銘器展終了 - ミューズの日記
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



昨日『第3回世界の銘器展』が無事終了しました。大勢の方にご来場頂きました。ありがとうございました。今年は今までで一番多い38本の銘器が揃いました。

今年改めて感じましたが、ギターの音には大きく分けて2種類の音がありますね。一つはギターの音、もう一つは楽器の音。言葉で説明が難しいですが、「これはいいギターだね!」と言うものと、「これはいい楽器だね!」と言う違いとでもいいましょうか。朝青龍の事件で横綱の品格が問われていますが、後者のギターには品格があるとでも言いましょうか。分からんですかね?

それと今回は大変貴重な体験をさせていただきました。あるお客さんが1963年のハウザーⅡ世で殆ど未使用のギターを持ってきてくださり、展示品のハウザーⅢ世2001年と新作、そしてロマニロス新作を弾き比べることが出来ました。今どきこんな殆ど未使用の1963年のいハウザーⅡ世なんて存在するんですね。これはある有名ギタリストが所有していたものだそうです。
さて、弾き比べの結果はと言いますと、ハウザーⅢ新作が44年も前に製作されたⅡ世の楽器と非常に似た音だったんです。作り方は大分変わって来ていますが、血筋と言うのは恐ろしいと言うか、凄い!Ⅱ世の方が少し音が太いんですが、音色と言い、音の分離性といい非常に近いものがあるんです。
恐らく44年間弾き込んでいたら違った音になっていたでしょう。60年代のハウザーを何本も見ていますが、そんな音になっていたと思います。と言うことは、ハウザーⅢ世の新作も弾き込んでいくと60年代のハウザーⅡ世の様な音になるかも知れませんね。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



« 銘器展にぜひ 名古屋ギター... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (HSPT)
2007-12-03 23:49:44
「品格」。たくさん試奏してみると、なんとなくわかってきたような気がします。

ハウザーⅡ世、Ⅲ世、ロマニ新作とは贅沢な音の世界ですね。素晴らしい瞬間ですね。
 
 
 
重みのある言葉ですね (KEIJI)
2007-12-05 11:51:16
ギターの音には大きく分けて2種類の音がありますね。一つはギターの音、もう一つは楽器の音。

実に重みのある言葉ですね。本当に勉強になります。


私事ですが、先日セルシェルのコンサートを上野の東京文化会館で聞きました。ボーリンの11弦はやや線が細く硬質な音で音量もありません。またスペイン系のような艶やかさやドイツ系のような力強い骨太感がなく、単音はそんなに魅力のある楽器ではありません。しかし、演奏が始まるとそのような不満は忘れてしまいます。一つ一つの音が楽器からでなく、ステージから湧き出るような感覚で聞こえます。また、音量はありませんがコンサートホールの空気を揺らし、全方位から柔らかな響きが降り注いできます。パイプオルガンがコンサートホールを共鳴体として設計されるように、コンサートホール自体を楽器にしてしまう、素晴らしい楽器でした。
楽器を正しく評価するには、楽器を弾く環境も考えなければと強く感じました。
 
 
 
数多く当たると (山下 高博)
2007-12-07 21:42:35
食べ物もそうですが、いろんな種類の食べ物を数多く食べると「舌が肥える」と言いますね。楽器も数多く体験すると耳が肥えるんですね。どんどん体験してみてくださいね。私はいつもお客さんに試奏を勧めていますが、遠慮される方が多いですね。

ホール自体を楽器にしてしまうと言うのは素晴らしい楽器ですね。また、奏者も素晴らしくないとそうはならないですしね。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。