大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

NHKクローズアップ現代「丘陵住宅地に潜む危機」

2013-03-07 07:05:42 | インポート
昨日のNHKクローズアップ現代、観ました?・・・・観てない人が多いでしょうね。とても考えさせられるものでした。

問題は、地震によって宅地の「境界」が動いた時に、本当の(と言うか、今後の)境界はどこにある、とするべきなのか、という問題です。

この問題については、ご承知の通り、阪神大震災の時の神戸地方法務局長の照会に対する法務省民事局長回答があります。

「地震による地殻変動に伴い広範囲にわたって地表面が水平異動した場合には、土地の筆界も相対的に移動したものとして取り扱う。なお、局地的な地表面の土砂の移動(崖崩れ等)のばあいには、土地の筆界は移動しないものとして取り扱う。」

というものです。この「照会回答」が出されてから18年。私たち、「境界の専門家」を名乗る土地家屋調査士は、この見解に潜む限界を超える豊富化の成果をどれほど残せてきたのか?・・・真剣に、深刻に考えて、新しい前進を実現して行くべき課題を担っている、ということを、あらためて思い返さなければなりません。

そのために必要なことは?・・・・・まずは「一般理論」の明確化、が必要です。これまで法理論的に積み上げられてきた成果の上に、「境界に関する実務家」としての立場から、現実に根ざした提言をすることによって、「一般理論」化することが追求されなければなりません。これは、何も難しいことを言っているのではなく、当たり前のことが、当たり前のこととして確認されればいい、というだけの問題です。

その上で、「一般理論」だけではすくいきれないものを、個別具体的なところで解決できる、という能力を私たちは確かなものにしていかなければなりません。これは、本来は「筆界特定」で培われた能力を「民事紛争」の解決へも役立てる営為(ADR)の中で、法的にも現実的にも妥当な「解決能力」を鍛え上げて行くものとして、すでにそれなりの姿が示されていて然るべきべきものです。この点で私たちは遅れをとってしまっていますが、出発点に立てているとは思いますし、誰よりも可能性があるのだと思いますので、態勢を整えて行くことが必要です。

番組によれば、公的な復興事業に着手するための前提条件として「民民」の問題解決が必要、ということでした。詳しい実態はよくわかりませんが、私たちのできること、なすべきことについて、真剣に考えるべきでしょう。ビデオを録りましたので、一緒に観ながら考える機会を持つようにしたいな、と思っています。


2 コメント

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素人?あの中に腕利きの調査士経験者がいたかも知... (境界問題を抱える一般国民)
2013-03-08 01:06:04
素人?あの中に腕利きの調査士経験者がいたかも知れませんよ。
素人から報酬を頂いて生活してるんだからせめて地権者と呼びましょうよ。
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私も昨夜、どんな話が出るだろう、土地家屋調査士... (梶 田 安 男(愛知会会員))
2013-03-07 08:41:33
私も昨夜、どんな話が出るだろう、土地家屋調査士の名前が出るだろうか、わくわくしながら見ておりましたが、残念ながら素人の寄り合い話で終ってしまいましたね。
NHKでもあの程度ですから土地家屋調査士としてこれは真剣に考えなければなりませんね。
連合会にがんばってもらいましょう。
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