あれも聴きたい、これも聴きたい『スピーカー編・第7日目』 - ミューズの日記
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内生蔵さんの『あれも聴きたい、これも聴きたい』の連載ももう7日目となりました。早いものですね!ミューズ音楽館も今年の営業は今日が最終日で、1月4日までお休みをいただきますが、内生蔵さんの連載の続きは時々アップしていきますね。
それでは皆さん、良い新年をお迎えください。また来年もよろしくお願いいたします。では、内生蔵さんのお話の始まりです。

この間ある人からこんなことを言われてしまった。「あの卵のスピーカーはなんでスピーカーが一個しか付いとらんの?」変な言い方だけれども意味は分かる。要するに「普通のスピーカーみたいにユニットを何個でも使ったらええでねえか」つうことなのだ。そこで答えてやった。「ほっといてくれ、好きにさせて」そうなの。あれは考えて考えてそしてまた考えた挙句の果てに一個にしてるの。どんだけ使おうと大きなお世話なの。

あんたら知らんやろうけど、何個ものスピーカーが全部きちっと一緒に動いたり止まったりできるはずがにゃあだろが。おっきいスピーカーは確かに低い音まで出し易いわな。ちっこいスピーカーはそりゃあたきゃあ音まで出し易いわな。どころがやなあ。アンプから音楽が流れてきた時、ん?音楽は流れてこんか。音楽の電気信号かな?それが流れてきた時、それら何個ものスピーカーがぜーんぶ一緒に動いたり止まったりはしてくれんのよ。それとそれぞれのスピーカーの受け持っている周波数帯域(音域といってもいいかな)が重なり合うところがまたまた問題になっっちまう。しかも入ってきた信号を各帯域に分けてやる必要が生じるため、余分なことをせにゃならん。それと前に言った「すぐに動くか、すぐに止まるか」と言っても、スピーカーの大きさによって動き易い、動き難い。止まり易い、止まり難いがある。小さいスピーカーが止まっても大きいスピーカーは簡単には止まらん。そりゃあ同じリングの上でもジャイアント馬場とライト級のボクサーとでは動きのレスポンスが違うわさ。それだったらいっそのことユニットを一個にして、すべてそれに出させてしまう方が、なんぼかやり易い、てえのが考えた挙句の結論だったの。

あんたらも何人かでご飯食べに行った時、お金を払う段になって、誰か一人に払らってもらった方がややこしくないでしょ?全員でワリカン、てなことになったら、細かいお金を持っていない人がいたり、大きいお金を持っていない人がいたり、ほんとは払いたくないんだけど、仕方なく払う格好だけしたけども、誰か「今日は僕が払うから」と言ってくれる人がいないかなあ、と思っている人がいたり。とにかくまとまり難いわな。

だから卵さんは最初っから「僕が一人で払います」と言い切っちゃたの。
しかしそうなるとそれなりに難しいことが起こってくる。たかだか8センチや10センチ、大きくても12センチのユニットで、どこまでの音が出せるかっつうと、「ごめん、ちょっと香港の満願全席みたいな音楽は苦手なの」ということになるな。それでもギターやヴァイオリン、フルートなどの管楽器のソロや室内楽なんかになると、世界中どんなスピーカーと比べてもひけをとらない自信はあるみたいだから勘弁してやってね。
                      内生蔵 幹



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