先日入荷したゲルハルト・オルディゲス(Gerhard J. Oldiges)について少し紹介します。この製作家のギターは2年少々前にある人の委託品として入って来たときに初めて知ったのですが、あまりに素晴らしいのですっかり惚れ込んでしまった1本でした。
彼はロマニロスを師と仰ぎ、ロマニロスの製作講座のアシスタントとして活躍してきたほか、師の執筆活動の協力者でもあり、マヌエル・ラミレスとハウザーI世を深く研究していると聞いています。そしてロマニリョスの響きを受け継ぎ、絞まった音でありながらよく鳴る、高雅な音色の銘器を生み出しています。その美しい音色は今までに見たいろんな良き楽器(フリッツ・オベール、セルジオ・アブリューなど)に勝るとも劣らないキラッと光るものを持っています。
彼は1955生まれと言いますから、今年53歳。油が乗っている年齢と言えます。彼は大学卒業後、1985年ドイツのギルド試験に合格し、その後ミッテンヴァルトのギター製作マイスター試験に合格し、自分の工房を設立したそうです。(ミッテンヴァルトとはドイツ17世紀から続くバイオリン製造の町)
皆さんもギルドやドイツのマイスター制度はお聞きになった事があると思いますが、どう言うものかチョット調べてみますと・・・、
欧州の中世都市に存在していた徒弟制度の頂点に立つ親方(マイスター)が、職人・徒弟を指導して労働に従事させ、ギルドに参加できるものは親方資格(マイスターの資格)をもつものに限られていたと物の本には書いてあります。つまり商業も手工業もギルドが仕切っていたと思ってください。製品の品質、規格、価格なども厳しくギルド内で統制され、販売、営業、雇用および職業教育に関しても独占的な権利を有していた様です。
そして遅くまで封建制が残っていたドイツでは、ギルドあるいはその行動様式が残っているんですね。
マイスター制度もかなり厳格なもので、手工業法に盛り込まれた職種については、マイスター資格がなければ開業できず、「見習い」を雇って指導することもできないことになっています。マイスターの資格を取得するためには、見習いとして3年間働きながら職業学校に通い、さらに「徒弟」(Geselle)として3~5年間の研修を積んだうえで試験に合格する必要があると言うものです。
そんなマイスターの資格をオルディゲスも取得し工房を解説したと言う訳です。尤も2003年には法改正が行われ、楽器製造を含め64業種に関してはマイスターの資格がなくても開業できるようになったそうですが・・・。
この楽器は1938年ハウザーⅠ世のコピーモデルで、セラック塗装、糸巻きはロジャースを使用しています。デザインも当時のスタイルを踏襲した作りとなっています。本当にしなやかな深みのある音は最高に美しく、巨匠の風格を伺わせる出来と言えます。是非一度試奏あれ!
詳細の写真はHPのギター紹介ページをご参照下さい。
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Gerhard J. Oldigesは私もとても好きな製作者の一人で、新たに入荷したとの事で非常に気になっています。
暇を見つけて試奏しに行きたく思っていますが、そちらによせていただく頃にはもう購入者が決まっているかも・・・。
こんな時は滋賀の田舎住まいがうとましく思えてきます。
蛇足ですが写真を見ていて気が付きましたが、糸巻きはD.Rodgersではありませんか?
私の目にはそうように見えるのですが・・・。
この楽器にライシェルではかわいそうですよね!
糸巻きは仰るとおり、ロジャースでした。
大きな間違いでした。ご指摘ありがとうございました。文章を訂正しておきます。
また、早い内に見に来て下さい。この楽器は足が速いと思いますよ・・・。
まぁ、最後は裏技 使ったからだけど、風俗行って病気移されるよりはマシでしょww
http://celecele.net/dpm/155