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足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1610 ~ 続・玄倉だより12月 ~

2018年12月18日 | 植物

観察月日  2018.12.9. 曇 4℃

観察場所  山北町 玄倉

 「トビが何羽も旋回しているわ!」の声に、一斉に灰色の空

を見上げると、トビの群れがループ階段を上がる様に、上へ

上へと昇って行く。以前青空の中に同じ様な景色を目にした

事があったが、冷たい空気が淀んでいる空間の中にも、上昇

気流が起こるものだろうか。

 「トビは44羽かな」双眼鏡で追っていたYさん!「どこへ旅立

つのだろうか」とは誰かが。トビの姿は小さくなって行く。

 イタヤカエデの枯葉が積もる坂道を行くと、急におびただし

い程の細い小枝の重なりに変わった。

 私が一本手にしていると、「それ、ウワミズザクラの花序を

付けていた小枝ですよね」とRさんの声。毎年4~5月の頃試

験管洗いのブラシな様に、小さな桜の花をぎっしり付けるの

だが、毎月第3週日曜日がガイドウオークの日で、皮肉にも

私達が集まった日には、蕾であったり、花が咲き終わった後

であったりして、此処では綺麗な晴姿を見ていない。

 サクランボの時期は過ぎ、その後は実を付けていた果梗

は枝と別れ、落下し林道上を埋めているのだ。

 フサザクラの枝には、コボタンズルの羽を付けた実が冬の

花を飾り、春にオタマジャクシが泳いだ水溜りには、イノシ

シの脛毛がスタンプされ、マユミの紅葉を見ながら戻った。

Kさんのケーキを頂きながら、年の瀬の丹沢の山々を見渡した。

灰色の空を トビが廻る、トビが昇る。

小枝が落ちて 積もって。

ウワミズザクラ 花の頃。

コボタンズルが 冬の花を。

水溜りに イノシシの毛 スタンプ。

マユミの紅葉。

Kさん手作りのケーキを頂きながら 仲間はいいね 丹沢はいいね。・・・・・・

 

 


No. 1608 ~ 私のミニ観察 ~ 

2018年12月05日 | 植物

観察月日  2018.11.18.曇 16℃

観察場所  厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 

 ミニ観察会では野外に出掛ける前、写真パズルをやっている。今回は

、秋と言えば紅葉と言う事で、イロハモミジの葉一枚を、A3の写真用

紙9枚に拡大したものをばらばらに置き、それを組み合わせてみるも

ので、そこから自然の見方や考え方を学ぼうと言う願いもある。

 カエデの仲間を見る時、(三出複葉のもの)葉に切れ込みのないもの、

葉に切れ込みのあるもの、鋸歯がないもの等、大まかに分けてみると、

センター内や付近のカエデをグループに出来そうだ。そして、赤や黄色

に色付く仕組みは説明出来ても、その理由は生物学者にも解らない

と言う自然現象の不思議さにも触れられたらと。

 フィールドへ出ると、日当たりのよい雑木林の下では、シロヨメナの

花が盛りで、一寸意外に思ったのは、(勘違い、物忘れ)キッコウハ

グマが白い小さな花の盛りで、クチナガガガンボの一種が吸蜜に来

ていた事だ。

 リンドウが、たたら沢を挟んだ向こう岸の北斜面で、草に塗れて咲

いていた。先月は気付かず、咲いていなかったのだろうか。

 近頃気に成るのは、春から初夏の頃ハルジオンの花が咲き、終わ

るとバトンを受ける様にヒメジョオンが咲き、季節の移り行く様を感じ

ていた。が、この頃(秋)大きく成長したヒメジョオンが見事な花を盛ん

に咲かせている事だ。当然の事かも知れないが?

幼児のお子さんがゲーム参加 お父さんが・・・。ほほえましい風景、大歓迎です!

ゲームの写真は これを9分割したもの。

陽だまりに シロヨメナが咲いていた。

キッコウハグマの花が盛り クチナガガガンボが吸蜜に!

リンドウも 盛んに花を!

この頃気になる ヒメジョオン!

ミニ観11月に来てくれた 沢山の仲間の人達!!

 


Mo. 1607 ~ 公園のあり方を知る ~ 

2018年12月01日 | 植物

観察月日  2018.11.29.晴 15℃

観察場所  八王子市 大谷町 (都立小宮公園)

 半ば程葉を落とした雑木林の中を巡る木道、その感触の心

地良さ感じながら、私は立っていた。

 今日は、伊勢原の人が集う“みどりのかぜ”の仲間と、JR八

王子駅よりバス10分の“都立小宮公園”に来ている。

 「フユシャクが引っ切り無しに飛びますね!」と私と並んで歩

いていたRさんが話し掛けて来た。開長2~3cmの小さな蛾

が、地表2~3mの所を、桜の花弁が風に押される様に乱舞

している。

 フユシャクの仲間は、緑の夏は幼虫として育ち、冬の12月

~2月頃に掛けて成虫になって飛びだす。今、目の前に飛ん

でいるのは総て雄の蛾で、雌の蛾には羽は無く、フェロモン

を出して雄を待ち、やがて交尾に至る。これは、長~い時間

の中で自然が選んだ方法なのだろう。

冬の山道では良く見掛けるが、こんなに出会うのは中々無い。

ここの公園が、フユシャクだけでなく、多くの生き物にとって

観世界が良いと言う事だ。都の職員や都民の考え方の表

れだろう。  

弁天池にはアオサギが降り、ウバユリの種子を飛ばした殻の

中ではカメムシが冬越しのリハーサルを、気温の低さには勝

てぬリンドウもまだまだ頑張り、オトコヨウゾメの紅葉はRさん

の足を止めた。赤い落葉を敷き詰めた“この大木は”と見上げ

ると、果柄を残したウワミズザクラ。広い草地に枝を広げるコブ

シの大木は、小宮公園のランドマークだ。花の頃必ず来よう。

きれいな 雑木林だ。 木道を歩く。

イチモンジナミフユシャク 木道近くに止まってくれたので”パチリ”

弁天池に アオサギが。

ウバユリの殻に カメムシが!

リンドウの花。

オトコヨウゾメの紅葉。

ウワミズザクラの木が。

果柄が 残っていた。

枝を大きく広げた コブシの大木。花の時期に来てみよう!

 

 


No.1603 ~ 小中沢林道を歩く ~

2018年11月07日 | 植物

観察月日  2018.10.30.晴 17℃ (11.3.)

観察場所  清川村 宮が瀬

 「みやがせフェスタ秋」に参加「ネイチャークラフト教室」の材

料収集に、林道を歩いた。

 まだ紅葉には早く、緑の葉を付けた小高木の中に、小粒な

赤い実が目を引く。カマツカだ。材が丈夫なので、鎌の柄に使

ったり・牛の鼻輪にしたり、暮らしの中の木であった。

 星形に開いた深紅の蕚の中に、藍色の果実を付けるクサギ

がみどりの中に浮かび上がる。昔から草木染めに必要な生活

木だ。

林道脇の小高木は、私達の暮らしを留める資料木が多く、次の

世代に残して行きたいものだ。

 この辺りの林道で、秋を代表そるアザミと言えば、立ち姿のき

れいなアズマヤマアザミだ。歩いても歩いても続き、花にはキチ

ョウ、ミドリヒョウモン、アサギマダラが飛び交う筈が、何故か今

日は、そのアザミが見当たらない。

 餌となり、暮らしの場になる植物が少ない事に比例してか、ア

カタテハ、タンザワフキバッタに出会っただけで、寂しかった。

 金沢橋の欄干には、トビサシガメが集まり冬越しの準備をして

いる。

 Rさんの「オシドリの群れが泳ぎ出した」の声、急ぎ湖面を見る。

前を2羽の♀が並んで泳ぎ、後を追う1羽は♂、並んで泳ぐもう1

羽は、体色は♀に似ているが、嘴が赤くエクリプスの様だ。 

今日は野鳥撮影の、準備はしていなかった。

カマツカ

クサギ

アズマヤマアザミ の花に来た キタキチョウ(キチョウ)

アカタテハ

タンザワフキバッタ

リュウノウギク

オシドリの群れ

「ネイチャークラフト教室」 で活動する ”自然関心人間”の人たち


 No. 1601 ~ 玄倉だより 10月 ~

2018年10月27日 | 植物

観察月日  2018.10.14.小雨~曇 15℃

観察場所  山北町 玄倉

 玄倉に着くと小雨、木も草も水滴を付けている。空は暗く昆虫

の姿が見えない中、ホウジャクだけが元気に飛び回り、タイア

ザミの花を求めて忙しそうだ。

 今日もいつもの小菅沢林道を歩く事にした。私達の仲間は、

目利きの人揃いで、次から次へと観察相手を見付け、これは

素晴らしい事だが歩が進まず、いつも同じ距離、同じ場所、同

じポイントを歩いて時間切れになる事が多い。

 今日は小菅沢に掛かる鉄橋まで行こうと約束した。

 鉄橋まで来たのは、3月以来7カ月振りだ。高い場所から広い

河原を眺めていると、「あれ!フジアザミではないですか?」

と声がして、皆が集まった。

 廃止されたセンターが出来て以来小菅沢林道を歩いているが

、河原でフジアザミを見るのは初めてだ。丹沢の山々にはフジア

ザミはあるので、何処からか種子が飛んで来たのだろう。

 「河原に、降りてみましょうよ!」と皆の声。早速河原へ降りる

ガレタ小道へ向かった。

 降り口の藪からクロコノマチョウが飛びだし、タゴガエルも姿を

見せる。フジアザミは1mもあろう株から大きな葉を広げ、50本

もの花柄を立ち上げている。「チョウを始め昆虫達の集まってい

る所が見たかった」誰かの呟き!「来年の楽しみにしよう」の掛け

声で、河原を離れた。

約束通り 小菅沢の鉄橋まで来て記録撮影が出来た。

その時 「あれ! フジアザミではない?」

藪から クロコノマチョウが飛び出した。

「タゴガエルがいましたよ」と Kさんが!

直径1mもある フジアザミだ!

夏から秋にかけて 昆虫たちで賑わったのだろう。 残念!!

Kさんが 河原の木陰で イノシシの頭骨を発見。

来年に楽しみを! 河原のフジアザミを後にした。