改正法によっても、総議決権の10分の1以上の反対があっても株主総会決議が不要とされる場合がある。それは、当該公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の事業の継続のため緊急の必要があるときである。
しかし、ここでまた一つ問題がある。財産の状況が著しく悪化していることや、事業の継続のため緊急の必要があることの判断を誰が行うのか。
純粋に理論的なことだけを言えば、募集株式発行差止の仮処分の申立をして、その中で判断するということはありうるのかもしれないが、現実問題とすると、10分の1以上の反対があったことが判明したときから払込期日(すなわち募集株式発行の効力発生日)まではおそらく僅かな時間しかないと思われ、仮処分を申し立てる時間すら存在しないことは十分にあり得る。そうだとすると、この手法はあくまでも理屈だけであり、実効性がないと言わざるを得ない。
物の本によると、財産の状況が著しく悪化していることや、事業の継続のため緊急の必要があることの事情がないのに株主総会決議を経ずに発行した場合は、無効原因と解すべきと考えているようである。結局は,無効訴訟で事後的に争えというのである。
株主総会決議が不要とされる要件が抽象的なだけに、この点が問題となると、無効訴訟が頻発しそうな予感がする。上場会社を想定すると、差し止めの仮処分が間に合わず、無効訴訟で争うしかないというのは、法的安定性の上で問題がありそうに思うのだが、どうなのだろう。
しかし、ここでまた一つ問題がある。財産の状況が著しく悪化していることや、事業の継続のため緊急の必要があることの判断を誰が行うのか。
純粋に理論的なことだけを言えば、募集株式発行差止の仮処分の申立をして、その中で判断するということはありうるのかもしれないが、現実問題とすると、10分の1以上の反対があったことが判明したときから払込期日(すなわち募集株式発行の効力発生日)まではおそらく僅かな時間しかないと思われ、仮処分を申し立てる時間すら存在しないことは十分にあり得る。そうだとすると、この手法はあくまでも理屈だけであり、実効性がないと言わざるを得ない。
物の本によると、財産の状況が著しく悪化していることや、事業の継続のため緊急の必要があることの事情がないのに株主総会決議を経ずに発行した場合は、無効原因と解すべきと考えているようである。結局は,無効訴訟で事後的に争えというのである。
株主総会決議が不要とされる要件が抽象的なだけに、この点が問題となると、無効訴訟が頻発しそうな予感がする。上場会社を想定すると、差し止めの仮処分が間に合わず、無効訴訟で争うしかないというのは、法的安定性の上で問題がありそうに思うのだが、どうなのだろう。