リュート音楽のひととき第4回 - ミューズの日記
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



今日は中川祥治さんによるレクチャーコンサートシリーズのリュート音楽のひととき第4回~ヴァイス「不実な女」の真実が今ここに!~が行われました。
このシリーズは私も大変楽しみにしているシリーズなんです。中川先生はパソコンに写真やデータをパワーポイントで作成して、スクリーンに投影しながら解説と演奏をしてくれるのでとても良く分かるんです。我々ギター愛好家には馴染みのないリュートの作曲家や曲も映像と解説で時代背景や曲の成り立ちが良く分かり、身近に感じるんですね。

そして今日は4月1日、エイプリル・フールです。彼は敢えてこの日を選びました。
彼は以前もブログで4月1日に「バッハの新曲が発見された」と言うデマを流してそれを信じた人が大勢いたそうです。実は今日もそれを意図したレクチャーコンサートだったんです。今日の彼のブログも次の様な書き出しで始まっています。
「リュートのメイリングリストの投稿を読んでましたら、新しい文献的な発見についての記事がありました。現在、投稿者と記事に出てくる研究者にメイルを出して詳細について紹介中です。事実だとするとすごい発見ということになりそうです。」
そして途中次の様なくだりがあります。「・・・オーストリアのウィーンリュート協会に所属する、ボラーゾフ・ソスラン・フェーリクソビッチ研究員が、2007年に発表の最新論文でこのことに言及している。・・・」
さてこの中で何がウソなんでしょう?ウソはリュートのメイリングリストとウィーンリュート協会だそうです。そんなものは存在しないそうですね。でもまことしやかに話されると信じてしまいますよね。尤も話の殆どは事実、真実でだそうですが。
しかし、4月1日にウソをつく事を楽しみ、楽しそうにネタを作る中川先生も貴重な存在と言えますよね。

さて、そんな背景の下、今日のリュート音楽のひとときはヴァイスの「不実な女=L'infidele=ランフィデル」をテーマにその同時代のバロン、ロジー伯、サン・ルクなどの作曲家の紹介と曲の演奏をされました。そしてこの不実な女と訳されている事が間違いであると言うのです。ポラーゾフの論文の中には次の様に書かれているそうです。
「ボラーゾフはドレスデンにあるMUS2841写本の「ランフィデル」をX線解析し、そこに「大砲が轟く、ここで傷付いたトルコ人が吼える」などの記述があるのを発見した。この発見で、研究員は、「ランフィデル」というのは一般的に言われている「不実な女」という意味ではなく、「不実なる者」と訳すべきで、宗教的に「不実」である異教徒トルコ人のこと指すという。」

まあ、私にはどちらでも良いことなのですがね。曲さえ良ければ・・・。とも思えるし、いやいや、やはり歴史的背景に基づいて作曲されている事を知ることは曲をより深く理解するためにも重要なことですよ。とも思えますが、あなたはどう思いますか?

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 双子ギターデ... アンヘル・ロ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。