足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1689 ~ 年賀状に寄せて ~

2020年01月05日 | 植物

観察月日  2019.10.20.晴 21.5°

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 今年の年賀状には、“ミゾソバの花に来たホソヒラタアブ”を取

り上げました。

 ミゾソバは湿地に生える野の草で、田んぼや水辺でよく見られ

る。草丈は0.3m~1m程で、よく群生し、保全センターの湿地に

はそれが見られ、見事だ。

 和名は、江戸時代には付いていたらしく、暮らしに重要な“そば

の花”と似て、溝に生えている事から付いたのだろう。この他”ウ

シノヒタイ(葉の形から)、カイルグサ(カエルが住んでいるから)、

コンペートー(花の形から)、等よく目にする名前だ。

 日本植物方言集成を開き、全国各地の方言名を数えて見たら

100以上に登り、農村の大人や子供に、日常的に親しみのあった

植物であった事が伺い知れる。

 花は小さく花弁状の蕚片は5裂し、先を紅色に染め、集合花で

目を引く。

 ところが開花の様子を見ると、雄蕊雌蕊を出しているのは1~2

花で、寂しい。訪れる昆虫を見ると、もの静かなホソヒラタアブで、

静かに飛来し、静かに止まり、静かに花粉を食べる。花を全開し、

元気なマルハナバチが訪れ、花の上を賑やかに走り回るそれとは、

対称的だ。

 長い時間と歴史の中で、花も虫もそれぞれの個性を生かし、命

を繋ぐのに最良の方法を見付けだした様に思えるのだが、どうだ

ろうか。

今年の年賀状の原画。

ミゾソバの群生。

アブの仲間は、花粉を舐める・・・・・・!

ヒラタアブは静かだ。


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1 コメント

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Unknown (Mita Yoshiko)
2020-01-12 16:09:07
アブ 高校生の夏キャンプで刺され、長いこと皮膚科通いを迫られた嫌な思い出が強いので、決して好感が持てない。種の違いこそあるのでしょうが、、、
小さな花に蜜を求めての写真には、敵対視を感じるなどあろうはずもない。  生き物の本能、強さを思う。
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