消された伝統の復権

京都大学 名誉教授 本山美彦のブログ

須磨日記(5) 古代ギリシャ哲学(37) クレーター(5)

2008-07-01 02:03:50 | 古代ギリシャ哲学(須磨日記)




(五五)マクロビウス(Macrobius、?~410)。古代ローマ 文法学者。
キケロの『星への旅』の注釈書の著者。『Saturnales』。新プラトン主義哲学者。地球中心説。



(五六)マニリウス(Manilius、?~50B.)。古代ローマの作家、詩人。Astoronomiconの著者、よく知られた星座についての記述。古代文明諸国の最も進歩的な天文学について。



(五七)マリヌス(Marinus、?~100A.D.)。ギリシャの地理学者。アジアとアフリカの調査。数理地理学の創始。「アジアとアフリカはヨーロッパより広いはずだから、ローマ皇帝は全世界を手中に収めることはできない」と指摘。



(五八)メネラオス(メネラウス)(Menelaus、?~98A.D.)。ギリシャ、地質学者 測定・天文学者。球面三角関数、メネラオスの定理。



(五九)マーキュリウス(メルクリウス/メルキュリウス)(Mercurius)。古代ローマ神話の足の速い伝令の神。商業の神ヘルメスにあたる。



(六〇)メトン(Meton、?~432B.)。ギリシャの天文・数学者。アテネで活躍。ギリシャで本格的な天文観測を始めた最初の一人。メトンの暦。メトン周期:紀元前433年、1年を365.263日として19年に7回閏月(3,6,8,11,14,17,19)を置くことを提唱(19太陽年が235朔望月に等しい)。



(六一)ネアルク(ナールヒ/ナーチ/ネアーク)(Nearch、?~325B.)。ギリシャの探検家、マケドニアの海軍大将、アレキサンダー大王の友人。



(六二)ネコ(Necho、610~593B)。エジプトの地理学者。アッ シリア帝国、バビロニア王国の歴史。スエズ運河プロジェクト。

 

(六三)オイノピデス(エーノピデス)(Oenopides、500(?)~430B.)。ギリシャの幾何・天文学者(500(?)-430B)。幾何学者、方法論学者。黄道と天の赤道との傾斜角24度を見つけた(地球の傾斜角)。黄道12宮の決定。ナイル川氾濫の説明をした。宇宙をその魂である生きている有機体、神と考えた。空気と火を宇宙の最初の原則であると理解した。



(六四)オシリス(Osiris)。エジプト神話。死の神、ゲブとヌトの息子。名ウシル。九柱神。穀物神。イシス・セトの兄にしてイシスの夫、ホルスの父。両手に王権の象徴である王笏を持つ。人間にパンとワインの製法を教えた。最初の神殿建築、神々の像の製作監督。町をいくつも建設、公正で正義にのっとった法を定めた。旅行から帰った時弟であるセトに殺される。イシスの魔法で復活。地下世界死者達の王、死者達の裁きを司る。



(六五)フィロラオス(フィロラウス)(Philolaus、?~400B.)。ギリシャの数学・天文・哲学者。ピタゴラス天文学の支持者。地球は動いていると説く。宇宙の中心は「中央の火」と信じていた。



(六六)プラトー(プラトン)(Plato、本名Aristokles、428~347B.)。ギリシャの哲学者、ソクラテスの弟子。プラトン哲学の三本柱、イデア、善、心魂。抽象的還元主義としての理論物理学の哲学。宇宙の中心には地球があり、太陽や月、惑星の複雑な動きも調和のとれた円運動。宇宙の調和としての「正多面体論」。定規とコンパスのみを用いるという幾何の作図問題の条件、ギリシャの三大作図不能問題①2倍の体積の立方体②角の三等分問題③円積問題。アカデミアの入り口に掲げられていたという「幾何学に通ぜざるもの、この門を入るを許さず」。



(六七)プリニウス(Plinius、23~79(?))。古代ローマの著述家、物理学者。37巻におよぶ百科事典『Historia naturalism』。博物学(50頃)。ボンペイ滅亡のとき死亡。



(六八) プルタルコス(プルターク)(Plutarch、46~120)。ギリシャの伝記作家。1世紀に月面についての理論を書いた『月面の表情』の本の中で月が山と谷の世界であると記述。



(六九)ポリュビオス(ポリビウス)(Polybius、204(?)~122(?))。ギリシャの歴史家・政治家。古代世界の『歴史』を執筆した。手紙の暗号解読法・Polybiusの正方形、及び暗号化。



(七〇)ポセイドニオス(ポシドニウス/ポシドウス/ポシドニオス)(Posidonius、135(?)~51(?)B.)。ギリシャの天文・地理・哲学者。後期ストア派に属する哲学者、シリアのアパメイヤ出身。太陽の直径や太陽と月の地球からの距離を推定。地球の子午線の周も測定。潮汐現象の原因は月にあるとした。観測について初めて大気差を考慮。霊魂の不滅を唱えた。地球の円周を29000kmとした。このため小さい地球が信じられコロンブスはインドに向かえた。



(七一) プロクロス(プロクルス)(Proclus、410~485)。ギリシャの数学・天文・哲学者。『神学の基礎』。



(七二)プロタゴラス(Protagoras、481(?)~411(?)B.)。ギリシャの哲学者、ソフィスト(詭弁家)の代表的な人物、「人間は万物の尺度である」という有名な言葉。



(七三)ピタゴラス(ピュタゴラス)(Pythagoras、560~480(?)B.)。ギリシャの哲学・幾何学者。ギリシャの科学者ターレスに学ぶ。直角関数に関する「ピタゴラスの定理」。数学的自然観の創始「万物は数である」、偶数奇数の区別、図形数の研究、三平方の定理、地球は平らでなく、丸いと考え、大地は球体であると考えた最初の人。宇宙の形も球形であると理解した。明けの明星と宵の明星が同じ金星であることを見つけた。惑星の研究。ピタゴラス学派。教えられたことの全てを口外禁止にした。しかし、弟子たちの発見は全て師のピタゴラスの発見であるとしたと言われている。



(七四)ピュテアス(Pytheas、?~308B.)。ギリシャの海洋探検家・地理学者。.遠くブリテン島の北部まで渡った航海士、潮汐と月を関連付けた最初のギリシャ人。

(この項、続く)


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