足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1065 ~ ヒオドシチョウ 西丹沢の ~

2012年07月14日 | 昆虫

6月の玄倉林道

エノキにヒオドシチョウの幼虫が群れて

ヒオドシチョウの前蛹

羽化寸前の蛹 羽の模様が透けて見える

蛹の皮が破れて羽化が始まる

羽化終了

7月の玄倉林道 幼虫もチョウの姿もない

夏眠に入り ・・・秋・冬も眠り・・・現われるのは来年の春

観 察 月 日  2012.7.8.曇 22℃

観 察 場 所  山北町 西丹沢 玄倉林道

 「テングチョウじゃないし、ヒオドシチョウの幼虫でいいですか」Rさん

に聞かれたのは6月の事であった。

 それは西丹沢玄倉林道で、枝を大きく広げたエノキの葉を食べてい

たヒオドシチョウの幼虫で、全体を見た所百匹は越える数と思われた。

私がこんなに大量の幼虫に出会ったのは、とうの昔の事である。

 当時は里山のエノキを歩けば、この時季良く見掛けたもので、小さな

木であると葉を食べ尽くし木が枯死するのを心配したものである。その

訣は、成虫♀が卵を100個・時には200個と纏めて産みつける習性が

あるからだ。今では環境の悪化からか平地では殆ど見る事が出来な

いのは残念である。

 その後、西丹沢玄倉林道のあのエノキを訪れて見たのは、7月に

入ってからの事であるが、幼虫はもちろん、羽化したチョウの姿を見る

事は出来なかった。

 それもその筈、ヒオドシチョウはチョウになると、やがて夏眠に入り姿

を消してしまう。どこで過ごしているのか今でも謎だ。そして、秋・冬を過

ごし、再び姿を現すのは来春の3月~4月なのである。

 ヒオドシチョウは不思議な物語の持ち主なのだ。

 

 

 

 


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