実務家弁護士の法解釈のギモン

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サムライ債(5)

2014-02-04 10:02:17 | その他の法律
 結局のところ、サムライ債のデフォルトが現実に起きて訴訟沙汰となっており、その処理がうまくできていないという実体がある以上、「債券」発行に関する根拠法となる規定を制定すべきではないだろうか。しかも、今後起こりうる問題点は、債券管理会社の訴訟遂行権限だけの問題ではないかもしれない。その上で、公衆に対して起債する場合は債券管理会社の設置を認め、その会社に訴訟遂行権限を認めればよいのである。会社法上の社債の規定はその特則と位置づければいい。
 日本は制定法主義の国であるから、時によって法の欠缺は重大な問題を引き起こす。ソブリン・サムライ債の事案はまさにそういう事案としか思えない。

 金融庁あたりが立法化に向けて動かないだろうか。