足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1202 ~ カメムシの 何を見る、何を考える。 ~

2013年12月23日 | 昆虫

観 察 月 日  2013.12.15.晴 12℃

観 察 場 所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 冬空を見上げると、キリの木が枝を広げ、黄褐色の花芽と茶褐色

の果実がコバルト・ブルーの中に伸び上がっている。

 3cm程の果実は割れた隙間から、羽をもった細かな種子が、灰を

撒き散らす様に風に乗って四方に飛散する。細かな種子を採り出そ

うと果実を二つに割ると、意外にもエメラルドを思わせる艶やかなカ

メムシが入っていた。さて、何カメムシなのだろう?

 子供も見るハンディーな図鑑を開くと、アオクサカメムシ、ミナミアオ

クサカメムシ、ツヤアオクサカメムシの3種が載っていて、調べなけれ

ばと言う事になる。

 私が昆虫少年だった頃の記憶と手元に残っている原色昆虫図鑑

(昭和8年初版)を見ると、この手のカメムシは「アオガメ」と只Ⅰ種の

みであった。名前の事より、アオガメが高い空間に広がるキリの果実

の殻を、越冬の場所に選んだ事に興味を持つのだが。

 「ハサミツノカメムシがいますよ」と声を掛けられた。この仲間の♂の

腹端には、生殖節がはさみ状に突き出しその状態で種が違う。「はさ

みは開いている」と言うので、それなら「ヒメハサミツノカメムシでしょう」

と答えた。「でも、はさみが小さくて見え難い」と言うので「セアカツノカ

メムシかな」で終わりにした。後で写した写真を見たらはさみは太く刷

毛状の毛が見え、フトハサミツノカメムシであった。これも、昆虫少年

の頃の原色図鑑には「ハサミガメ」Ⅰ種で総てを網羅していた。

 その事よりも、良く見ると左側の足は前足1本のみで、中足と後足が

欠けているが正常の姿勢を保っている。もしもロボットカメムシであった

ら、転げているだろう。名前よりも、生き物としての昆虫を見つめる事が、

自然観察だと私は考える。

房状につく キリの果実の一つに

緑色濃い カメムシが 似ている3種のうち (ツヤアオクサカメムシ)

「ハサミツノカメムシがいますよ」皆興味深々

フトハサミカメムシであったが それよりも・・・

この状態で 冬を越す?

生きると言う事は 厳しいことだ

 

 


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