さよならＣＲＭ

数年ぶりに帰ってきたＣＲＭの乗り手を探していたところ、乗りたいという友人が今日二人連れで取りに来た。
一緒に来た人はＣＲＭ２５０ＡＲに以前乗っていた人で前にオートバイの話をしたことがある人だ。

菓子折りひとつ持って来て、エンジンをかけて、乗って行ってしまった。
娘を嫁に送り出した気分とはこんなものなのか。さみしく出かけると、暫くして電話があった。途中でエンジンが止まってしまったと。

おお、やっぱり置いて行くのかななんて、嬉しい気分で駆けつける。
キックしてもかからない。
キャブのビスを緩めてガソリンを抜くと水っぽいガソリンが出て来た。予備タンクに切り替えたせいで劣化したガソリンがキャブに入ったのだろう。
ガソリンタンクのゴムホースを外してコックをひねるとコーヒー牛乳のような液体が飛び出した。
キャブの中をガソリンを通過させてきれいにすると、キック一発でかかりエンジンは快音を上げて回り出して、再びバイクは出発した。

しばらく後を追って交差点で別れた。
いつまでも元気でいてくれ、具合が悪くなったらいつでも呼んでくれと心で呼びかけながら。