消された伝統の復権

京都大学 名誉教授 本山美彦のブログ

須磨日記(6) 古代ギリシャ哲学(38) クレーター(6)

2008-07-02 01:47:45 | 古代ギリシャ哲学(須磨日記)




(七五)セレウコス(セレウクス)(Seleucus、?~150B.)。
バビロニアの天文・哲学者。.地動説を支持した。月が干潮の原因であると理論付けた。



(七六) セネカ(Seneca、4B.~65A.D.)。古代ローマの物理・哲学者。ストア哲学。ネロの教師。執政官。彼がいなかったらネロの悪政はもっとひどかったといわれる。反逆の疑いで自殺。彗星は天体であると結論。



(七七)ソシゲネス(Sosigenes、?~46B.)。ギリシャの天文学者・年代研究家。シーザーの助言者、前46年、ユリウス暦修正をユリウス・シーザーに一任された。カリポス周期を利用して365日と1/4日とし、太陽の運行と一致するものを採用進言。「ソシゲネスの建議」でユリウス暦が確定した。



(七八)ストラボ(ストラボン)(Strabo、54B.~24A.D.)。ギリシャの地理・歴史学者。著書『geography(地理学)』。



(七九)スルピキウス・ガルス(Sulpicius Gallus、?~166B.)。古代ローマの執政官・弁論家・天文学者。マケドニアのビュドナの戦いの晩に月食が起こることを前日に予言。



(八〇)タキトス(Tacitus、55~120)。古代ローマの政治家、哲学者および歴史家。『Life of Agricola』や『Giamania』等の著者。



(八一)タルンティウス(タルンチウス)(Taruntius、?~86B.)。古代ローマの哲学・数学・占星術者。ローマ設立の日付を紀元前753年4月21日と計算。



(八二)タレス(ターレス)(Thales、636~546B.)。ギリシャの数学・天文・哲学者。ギリシャ七賢人・ギリシャ哲学の祖、自然哲学の創設者。「数学者のはじまり」「幾何学の祖」。万物を構成する根源・始源(アルケー)は水であると説いた。リディアとメディアの戦争を終結させるB.C.585年の日食を予言。1年の長さを365日とした。大地は水に浮かんだコルクのようなものと考えた。万物は神の力ではなく、自然自ら生じるとした。「三角形合同定理」。演繹的数学を開発してユークリッドの幾何学に影響を与え、ギリシャ哲学の基礎を作った。岸から船までの距離を求めた。ピラミッドの高さを求めた。「対頂角は等しい」、「二等辺三角形の底角は等しい」、「円は直径で2等分される」、「半円に内接する角は直角」。バビロニアとエジプトの天文学から大きな影響を受ける。



(八三)テアエテトス(テアイテトス/テェテトス/テアテトス/テーテトス)(Theaetetus、415~369B.)。ギリシャの幾何学者・哲学者。テオドルスとソクラテスの弟子、プラトンの友人、プラトンによって非凡な才能の人物として描かれている、プラトンの著『テアエテトス』。初等幾何学のかなりの部分が彼によるものである。ユークリッドが「幾何学原論」を著す際に用いたいくつかの資料は、テアエテトスからのものだろうといわれている。



(八四)テオン・ジュニア(後テオン)(Theon Junior、?~380)。ギリシャの数学・天文学者。アレキサンドリア学派の最後の天文学者、ユークリッドの『原論』を編纂し『アルマゲスト』の解説書及びプトレマイオスの『簡易表』の解説書を作る。分至点が黄道上を往復する現象の計算法。『アストロラーベの使い方』、犬星の出について』著。



(八五)テオン・シニア(テオン・セニヤ/先テオン)(Theon Senior、?~100)。ギリシャの数学・哲学・天文学者。地球は球状であり、宇宙の中心は地球である。惑星運動の順行、逆行の説明。離心円運動。周天円仮説を主張。水星と金星の太陽からの最大離角をそれぞれ20度、50度。惑星の太陽面通過、星食、黄道の中心と極を通る軸などにも言及。



(八六)ティオフィルス(テオフィルス)(Theophilus 、?~412A.D.)。ギリシャの天文学者。アレクサンドリアおよびアンティオクの法王及び司教。Coptic教会によって聖者とされた。



(八七)テオフラトス(Theophrastus、372~287B.)。ギリシャの植物・博物学者。."Theophrastus' On Herbs"『薬草誌』。アリストテレスの愛弟子。自然科学、論理及び形而上学。植物の博物学(320BC頃)。植物の一連のスケッチ、植物の論文(6冊)、『植物の歴史』(6冊)。



(八八) ティマィオス(チメウス/テマエウス/ティメウス)(Timaeus、?~400B.)。ギリシャの天文学者・哲学者。ピタゴラス派、プラトンの友人。宇宙起源論。『シシリーとギリシアの歴史』。



(八九)ティモカリス(チモカリス/チモカーリス)(Timocharis、?~280B.)。ギリシャの天文学者。.科学的天文学の先駆者の一人。角測定手段を用い、主要な恒星位置の精密な測定、約150個の測定値を収めた星表。のち、ヒッパルコスはこのうちのスピカを使って春秋分点の歳差を論証。



(九〇)ヴィトルヴィウス(ビドロビウス)(Vitruvius、?~25B.)。古代ローマの天文・物理・工学・建築家。船のドック、日時計に関心。『建築十書』(De Archtectura Libri Decem)、建築術、土木技術、兵器、築城術等の技術とその原理を記述。



(九一)クセノファネス(クセノファーネス/ゼノファネス)(Xenophanes、570~478B.)。ギリシャの詩人・哲学者。Eleeの学校創立者。理想主義者、汎神論信奉者。地球は無限に平ら、上端は大気に接し、下端は無限に下に延びている。太陽、月、星は火を取巻く雲、月以外は毎日新しい太陽、天体は火でできているという天文学理論。



(九二)クセノホン(Xenophon、430~354B.)。ギリシャの物理学者・自然学・哲学者・歴史家(430-354B)。ソクラテスの弟子。スパルタの軍隊勤務。 『Anabasis』、『Hellenica』(411-362)、『ギリシャの出来事』。      



(九三)ツエノ(ゼノン/ゼノ)(Zeno、335~263B.)。ギリシャの哲学者。日食と月食の原理を正しく説明。ゼノンのパラドクス。アキレスと亀。飛ぶ矢のパラドクス。“欲求の目的が道徳的に曖昧”であるように教えているギリシャの哲学者。Stoic の学校を創
設。


 以上、クレーターに見る古代ギリシャの自然哲学者のリスト・アップを行った。

 以下にみずみずしい天文学がはぐくまれていたかがお分かりだろう。

 とくに、ピタゴラス学派の功績を強調したい。

 本稿は、
http://www12.plala.or.jp/m-light/Geograph/Crater.html に依拠した。

(この項、閉じる)。


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