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足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1759 ~ コロナの中の観察会3~

2022年01月31日 | 植物

観察月日  2022 1.9.晴 10℃

観察場所  山北町 玄倉

 下界の新型コロナ感染症拡大を気にしながら西丹沢まで

上って来ると、ダムの向こうに真白の富士、その上にはウ

ルトラマリンの濃い青空が広がっていた。日本では、瑠璃と

言えば仏教での七宝。ヨーロッパでは“青い宝石”それは、海

の彼方からやって来たという意味でウルトラマリン。これか

ら作られた顔料は、最上の青と言われている。

 地上に敷き詰めた落葉には霜が降り、雪の名残が残ってい

た。ミツマタの蕾も膨らみ、フランネルの生地に包まれている

が春の来るのを待っているのを感じる。“ビジターの裏庭にあ

るシモバシラの霜柱を身に行こう”と裏手に回るが、例年見ら

れる造形的な霜柱ではなく、崩れた形で、中には氷の板状の

物があった。今冬の気象状況を反映したのであろうか。

 ダム沿岸を行く林道を歩く。「あの! 揃って伸びている植

物はなんですか?」の質問の声が聞えた。

 見ると、崖側の背丈より高い位置がテラス状に成っていて、

若緑色の細い茎が素状よく空へ真すぐ伸び目を引く。「それ

、”ヤマブキ“ですよ」

Rさんの声がして「茎が若緑でしょ」と続けた。  茎にある“冬

芽と葉痕”は、熊本城を築いた“加藤清正の長い兜”を、連想

できるかどうか?ルーペで覗いて見ては!

 野鳥は、カンムリカイツブリ・マガモ・ホシハジロ・カワウ・エ

ナガ・ヤマガラ・コゲラ・トビ・ハイタカ・クマタカ・オシドリ40~50羽

マガモとオシドリは混群で泳ぎ、飛び立ち、等の行動が見られた。

ウルトラマリンの青空が広がっていた。

落ち葉の上には・・・・・。

フランネルを来たミツマタは・・・。

変形した 霜柱・・・・。

林道へ出る。 「あの植物は」・・・・。 

ルーペで見たら 「なるほど・・・・・・・」 ほんとかな?。

マガモ と オシドリ が 飛び立つ・・・・・・。

 

 

 


No. 1758 ~ コロナの中の監察会2 ~

2022年01月23日 | 植物

観察月日  2022 1.9.晴 10℃

観察場所  山北町 玄倉

 6日振雪あり、横浜では10㎝程積もった。西丹沢玄倉ではどう

であったか心配したが、今回の雪は、海側に多く、山側には少な

かった様だ。

 玄倉バス停前には雪は無く、眩いばかりの青空、その向うに富

士だけが白く輝いていた。

 雪の残っていた、元ビジターセンターの正面に並んで先ずは記

録写真。

 冬は日当たりを求めて、丹沢湖を巡る林道を歩く。道沿いの崖面

の草木は葉を落としているが、ノイバラ、サルトリイバラの朱色の

実は秋の名残をとどめていた。

 「あれ、ユリの ですか?」と誰かの言葉が微かに私に聞えた。種

を飛ばしたユリのさく果だが、形からしてヤマユリではないが、では

何ユリと自問したが、答えが頭の中で口ごもっていた。

 それは随分前の話しだが、丹沢ダムの端まで歩いて行くと、そこは

ロックフィルダムと言う形式で、岩がごろ付く広い斜面に出た。その

斜面全体が、タカサゴユリ(台湾原産の帰化雑草)の花に埋め尽くさ

れた景色が頭に浮かんだからである。

 原型のテッポウユリでは、仲間の花粉が必要、種から開花は3年必要。

タカサゴユリは自家受粉で結実、発芽わずか9カ月で開花、1個の種さ

えあれば大群落可能。ところが、長い間咲き誇った各地の大群落で気付

いて見たら消え、そしてシンテッポウユリに置き換わっていたという。

タカサゴの間で何が起きたのか。生命にも関わる問題でもある様だ。

玄倉は、眩いばかりの青空。

残雪を探して、まずは記録撮影。

紅いノイバラの実。

サルトリイバラの実も紅くきれい。

答えが 頭の中で口ごもった。


No. 1757 ~ コロナの中の観察会 ~

2022年01月04日 | 植物

観察月日  2021.12.12.晴 20℃

観察場所  山北町 玄倉

 青空には静かな綿雲が浮かぶ暖かな日を、仲間と共に

丹沢湖のほとりを歩いた。

 湖面にはホシハジロ、キンクロハジロが泳ぎ、林道上に

は枝が動かないのに、この葉がひらひらと落ちて来る。

 林道脇の切り立った崖、その崩れを抑える為金網が張ら

れ、その網目より真赤に染まった葉を付けた枝が下がるよ

うに、突き出ている。

 「12月だと言うのに、綺麗な紅葉、何の木かしら」誰かが

呟いた。皆の目がそこに集まったが、誰からも言葉が出な

かった。

 「実の形からすると“ウツギ”の仲間に見えるが」顔を見合

わせる人がいたが、それ以上は出て来なかった。

 「春に成って花が咲く頃確かめに来ましょう」それが結論

となった。

 では、その時の私は、皆さんの話を聞きながらも頭の回路

が何も動かず、言葉と振る舞いを心地よく流していた。どうし

たのだろう?

 しばらく行くと、黄色に色付いた低木が崖から道に向かって

広がった木に出た。葉は3つに切れ込み特徴ある形だ。とこ

ろが名が出て来ない。

 私が、「葉の形が恐竜の足跡」と言ってみた。「そう言われて

も思い出せない」と返ってきた。だが、「冬芽が丸くて大きい。

春早く黄色い花をつける“ダンコウバイ”よ」とやっとRさんが思

い出した。

 とにかくコロナで、野外を歩いてない。自然に接してない。

頭の回路が動いてない。コロナ感染症の影響は大きい。

丹沢湖のほとりを 歩いた。静かだ。

綺麗な紅葉 なんの木かしら。

黄色に色付いた 低木。

冬芽が大きく、ダンコウバイよ。

急に風強く 空一面の雲が。

今日の仲間。少し少ない。


No. 1747 ~ ウツボグサ が カコソウに ~                                                           

2021年09月02日 | 植物

観察月日  2021.8.18.晴 32℃

観察場所  Yokohama

 関東はつゆが早めに明けたのに、その後は暑い日もあれば、

雨の日も続き、関東も伊頭山ではとんでもない災害が起きた。

 コロナ感染症の猛威もあって、仲間と歩いていた”西丹沢の

定例観察会”も中止し、その後も外出を控え、人とも会わず、

心理的に落ち込んだ日びを過ごしていた。

 ある晴れた日庭の片隅を見ると、“ウツボグサ”が“カコソウ”

に変わっていた。

 夏の始め頃は、「歯抜け爺さん」「歯抜け婆さん」と呼ばれた

赤紫の明るい花穂であったものが、焦げ茶色をして“カラカラ

・・”と乾いた音を立てる花穂に変わっていた。名前も“夏枯草”

と。誰がいつ付けたのであろうか。その花穂の先には、“シオ

カラトンボ”が止まり空を見上げて、大きな“トンボの目玉”をく

るりと回していた。

 私は、夏枯れ色の花穂を一本引き抜き逆さにして、黒い画

用紙の上で振って見た。小さいだろう種を見ようと、思ったか

らだ。ところが期待に反して種は一粒も、落ちて来なかった。

束にしてやって見たが同じだった。なるほど、蕚が横向きで、

花穂がカラカラな所に秘密があったのだ。枯れた花穂が、

風に揺れ、雨に打たれ、ネコが通ると、種蒔きが始まる。

そこで、青い花穂を振って見たら、落ちて来た。小さな種を

ルーペで見たら、種の先に、白い粒(オマケ)が付いていた。

何の“役目”をするのだろうか。

夏の始めは、花盛り。

枯れ色の花穂に、シオカラトンボが。

枯れ穂を逆さに振って見た。

枯れ色と青い穂。

こぼれた種。

種をルーペで見たら、白い粒の(オマケ)が。これ、何だ?

 

 


No. 1746 ~ ウツボグサが咲いた ~

2021年08月08日 | 植物

観察月日  2021.8.8.台風。34℃

観察場所  Yokohama

 退職後、丹沢山麓を歩き始めた頃には、ウツボグサは普通

に見られ、特別引きつけられる野の草ではなかった。

 そんなある日、グリンインストラクターの人達と歩いていた時、

畑の片隅にあったウツボグサを見つめ、懐かしそうに話し始

めた人がいた。

 “学校の勉強が終わり、家に帰る畑道に、ウツボグサを見付け

ると、その花穂を覗き込み「これ、歯抜けばあさんよ!」「これ、

歯抜けじいさんだ!」と大はしゃぎをしたものです。“と、話してく

れたのは鍛代さんであった。彼女は、大山に近い郷に、今も住

んで居られる。  当時の子どもには図鑑等無い。教えてくれる

大人も、いない。だから、四角い花穂から"抜け、抜けに花が出

る様子から「歯抜け爺さん・歯抜け婆さん」と呼んでいたに違い

ない。試みに”日本植物方言集成”を開き全国の方言名を調べ

てみた。身近の草なので、“1017の方言名が載っている。中で

も"花穂の形から”と思われる“✕✕枕”“こむそう”、“吸い花、蜜

吸い・・、ちちぐさ、うばちち、・・”等身近なもの等いろいろだが

、その中で人間を、育てているに違いないのだ。

 これを切っ掛けに、身近な自然を庭の中に取り戻そうと少々

あがいている。

 今更ながら、“歯抜け爺さん”になる訳を、見つめてみよう。

こんな景色に 出会った時の事であった。

庭のウツボグサの開花 花が1輪だけ咲いた。

次の花は 花穂の中から 蕾の頭が覗いている。

蕾が 顔を出した。

こうして、1輪、1輪と ばらばらに咲いていく。 だから、歯抜けを重ねていく。