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足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1600 ~ エンブレムのファションショウー ~

2018年10月25日 | 植物

観察月日  2018.10.20.晴 22℃

観察場所  秦野市 渋沢丘陵 頭高山

 

 昨年は悪天侯の為中止となった、“かながわトラストみどり

財団”秋の観察会、今日は秋晴れの中楽しく歩いて来た。

 市街地から折れて雑木林に入った。日陰の林道脇を、1m

幅で約20mもの場所を、キチジョウソウが埋めている。「地

下茎で繁殖しているのかな」と誰かの声。クローンなのかも

しれない。    

 この植物は不思議な事に、有る所には一面はびこってい

るのに、無い所には全く無いと言う、生え方だ。今日のコース

も似た環境が続くのに出会わない。では有る所は、人の気

配のある所で“人から離れ慣れない植物?”と言えそうで、

古い昔人と共に渡って来た植物だと考えると、興味が倍増

する。

 又、庭の下草等に植えられるが、滅多に花は咲かず、“花

が咲いたら吉事がある”と言われた事から和名が付いた程だ。   

「花が咲いているわ」「赤い実も」と誰かが。広線形の根生葉

の付け根に、淡紅色の花が咲き、紅い実もあった。環境が

適応し、栄養繁殖をしている時は、無駄なエネルギーを使っ

て花を咲かせては、バランスシートが成り立たない。“では、

何故ここでは花が?”この林道に根付き、現在までの成長

過程は解らないが、現在の場所の成育環境に限りを感じて

いるのだろうか。

 キチジョウソウにはそれなりの、環世界を感じながらその

場を離れた。

 やがて畑のある広い尾根道を、そして、雑木林に入り狭い

尾根道を進んだ。

 秋は実りの季節「色、形、働き」の観点から、ガマズミやオ

オツズラフジ・・・の実を歩く中で集め、昼休みに自分の物を

使い台氏にボンドで貼り、エンブレムを完成し、全員でエンブ

レムのファッションショーをして、楽しんだ。

渋沢丘陵を歩く。

林道脇がキチジョウソウの群落が続く。

尾根道に咲く ノコンギク。

紅い実をたわわに付けるガマズミ。

エンブレムのファッションショー 始まり。

誰のが いいかな!

どのエンブレムもすばらしい出来ばい。

胸に付けても よく似合う。

秋の美しい自然を ザックに詰めて・・・

 


No. 1598 ~ 台風24号の後 ~

2018年10月05日 | 植物

観察月日  2018.10.1.晴 31℃

観察場所  横浜市

 

 台風24号は、30日から1日明け方まで、最大瞬間風速八王

子で45.6mmを記録し駈け過ぎた。

 今回は、TVで「早めに対策を!」と盛んに報じていたので、一

応その気になった。

 庭の半分は野草で、秋はノコンギク、シロヨメナ、ヤマハッカ

、イヌショウマ、シモバシラ、オケラ、イソギク、食用ギク等の花

が咲く事になっている。後は畑で、ダイコン、ハクサイ、ホウレン

ソウ、等の野菜で、ダイコンとハクサイは、暮にはご近所にお裾

分けをしているので、つぶれては困る。

 そこで、ハクサイには、前日風避けのため不織布を掛けた。ダ

イコンは本葉が出たばかりなので天に任せる。ミカン、ユズ、キ

ンカン、カキ等もそのまま。先日、シーカーサーを植えたばかり

なので、支柱を立てて囲った。

 台風一過の1日は、すばらしい晴天になった。

 野草は強風になぎ倒されたが、自立で起きる事を期待しょう。

 ハクサイの不織布は、南面は剥がされたが、吹き飛ばされた

のは真逃れた。ダイコンは、見るも無残に幼い苗は地面に叩き

つけられ、再び蒔かなければだめの様だ。今年の暮の野菜が

心配。

 「マンションの生垣のキンモクセイの花が散ってキレイですよ」

と言われ、行って見ると路面が金色に染めていた。枝を覗くと、

花が無く花柄だけが残されていた。

台風が過ぎ 日本晴れ。 3軒隣のハミズキ。

食用菊の向うに 覆いをしたハクサイ。

オオバギボウシ他野草はなぎ倒され。

ダイコンは 哀れ。

ハクサイは 吹き飛ぶのは真逃れた。

オンブバッタも布に潜って真逃れた。

キンモクセイ 遠くに丹沢の山々が。

花が落ちて。

ハナミズキの実も。


No. 1597 ~ くずはの家で・・・~

2018年10月04日 | 植物

観察月日  2018.9.16.曇 26℃

観察場所  秦野市 くずはの家

 

 くずはの家で、“植物をどう見たら良いのか、どう考えたらよいの

か”情報過多の現在、、自分の目で確りと見る事の大切さを、Rさ

んの手伝いを得て話をした。

 くずはの家には自然を生かしたフィールドがあり、寄り道して見る

と、ツユクサが昨夜の雨を受けて花開いていた。露草色の花弁の

中心に目立つ黄色は、花粉を節約した飾り雄蕊だ。突き出した雌蕊

と並んでいる2本の雄蕊は花粉を出すが、花がしぼむ時は自ら雌蕊

に花粉をまぶして、確実に子孫を残す。昆虫が訪花するのを予測し

てか、花弁にワカバグモが待機していた。

 観察路の脇を埋めているのは、キツネノマゴだ。ネーミングから「キ

ツネノマゴ」は想像し難い。そこで“日本植物方言集成”には、どんな

方言名が載っているか楽しみに開いて見たら、意外にも一件もなく狐

につままれた様な気がした。どこで、誰が付けたのだろうか。

 ミズヒキの赤い実は、小粒なのに藪の中で一際目立つ。緑のチャバ

ネアオカメムシの幼虫が、小さな実を見付け鋭い口吻を突き刺し、果

汁を吸っている。

 久し振りに出会ったシュロソウ、若い実が面白い。カシワも若いどん

ぐりだ。

ツノハシバミの今年は豊作の様で、実付きが良い。ナッツとしてクッキ

ーでも作れそうだ。

くずはの家 羨ましい環境だ。

植物の話をしよう。

露草色は 水に流れる。

わからない? キツネノマゴ。

ミズヒキの実の果汁を吸うのは だれ!

シュロソウ。

カシワのドングリ。

ツノハシバミは豊作か。

 


No. 1595 ~ ママコノシリヌグイは? ~

2018年09月27日 | 植物

観察月日  2018.9.12.曇 25℃

観察場所  清川村 宮が瀬

 “ママコノシリヌグイ”とは、一度聞いたら忘れない和名であり、

知らない人はいないと思われるほ程、有名な呼び名だ。

 葉にも茎にも下向きの鋭い刺が生えていて、「まま子の尻を

拭いてやったら、さぞ痛いであろう」こんな事を連想させる和名

なのだが、いつの頃から呼ばれていたのだろうか。一つの試み

として、“日本植物方言集成”を開いて見たら、24収録されてい

る中で、「とげそば」とか「はりそば」とかは見られたが、花の形

から「こんぺとー・・・」が呼び名としては最も多く、「ママコノシリ

ヌグイ」と呼んでいた地方は無かった。

 ママコノシリヌグイの茎には、鋭い刺が密集している外、花柄

には腺毛が密集していて粘つき、衣服や体に触れたりすると、

一瞬困った事になるが、植物体はそのお陰で細く伸びた茎を、

互いに支え合い、上へ上へと成長する。

 林道でも、適当に開いた場所がある所では、その場所を領

有している。

 方言名の、「こんぺとー・・・」は、地方に住む人達に昔から親し

まれていたものと思われるが、私自身今見ても、柔らかな紅の

色や花の形から、微笑ましい気持ちになる。

 蜜が豊富なのであろうか、それと、花の色が形が紫外線の視

覚と、臭覚の世界で暮らす昆虫達にとって魅力的な植物なのか

次々と訪れ、私の心の中の言葉は「こんぺいとーばな」であった。

ママコノシリヌグイが領有している 見事な空間。

鋭い刺。

花柄には 腺毛が。

ハナアブが花粉を食べに。

 トックリバチの一種。

イチモンジセセリ 前足でも蜜の様子を探る。

コミスジも。

アゲハチョウも吸蜜にやって来た。


No. 1594 ~ キバナアキギリの秘密 ~

2018年09月24日 | 植物

観察月日  2018.9.6.晴 28℃

観察場所  秦野市 くずはの家

 けやきの会の9月の自然観察地は「キバナアキギリが見たい」と

いう話が出た。「それなら、くずはの家にして見たら」とつい私が言っ

てしまい、その後花期が良かったか、心配になった。

何年か前、この会で弘法山へ行き、権現山へ行く途中、北側の路

にキバナアキギリの群落が続き、花も盛りでマルハナバチが吸蜜

に訪れていた事があった。それは10月の中頃であったと記憶して

いる。

くずはの家に寄り、一段低い湿地の縁に付けた道の両側にキバナ

アキギリの群落が続くが、緑一色であった。

9月は花には早いのか。しかし、1株づつ成長の具合を見て行くと、

3株、花穂が伸び2輪程開花しているものがあった。「これなら、会

の時には何とかなる」と決めた。

キバナアキギリの様な形の花は“唇形花”といい、上の花弁を上唇

といい、下の花弁を下唇という。上唇の先を良く見ると、細く突き出し、

先が2裂しているのが雌蕊で、雄蕊は見当たらず、上唇の下に隠れ

ている。上唇と下唇の間を覗くと、退化した雄蕊が2本塞いでいるの

が見える。

唇形花の花は、マルハナバチに特化して来た花で、吸蜜の為花へ

潜ると、ハチは退化した雄蕊のペタルに当たり、シーソー状に連動

して、隠れていた雄蕊が降り、マルハナバチの背に花粉を叩き付け

る仕組みだ。マルハナバチは最良の花粉媒介者だ。

みどりに包まれる くずはの家。

キバナアキギリの小道。

花穂の伸びた株が見つかった。花が2輪、雌蕊が突き出る。

退化した雄蕊が ペタル状に見える。

Rさんが 草の茎の先でペタルを押すと 上唇に隠れていた雄蕊が降りて来た。

マルハナバチが 下唇に止まり・・・・・・次へ

花へ潜ると ペタルを押して 上唇に隠れていた雄蕊が降り 背に花粉を・・・・・・・

花の 違いを・・・・

★ 以上3コマの写真は 2008.10.13.弘法山で撮影。