日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国赴任者の悩み

2009-01-06 | 日本・日系企業
 日経BPの記事の中で、渡邊美樹の快答乱麻というサイトがあります。実は初めて呼んだのですけど、ベンチャーを立ち上げた成功した経営者としての観点から読者の色々な悩みに答えるコラムの様です。

 たまたま目にしたのは課題が中国赴任者の帰国後の処遇に対する不安だったからです。記事は以下のサイトですが、中国勤務者はどう感じるでしょうか?単純な回答にしているせいでしょうが、個人的には少しカチンときました。

 経営者の観点として、異国に派遣したマネージャークラスの方に対する期待と評価が記載されています。これはこれで、その通りだと思います。中国に限らないと思いますが、異国では異国の社員が主役であり、彼らをどう動かすかが駐在員の役割になりますから、しっかりしたスタッフや幹部に囲まれれば結構楽ができる面もあり、毎晩カラオケと週末ゴルフにいそしむ駐在員も結構見かけます。一方真面目にやると本当の意味での経営の苦労を経験できる事になります。

 唯、この質問者の方は製造部門ということで、こういう解釈をして良いのかは疑問に思います。

 さぁ、事実はどうでしょうか??中国人社員はやる気の面も課題になりますが、組織として活動する事は極めて苦手です。特に製造部門となると、最終成果物は日本と同水準の品質管理を行う必要がありますが、日本人の工員さんを扱うのと同じレベルはとても期待できません。一般に日本人が一人でできる事が、中国人は3-5人必要となるというのが実感ではないでしょうか。レストランに行くと非常に多くのスタッフがぼーっと立っていますよね?日本のファミレスならホールスタッフは2-3人ですから、軽く10倍は居る。でもサービスは日本以下という状況は誰でも目にしているはずです。


 そうなると。。。自分が学生のアルバイト時代にやっていたようなことを逐一教え込み、システムを作り、マニュアルを作っていく。。。何とか教えたと思ったら転職されてしまい、また一からやり直し。。

 これは管理部門系でも全く同じです。CFOという肩書きが付いていても、スタッフに財務分析ができる人が居なければ、ファイナンシャルアナリストレベルの仕事もしなければならない、管理会計的な素養は全く無いので、公認会計士資格を持つスタッフにも簿記2級レベルの事を教える必要がある、まぁそれ以前に有資格者でも実務で発生主義会計を行って居ない為に一々基礎的な事を教え込む必要がある。なんだかんだ忙しくて時間が経過していく。

 肩書きだけ修士卒とか大卒といっても、実務経験が無ければ何の役にも立ちません。この辺日本でも同じだと思います。そして欧米系企業でも管理職が20代後半から30代中盤。。頭の良い人は居ます。でも経験値が少なすぎるんです。

 製造分野になると、学歴が高い人は少なくスタッフレベルの知的水準は相当に低いので、もっと苦労する事は明らかです。マネージャークラスに大卒を雇っても彼らは日本人と異なり実際に体を動かす事は嫌います。日本で言うグレーカラーという存在が不在。4大卒でも日本の博士号取得者のような考え方と動きをする。これが実感でしょう。

 渡邊さんのような方は中国でも成功するでしょう。でも一介のサラリーマンとして中国に赴任した人は、中国国内での苦労や経験が日本でどこまで通用するか不安を持つのは当然だと思います。
 
 中国での苦労は、日本ではする必要の無い苦労が多く、同じ期間日本で経験した苦労や成果とは比較しにくいのです。この辺はアメリカやヨーロッパのような先進国での苦労とは異なるところですね。

 私自身に関していえば、、、まず英語力が落ちました。金融や会計制度が2000年以降色々変わってきているのに、その知識は余りアップデートできていません。何に価値観を置くか次第ですが、給与の高い外資系企業の幹部やCFOになるという考えはもはや捨てざるを得ません。年齢の問題もありますが、2年間アメリカに行って帰国した時には外資の話が山ほど来た事を思うと、同じ時間を自分に投資するならば、若い人は中国を含む発展途上国に赴任するよりも、やはり欧米に行く方が効率的でしょう。

 特に中国の場合、経済のみならず、政治、社会も急激に変化していますので、90年代に中国で経験した事の多くは役に立たないでしょう。唯一あるとすれば、その時代に知り合った中国人が偉くなっている場合だけでしょう。

 まぁちょっと自分の愚痴も含めてのコメントです。





 


http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20081226/181510/

【11】4年間の中国赴任からの帰国後が心配です

* 2009年1月6日 火曜日
* 日経ビジネスアソシエ

スキル  海外赴任  帰国  キャリア  心配  仕事の目的 

Q
中国に赴任し、4年間突っ走ってきました。スキルに自信がなく、帰国後が不安です。

右も左も分からない異国の地で、ひたすら突っ走ってきました。中国で得てきたはずのスキルに自信が持てず、帰国後が不安で仕方ありません。今後どのような心構えで仕事に臨めばいいですか。
(製造業・管理監督、39歳、男性)

 あなたは日本よりもはるかに厳しい環境で4年も任務を果たしてきたわけですよね。その経験をベースにして「今度は日本でもっと力を発揮しよう」と意気込むのが普通ではないかと思うのですが…。

 それなのに、なぜ自信が持てないのか。これにはいくつか原因が考えられます。例えば、本当に一生懸命やってきたのでしょうか。管理職として、きちんと仕事を組み立ててきましたか。もしかしたら、ただ作業をこなしていただけではなかったのでしょうか。

 当社でも、海外に赴任した社員には私たち経営陣の目が届きにくくなります。自ら率先して仕事を組み立てやすくなる半面、ラクをしようと思えばいくらでもできるわけです。質問を読む限りでは、あなたは海外に行ったのをいいことに、自分で物事を考えず、作業に逃げ込んでいたのかもしれません。そして「目的を見失った仕事」ほど、ラクなものはありません。
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中国株下落の懸念 

2009-01-06 | 中国経済関連
 SCMPの記事より。。

 中国国内の企業の株式に関し、政府保有株が2009年中にロックアップピリオドを迎える為に、保有株式の売却→ダイルーション→価格下落リスクを持つことは以前紹介しました。

 今日の報道では、欧米系の金融機関が保有する中国国内の銀行株式に関して、同じリスクが存在するという事です。

 中国の銀行株式の投資に関しては、長期的には魅力的なはずでは有るが、金融危機に苦しむ投資銀行が、当座の資金の獲得の為に規制が無くなると同時に保有株を売却するだろう。

 スイスのUBSが中国銀行株を売却したことは報道されていますが、ロックアップ期間が2008年末まであったんですね。2005年に500億円で購入して900億円で売却できるとのことのようです。いずれにせよ、5兆円近い損失を計上したとのことで、それは持ちたくても利益の出る資産は売却していくしかないのでしょう。

 次のターゲットは4月末にロックアップ期限が来る香港上場の中国工商銀行のようです。

 また、バンカメが中国建設銀行の株式の売却を報道したそうですが、5%以上の持ち株比率の株主は、中国の法律では購入後半年は売却できないとの事。まぁ、それにしても昨年の6月と11月に取得しているので、今年の上期には売却できるという事でしょう。

 私自身は、中国の株式は全部売却してしまいましたが、まだ保有している人、今後中国株式の購入を検討している人は、こういう状況を理解して購入した方が良いと思います。

 中国の投資は不動産も、株も、多分下期以降にしたほうが良いのでは?というのが現時点での個人的考えですが、いかがでしょうか。。。


Foreign banks may divest China stakes
By Joey Kwok (China Daily)
Updated: 2009-01-06 07:49
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International investment banks may be preparing to sell their stakes in Chinese mainland banks after the government mandated lockup periods expire to shore up their depleted capital resources, said analysts.

"Investment banks may be in immediate need of capital, forcing them to sell shares in Chinese mainland banks as soon as it is legally permitted. That would put mainland banks under short term selling pressure," said Dick Lee, corporate finance officer, Phillip Securities.

Conita Hung, head of equity markets at Delta Asia Financial, said some of the investment banks, however, may hold their shares, to help secure their future growth on the mainland.

"Unless they have an urgent need for capital, they may hold on to their shares. The mainland market still has good potential for investment banks," Hung said.

Early in December 2008, Switzerland's largest bank UBS AG sold 3.4 billion shares of its holdings in Bank of China. The sales, to professional investors, came as the government mandated, three-year prohibition on sale of shares ended on Dec 31.

UBS reported losses and write-downs totaling almost $49 billion. By selling its stake in Bank of China, UBS realized a return of about $400 million. The Zurich-based investment bank purchased a 1.6 percent stake in Bank of China in 2005 for $500 million.

Hung said the Industrial and Commercial Bank of China (ICBC), China's biggest bank in terms of market value, may be the next Hong Kong-listed mainland bank to be hurt by the market miseries. The lockup period on its shares ends in April.

"However, the other mainland banks may encounter relatively less selling pressure. They already have gone past their lockup periods," she added.

Redford Securities head of research Kenny Tang said the sell off of Bank of China shares will not affect the fundamental strength of the mainland banks. The current impact has been isolated in securities markets.

In mid-December, Bank of America announced it planned to sell $2.8 billion of its shares in China Construction Bank. Bank of America had previously increased its holdings in China Construction Bank in June and November 2008.

Bank of America's sale of shares, however, fell under prohibitions set by Chinese Securities Law. Under the law, investors holding more than 5 percent of the shares of a local, publicly-traded company are banned from selling their shares within six months from the date of purchase.

Tang said the prohibition reflects the central government's concern over short-term trading by major shareholders.

"Any short-term investment may trigger an impact on the shares in the midst of the sluggish market," Tang said.
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中国の大手国有企業、12月の利益は前年比74%減!

2009-01-06 | 中国経済関連
 日経の記事です。

 中国の報道で先ず驚かされるのが、内容というよりもそのスピードです。中国企業は、日本と異なり決算期は12月末と指定されています。ですから、下記140社の決算が調整前であるにせよ3日には締まっており、4日にそれを集計した結果を報告したとしか思えません。

 国営企業が上場している場合は、国際会計基準に準拠した決算を行っていますが、それにしても、一旦中国の旧会計基準(ほぼ現金主義の税務目的の会計)で決算後、発生主義ベースに調整しますので、決算期間が3日というのは凄いですね?というか暫定数字だと思います。

 さて、2008年が30%減で7000億元なら、2007年度は1兆元の利益であった。
     2007 2008
1-11月 9,167 6,783 -26%
12月    833 217 -74%
     10,000 7,000 -30%

 かなり単純にしていますが、12月は前年比で74%の利益減ということになります。単純に記事に記載されている四川大地震や、原料高の価格転嫁ができなかったという理由もあるでしょうが、月次別の比較がでていません。9月以降の金融危機による影響は12月だけでなく10-11月の結果にも現れているはずで、上記の単純な12月の数字を見れば、どれだけ悲惨な状況になっているかは想像がつくと思います。

 一般的に考えるなら、12月の数字はまだ9月までの契約に基づく売上が載っているはずですから、今後益々厳しくなる事は明らかですね。これは日本も同じだろうと思いますけど。
 



http://www.nikkei.co.jp/china/news/index.aspx?n=AS2M0502D%2005012009(1/5)中国の大手国有企業、08年の利益総額30%減

 【北京=多部田俊輔】中国政府は5日、中国の大手国有企業(中央企業)約140社の2008年1―12月の利益総額が前年比30%減の7000億元(約9兆5000億円)となったと発表した。前年水準を下回るのは02年以来 6年ぶり。四川大地震などの天災に加え、金融危機をきっかけに自動車などの輸出が急減したことが響いた。

 1―11月の利益総額は前年同期比で26%減。減益幅は12月分を加えて4ポイント拡大しており、国有企業の収益が急速に悪化していることを示した。業種別では、自動車、化学、運輸、旅行などの国有企業が米国発の金融危機をきっかけとする世界経済の不振の影響を受けているという。

 中国政府のエネルギー価格の抑制政策も大手国有石油会社や電力会社の業績を悪化させた。08年前半の原油価格の高騰で原材料費が上昇したのにもかかわらず、政府の方針でガソリンや電力などの小売価格引き上げという格好で転嫁できなかったためだ。
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台湾スイーツ

2009-01-06 | 上海ライフ・子育て
 中国の中でも最も開けていると思われる上海に住んでいますと、日系の料理屋さんに困る事も無いのですが、香港や台湾の料理だけでなく、スイーツ(っていうんでしょうか)屋さんにも困りません。

 現在日本の果物は、りんごと梨を除いて中国本土への輸入は禁止されているらしいのですが、台湾からは様々な果物が無税で輸入されています。まぁ、この辺は中国の姿勢が香港に対する優遇税制を含め、建前上の同じ国だという主張が背景にあるのだろうと思います。

 古北カルフールの近所(日本人が大量に居住する地域)に、「鹿港小鎮」という台湾系の料理屋さんがあるのですが、そこではマンゴーや苺、さつま芋等をベースにした日本で言うかき氷を提供しており、我が家も良く行きます。料理自体は、量も少なく、値段の割りにはさほど美味しいとはいえないのですが、かき氷になると、大きなカップかお皿に山盛りになって提供され、とても一人では食べれない量なんです。味もかなり美味なので、日本でも成功するんじゃないかと思うのですが、進出はしていないようですね。

 我々夫婦も知り合った頃から好きで良く通っていましたが、今は息子の大のお気に入りで、嫁の実家からこの店まで徒歩15分程度はかかるのですが、すっかり路を覚えてしまい、昨夜も食事の後我が家に帰ろうとすると「マンゴーアイス!!」と騒いでこの店までとことこ歩いて行こうとするので行ってきた次第です。

 結構寒い夜でしたので、僕らは寒くて余り食べる気もしなかったのですが、息子は一人で半分以上食べてしまいました。。3歳児がこんなに食べてよいのだろうか??

 

 
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