観 察 月 日 2015.5.17.晴 26℃
観 察 場 所 厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)
野外施設では、林内に陽を入れる為、崖の崩れを防ぐため等、
成長した針葉樹を何本か伐採している。その為優しい陽が入る
ようになり、今年の春はニリンソウやヤマブキソウが林床一面
に咲き、ミニ観に来た人達を喜ばせた。
切り出した樹から取った板、皮を剥いだ丸太は、観察路の脇
にねかせてある。私は密かに、「どんなカミキリが集まるか」と思っ
ていた。切り出したばかりの材は、カミキリを集めるトラップに成
るからだ。
5月5日のミニ観の時も、観察ポイントと意識していたがいなか
った。
5月17日ミニ観時には、何匹ものカミキリムシが丸太の上を歩
き回っていた。頭部と胸部は黒褐色、鞘翅は赤褐色13mm程の
テツイロヒメカミキリと考えたが、その後ご教授もあり、検討した所
ヒメスギカミキリに訂正した。ヒノキの丸太の上では、単独で歩き回
っているもの、交尾行動、産卵のもの色々だ。
中でも、産卵管の長さからして何処に収納していたのか、まるで伸
縮するカメラの三脚の様に、腹端の7~9節の腹間膜を伸ばして長
い産卵管を形成しているのは、観察ポイントだろう。
神奈川県昆虫誌を開くと、ヒメスギカミキリの記載は大変多く、“針
葉樹の材には極めて多く普通種で、色彩には変異がある”とあった。
丹沢大山山麓でも多数の記録があるので、センターのフィールド
の樹木の枯枝等、又、補修に使用するであろう丸太についても、今
後継続して見て行きたいと思う。
成長した針葉樹を伐採
丸太が置いてある
ヒメスギカミキリ が
交尾のもいる
どこへ 産卵しようかな
長い産卵管 にビックリしませんか!
これからが 楽しみ
写真のカミキリはヒメスギカミキリと思われます。
杉に来るカミキリは種類が少なく、里山では
トゲヒゲトラ、ヒメスギが99%、ごくまれに
スギ、スギノアカネトラという感じです。