大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

「村社会」

2012-05-24 06:08:00 | インポート

昨日の新聞に、辞典の編集のことが載っていました。今年の本屋大賞を受賞した三浦しをんの小説「舟を編む」の関係で、「辞典の編集」がとりあげられていたものです。

その中で、「広辞苑」の編集者が、制約のある字数の中で、的確に言葉の意味を説明することの難しさと、それが上手にできたときの喜びを語っていました。無駄なく説明が書けたと自負しているものとして「村社会」の説明が挙げられています。それは、

「村社会 : 旧習にこだわり排他的な同朋意識に基づいた社会や組織。伝統的な村の人間関係を、否定的な面からとらえていう語」

というもので、53字だそうです。さすがにうまい! と思うと同時に、もう少し字数があれば後段の説明がもっとていねいになったかな、なんて(普段から冗長な文章を書いている私としては)思ってしまったりもしますが、これはきりのないぜいたくと言うべきで、ぜい肉をそぎ落とした「53字」を味わうべきなのでしょう。

この「村社会」は、最先端技術をめぐる集団においても根強くあることが、原発事故を契機として白日の下にさらされた「原子力村」として、明らかにされました。同様のことは、日本社会のあらゆるところにある、と考えるべきでしょう。

もちろん、私たちも例外ではありません。私たちの組織が、「旧習にこだわり排他的な同朋意識に基づいた」ものになってはいるのではないか、「総会」のシーズンであるこの時期、自分自身を再度見つめなおす必要があるように思いました。


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