日経BPの記事の中で、渡邊美樹の快答乱麻というサイトがあります。実は初めて呼んだのですけど、ベンチャーを立ち上げた成功した経営者としての観点から読者の色々な悩みに答えるコラムの様です。
たまたま目にしたのは課題が中国赴任者の帰国後の処遇に対する不安だったからです。記事は以下のサイトですが、中国勤務者はどう感じるでしょうか?単純な回答にしているせいでしょうが、個人的には少しカチンときました。
経営者の観点として、異国に派遣したマネージャークラスの方に対する期待と評価が記載されています。これはこれで、その通りだと思います。中国に限らないと思いますが、異国では異国の社員が主役であり、彼らをどう動かすかが駐在員の役割になりますから、しっかりしたスタッフや幹部に囲まれれば結構楽ができる面もあり、毎晩カラオケと週末ゴルフにいそしむ駐在員も結構見かけます。一方真面目にやると本当の意味での経営の苦労を経験できる事になります。
唯、この質問者の方は製造部門ということで、こういう解釈をして良いのかは疑問に思います。
さぁ、事実はどうでしょうか??中国人社員はやる気の面も課題になりますが、組織として活動する事は極めて苦手です。特に製造部門となると、最終成果物は日本と同水準の品質管理を行う必要がありますが、日本人の工員さんを扱うのと同じレベルはとても期待できません。一般に日本人が一人でできる事が、中国人は3-5人必要となるというのが実感ではないでしょうか。レストランに行くと非常に多くのスタッフがぼーっと立っていますよね?日本のファミレスならホールスタッフは2-3人ですから、軽く10倍は居る。でもサービスは日本以下という状況は誰でも目にしているはずです。
そうなると。。。自分が学生のアルバイト時代にやっていたようなことを逐一教え込み、システムを作り、マニュアルを作っていく。。。何とか教えたと思ったら転職されてしまい、また一からやり直し。。
これは管理部門系でも全く同じです。CFOという肩書きが付いていても、スタッフに財務分析ができる人が居なければ、ファイナンシャルアナリストレベルの仕事もしなければならない、管理会計的な素養は全く無いので、公認会計士資格を持つスタッフにも簿記2級レベルの事を教える必要がある、まぁそれ以前に有資格者でも実務で発生主義会計を行って居ない為に一々基礎的な事を教え込む必要がある。なんだかんだ忙しくて時間が経過していく。
肩書きだけ修士卒とか大卒といっても、実務経験が無ければ何の役にも立ちません。この辺日本でも同じだと思います。そして欧米系企業でも管理職が20代後半から30代中盤。。頭の良い人は居ます。でも経験値が少なすぎるんです。
製造分野になると、学歴が高い人は少なくスタッフレベルの知的水準は相当に低いので、もっと苦労する事は明らかです。マネージャークラスに大卒を雇っても彼らは日本人と異なり実際に体を動かす事は嫌います。日本で言うグレーカラーという存在が不在。4大卒でも日本の博士号取得者のような考え方と動きをする。これが実感でしょう。
渡邊さんのような方は中国でも成功するでしょう。でも一介のサラリーマンとして中国に赴任した人は、中国国内での苦労や経験が日本でどこまで通用するか不安を持つのは当然だと思います。
中国での苦労は、日本ではする必要の無い苦労が多く、同じ期間日本で経験した苦労や成果とは比較しにくいのです。この辺はアメリカやヨーロッパのような先進国での苦労とは異なるところですね。
私自身に関していえば、、、まず英語力が落ちました。金融や会計制度が2000年以降色々変わってきているのに、その知識は余りアップデートできていません。何に価値観を置くか次第ですが、給与の高い外資系企業の幹部やCFOになるという考えはもはや捨てざるを得ません。年齢の問題もありますが、2年間アメリカに行って帰国した時には外資の話が山ほど来た事を思うと、同じ時間を自分に投資するならば、若い人は中国を含む発展途上国に赴任するよりも、やはり欧米に行く方が効率的でしょう。
特に中国の場合、経済のみならず、政治、社会も急激に変化していますので、90年代に中国で経験した事の多くは役に立たないでしょう。唯一あるとすれば、その時代に知り合った中国人が偉くなっている場合だけでしょう。
まぁちょっと自分の愚痴も含めてのコメントです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20081226/181510/
【11】4年間の中国赴任からの帰国後が心配です
* 2009年1月6日 火曜日
* 日経ビジネスアソシエ
スキル 海外赴任 帰国 キャリア 心配 仕事の目的
Q
中国に赴任し、4年間突っ走ってきました。スキルに自信がなく、帰国後が不安です。
右も左も分からない異国の地で、ひたすら突っ走ってきました。中国で得てきたはずのスキルに自信が持てず、帰国後が不安で仕方ありません。今後どのような心構えで仕事に臨めばいいですか。
(製造業・管理監督、39歳、男性)
あなたは日本よりもはるかに厳しい環境で4年も任務を果たしてきたわけですよね。その経験をベースにして「今度は日本でもっと力を発揮しよう」と意気込むのが普通ではないかと思うのですが…。
それなのに、なぜ自信が持てないのか。これにはいくつか原因が考えられます。例えば、本当に一生懸命やってきたのでしょうか。管理職として、きちんと仕事を組み立ててきましたか。もしかしたら、ただ作業をこなしていただけではなかったのでしょうか。
当社でも、海外に赴任した社員には私たち経営陣の目が届きにくくなります。自ら率先して仕事を組み立てやすくなる半面、ラクをしようと思えばいくらでもできるわけです。質問を読む限りでは、あなたは海外に行ったのをいいことに、自分で物事を考えず、作業に逃げ込んでいたのかもしれません。そして「目的を見失った仕事」ほど、ラクなものはありません。
たまたま目にしたのは課題が中国赴任者の帰国後の処遇に対する不安だったからです。記事は以下のサイトですが、中国勤務者はどう感じるでしょうか?単純な回答にしているせいでしょうが、個人的には少しカチンときました。
経営者の観点として、異国に派遣したマネージャークラスの方に対する期待と評価が記載されています。これはこれで、その通りだと思います。中国に限らないと思いますが、異国では異国の社員が主役であり、彼らをどう動かすかが駐在員の役割になりますから、しっかりしたスタッフや幹部に囲まれれば結構楽ができる面もあり、毎晩カラオケと週末ゴルフにいそしむ駐在員も結構見かけます。一方真面目にやると本当の意味での経営の苦労を経験できる事になります。
唯、この質問者の方は製造部門ということで、こういう解釈をして良いのかは疑問に思います。
さぁ、事実はどうでしょうか??中国人社員はやる気の面も課題になりますが、組織として活動する事は極めて苦手です。特に製造部門となると、最終成果物は日本と同水準の品質管理を行う必要がありますが、日本人の工員さんを扱うのと同じレベルはとても期待できません。一般に日本人が一人でできる事が、中国人は3-5人必要となるというのが実感ではないでしょうか。レストランに行くと非常に多くのスタッフがぼーっと立っていますよね?日本のファミレスならホールスタッフは2-3人ですから、軽く10倍は居る。でもサービスは日本以下という状況は誰でも目にしているはずです。
そうなると。。。自分が学生のアルバイト時代にやっていたようなことを逐一教え込み、システムを作り、マニュアルを作っていく。。。何とか教えたと思ったら転職されてしまい、また一からやり直し。。
これは管理部門系でも全く同じです。CFOという肩書きが付いていても、スタッフに財務分析ができる人が居なければ、ファイナンシャルアナリストレベルの仕事もしなければならない、管理会計的な素養は全く無いので、公認会計士資格を持つスタッフにも簿記2級レベルの事を教える必要がある、まぁそれ以前に有資格者でも実務で発生主義会計を行って居ない為に一々基礎的な事を教え込む必要がある。なんだかんだ忙しくて時間が経過していく。
肩書きだけ修士卒とか大卒といっても、実務経験が無ければ何の役にも立ちません。この辺日本でも同じだと思います。そして欧米系企業でも管理職が20代後半から30代中盤。。頭の良い人は居ます。でも経験値が少なすぎるんです。
製造分野になると、学歴が高い人は少なくスタッフレベルの知的水準は相当に低いので、もっと苦労する事は明らかです。マネージャークラスに大卒を雇っても彼らは日本人と異なり実際に体を動かす事は嫌います。日本で言うグレーカラーという存在が不在。4大卒でも日本の博士号取得者のような考え方と動きをする。これが実感でしょう。
渡邊さんのような方は中国でも成功するでしょう。でも一介のサラリーマンとして中国に赴任した人は、中国国内での苦労や経験が日本でどこまで通用するか不安を持つのは当然だと思います。
中国での苦労は、日本ではする必要の無い苦労が多く、同じ期間日本で経験した苦労や成果とは比較しにくいのです。この辺はアメリカやヨーロッパのような先進国での苦労とは異なるところですね。
私自身に関していえば、、、まず英語力が落ちました。金融や会計制度が2000年以降色々変わってきているのに、その知識は余りアップデートできていません。何に価値観を置くか次第ですが、給与の高い外資系企業の幹部やCFOになるという考えはもはや捨てざるを得ません。年齢の問題もありますが、2年間アメリカに行って帰国した時には外資の話が山ほど来た事を思うと、同じ時間を自分に投資するならば、若い人は中国を含む発展途上国に赴任するよりも、やはり欧米に行く方が効率的でしょう。
特に中国の場合、経済のみならず、政治、社会も急激に変化していますので、90年代に中国で経験した事の多くは役に立たないでしょう。唯一あるとすれば、その時代に知り合った中国人が偉くなっている場合だけでしょう。
まぁちょっと自分の愚痴も含めてのコメントです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20081226/181510/
【11】4年間の中国赴任からの帰国後が心配です
* 2009年1月6日 火曜日
* 日経ビジネスアソシエ
スキル 海外赴任 帰国 キャリア 心配 仕事の目的
Q
中国に赴任し、4年間突っ走ってきました。スキルに自信がなく、帰国後が不安です。
右も左も分からない異国の地で、ひたすら突っ走ってきました。中国で得てきたはずのスキルに自信が持てず、帰国後が不安で仕方ありません。今後どのような心構えで仕事に臨めばいいですか。
(製造業・管理監督、39歳、男性)
あなたは日本よりもはるかに厳しい環境で4年も任務を果たしてきたわけですよね。その経験をベースにして「今度は日本でもっと力を発揮しよう」と意気込むのが普通ではないかと思うのですが…。
それなのに、なぜ自信が持てないのか。これにはいくつか原因が考えられます。例えば、本当に一生懸命やってきたのでしょうか。管理職として、きちんと仕事を組み立ててきましたか。もしかしたら、ただ作業をこなしていただけではなかったのでしょうか。
当社でも、海外に赴任した社員には私たち経営陣の目が届きにくくなります。自ら率先して仕事を組み立てやすくなる半面、ラクをしようと思えばいくらでもできるわけです。質問を読む限りでは、あなたは海外に行ったのをいいことに、自分で物事を考えず、作業に逃げ込んでいたのかもしれません。そして「目的を見失った仕事」ほど、ラクなものはありません。