早めのつゆ明け ネムの花開く
草原は、バッタや鳴く虫の” ニンフ ”たちでにぎやか
ショウリョウバッタの ニンフ
ショウリョウバッタ(褐色型)の ニンフ
カヤキリの ニンフ
ツチイナゴの ニンフ
観 察 月 日 2011 7、10 晴 28℃
観 察 場 所 山北町 玄倉
夏雲が湧き始めた湖のほとりの草原を歩くと、体長1~2㎝程
のバッタや鳴く虫のミニチュアが跳ねまわり、パンツの裾に当た
ってくる。
昆虫の一生は、卵、幼虫、(蛹)、と令を重ね、やがて成虫と
なり、次代へと命をつなぐ。
チョウ、ガ・・・は、卵から早く生まれ過ぎたのか、イモ虫・
毛虫と親と全く似付かぬ姿の幼虫時代を経て成虫へと変身する。
バッタ、鳴く虫・・・は、孵化した時から親の体に似た“若い虫”
を経て成虫へと変身する。完全変態、不完全変態と呼ばれる所以
である。
ギリシャ・ローマの神話の時代では、神々は自在に変身してい
た。そして、野山や湖には”ニンフ“が、美しい乙女の姿をして
楽しく戯れていた。かつての西欧の動物学者は、詩情豊かに不完
全変態の若虫を、”ニンフ“と呼んだのだと言う。
動物行動学者日高敏隆氏は「ニンフと呼ぶのを僕は好む。幼虫
、若虫の日本語は論理的には筋が通るが、味も素っ気もない。」
と言う。
草原に戯れるバッタや鳴く虫のニンフ達も、丹沢の山々に夏雲
が影を落とす頃には、立派な成虫に変身しているに違いない。