消された伝統の復権

京都大学 名誉教授 本山美彦のブログ

野崎日記(385) 日本を仕分けする(9) 味(1)

2011-01-24 12:21:08 | 野崎日記(仕分け)
Ⅱ 大阪の味

⑪天王寺蕪。 天王寺村の名産。江戸時代以降、全国に名を馳せた。「名物や蕪の中の天王寺」(与謝蕪村)。天王寺大根、こつま南瓜。光景が野沢菜。守口大根。門真蓮根。木津唐辛子。市岡茄子。毛馬胡瓜。田辺大根は田辺尋常小学校の校章。生根神社

⑫こつま南瓜。冬至の日、カボチャを食べて健康長寿を願う「こつま南瓜祭り」が、大阪市西成区の生根(いくね)神社で開かれる。祭りは江戸時代に同神社周辺の勝間(こつま)村の特産物だったこつま南瓜にちなんで毎年、冬至の日に行われる。現在の大阪市西成区玉出町付近(旧勝間村)が原産。江戸時代の万延元年(1860年)に勝間村の庄屋他百姓代らが、天満の青物市場問屋年行司あて野菜7品目に限り同村内での「立ち売り許可願」を申し出ており、その中に「南京瓜」が記載されていたことから、このカボチャのことを勝間南瓜と呼んだものと考えられている。勝間南瓜は約800gの粘質な日本カボチャであり、熟すると果実は小さいが、味の良かったことから勝間木綿とともに村の特産品だった。昭和10年代までは大阪市南部地域で栽培が行われていた。

⑬鯛。 東京はマグロ。大阪は鯛。マグロ一人当たり年間消費(東京で7600円、大阪で3000円)。鯛(東京590円、大阪1500円)。

⑭鱧。 東京は年間119トン。大阪は1074トン。

⑮牛肉と豚肉。牛(東京13000円、大阪22000円)。豚(東京20000円、大阪15000円)。

⑯佃煮 東京中央区の佃島で発明。大阪市西淀川区の千船駅側の「佃島」(摂津西成郡佃村)から徳川家康の頃の多数の住民が江戸に移住しており、彼らが創始したものとされる。

 一般に海産物、とりわけ小魚、アサリなどの貝類、昆布等の海藻類、山地ではイナゴ等の昆虫類などを醤油・砂糖等で甘辛く煮染めたものをこう呼ぶ(なお、醤油・砂糖等で甘辛く煮染めた、今日で見られるような佃煮を作り始めたのは東京・浅草橋にある「鮒佐」だといわれている)。牛肉の佃煮も目にする。ご飯と一緒に食べると美味とされる。もともとは小さすぎて出荷できない魚を漁民が自家用に保存食としたものという。濃い味付けのために保存性が高まり、参勤交代の武士らが江戸からの土産物として持ち帰ったため広まった。今では全国各地に土地の名物の佃煮はあり、江戸前に限るということはなくなった。上述のように余り物利用の保存用食品であったことから、物が有り余ってもて余すさまを「佃煮にするほど」などと表現したりする。

②ビール 日本人として初めて醸造販売したのは、明治4年(1871年)大阪の渋谷庄三郎が最初。日本で最初は、明治2年(1869年)横浜でノルウェー人のW.コープランドが最初。

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