谷戸に手押し車が置いてあった
「アレ! ハチが葉を抱えて飛んでゆく!」・・・・・・
「どこへ? なにしに?」
「そこは 手押し車のハンドルの・・・・」 「葉が大きすぎて その穴には無理だよ」
「アレアレ! 無理にいれて・・・・」
「ハンドルのパイプの中で ハチは 何してるんだ?」
34秒たった時 ハチは 穴から顔を出した
また 葉を切りに行った ハチは 葉を切っては 葉を切っては・・・・運んでくる
ケヤブハギへ戻ると 大顎で素早く円形に裁断
裁断した葉を二つ折にし 大顎と足で抱え 巣穴へ向かって再び飛び立つ
観 察 月 日 2011 7、17 晴 32℃
観 察 場 所 厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)
「アレ! ハチが葉を抱えて飛んでいる!」 誰かが叫んだ。
私が振り向くと、微速度撮影の1コマの様な、葉を抱えたハ
キリバチが目に写った。が、次の瞬間ハチは手押し車のハンド
ルに突き当たった。ハチの体は穴のサイズに合うが、葉が大き
過ぎたのだ。だが、ハチは構わず葉を無理矢理穴の中へ引き入
れたのである。
ハンドルの握り手はプラスティックだが本体は鉄製のパイプ
だ。私が野外で見ているところでは、切り株に開いた穴とかタ
ケの筒等だが、このハチは、それと見なして人工物を利用して
いるのだ。
葉を運び込んでから34秒、ハチは仕事を終え出て来た。バ
イプの中を見る事は出来ないが、産卵し、幼虫を育てるための
準備をしているのだ。
「ハチが、葉を切っていますよ」Rさんの声がした。
手押し車のすぐ後ろにあるケヤブハギの子葉にハチは取り付い
ている。
カメラを向けてもハチは反応せず、大顎を上手に使い鋏で切る
様なスムーズな動きをしている。
ケヤブハギの子葉には、円形に切りぬかれた模様が幾つも残
されていた。