
眺めて見ても暑さにあえいでか、咲く花は少ない。その中にあっ
て、すっくと茎を伸ばし花を付けるのがナツズイセンだ。
花の色がいい。濃くも無く、薄からず、藤色がかった桃色が辺
りを明るくする。人里にあって山深くには無いのは、帰化植物の
証しだ。古い時代中国より人と共に我が国に渡って来たのだろう。
若い頃の夏には、よく信州の松本辺りを歩いた。稲も大きく成長
し、田んぼは濃い緑のじゅうたんを敷き詰め、牛車が通る程の十
字路があった。村の人々にとって重要な地点だったのだろう。そ
こには道祖神が祭られ、寄り添う様にナツズイセンが花を咲かせ
ていた。ナツズイセンは野の植物ではないので、先人の誰かが
植えたのだろう。
7月は過ぎ、8月のお盆のころになると自然に盆花(キツネノカミソリ)
が咲き、9月のお彼岸にはヒガンバナが咲いた。
その人情と景色の美しさに心を打たれ、カメラのシャッターを何
回も切ったのを憶えている。その頃の写真はカラーフィルムであ
った。あの時の懐かしい思い出は、フィルムの中に現像されたままだ。
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