足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.974  ~ ハンゲショウ 白の 不思議 ~

2011年07月06日 | 植物

半夏生の日のハンゲショウ

6月半ばの頃のハンゲショウ

つぼみ

花弁がないからだろう、雄蕊の約が雌蕊を包み、守っている。

雄蕊の約の花粉が、雌蕊の柱頭についている。

雄蕊の役目は終わった

ルリマルノミハムシが雄蕊を食べる。

白く変化したのは、葉の表だけ。

日  2011 7、2 晴 31

所  瀬谷区 瀬谷

 

 雑節の半夏生の日だ。庭のハンゲショウを改めて見たら、

上部の緑の葉が美しく白く化粧をしていた。

 

 “何故”白くなったのであろうか。その何故には二つの

事項が考えられる。

 一つはメカニズムだろう。植物の色素に“白”は無いと

言はれる。それは、葉の緑色の色素“クロロフィルム”が

分解し消滅した事で、太陽光は細胞の隙間で乱反射し、私

達の目には白く見えるのだと言う。

 他の一つは、その時期に花が咲く事である。ハンゲショ

ウは、花が咲いても目立たない。花には、虫の目?を引く

花弁も無ければ、色もない。そこで、上部の葉を白く変化

させ、昆虫に対するコマーシャルメッセージを発している

のである。

 

 だが不思議な事に、ハンゲショウの花に昆虫は、殆どや

って来ない。

精々来るのは、ヒラタアブかハエの類である。花には蜜は

用意してない様で、花粉を目当ての昆虫なのである。それ

でも、ハンゲショウにとっては、送粉してくれる良いお客

さんなのだ。反面、蕾から花への経過を見ると、殆どを自

家受粉で種を継続している植物と思える。

 

 花穂を見ていると、5㎜程のルリマルノミハムシが来て

いた。まだ開いていない雄蕊の約を次々と食べていた。

 困り者だ。