実務家弁護士の法解釈のギモン

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改正会社法-子会社等、親会社等(5)

2014-09-12 15:31:38 | 会社法
 2か所目として、公開会社における募集株式、募集新株予約権の割当ての特則である。
 募集株式の発行を例に取ると、募集株式を発行した結果、募集株式の引受人の議決権が総議決権数の2分の1以上を有する結果となるような募集株式の発行をする場合において、10分の1以上の議決権を有する株主が反対した場合は、その募集株式の発行には株主総会の承認が必要となるような改正が行われる(詳しくは別途述べたい)。ここでの引受人(法は「特定引受人」と定義している)の議決権比率には、その「子会社等」の有する株式も含めて計算される。ここに「子会社等」が使用される。
 また、引受人が既に「親会社等」であれば、この特例が適用されないようである。ここに「親会社等」が使用される。
 以上が、「子会社等」、「親会社等」が使用される第2場面である。

 「子会社等」、「親会社等」が登場するのは、以上である。改正法をパソコンで検索をした結果であるから、おそらく間違いがないはずである。したがって、それ以外で親子関係が問題となる場合は、従前通り「子会社」、「親会社」で認識していれば問題がない。

 「子会社等」、「親会社等」の定義は、言ってみれば、実に細かい部分の改正でしかない。厳密に定義したいという気持ちは分かるのだが、会社法そのものがどんどん複雑怪奇化していくような気がするのは、私だけであろうか。