民事保全法は,あまり体系的な勉強はしたことがなく,とくに保全執行の効力では,私にとって不分明な点が多い。もっとも,勉強不足といわれてしまえば,それまでであるが……。
建物収去請求権保全のための処分禁止の仮処分の効力も私にとって理解しにくい制度の一つである。
民事保全法64条では,処分禁止の仮処分の登記後に建物を譲り受けた者に対し,建物収去の強制執行ができる旨,規定されている。そのため,何も悩みをもたなければ,処分禁止の登記がなされれば,その後の所有権移転登記は気にしなくてよいということになる。訴訟法的な説明をすれば,一種の当事者恒定的効力といえる。
しかし,理論的になぜ処分禁止の仮処分の登記に遅れて建物を譲り渡した場合,その処分禁止の効力が譲受人にも及ぶといえるのか。私が問題としたいのは,実体法との接点である。順を追って,私の疑問を説明したい。
建物収去請求権保全のための処分禁止の仮処分の効力も私にとって理解しにくい制度の一つである。
民事保全法64条では,処分禁止の仮処分の登記後に建物を譲り受けた者に対し,建物収去の強制執行ができる旨,規定されている。そのため,何も悩みをもたなければ,処分禁止の登記がなされれば,その後の所有権移転登記は気にしなくてよいということになる。訴訟法的な説明をすれば,一種の当事者恒定的効力といえる。
しかし,理論的になぜ処分禁止の仮処分の登記に遅れて建物を譲り渡した場合,その処分禁止の効力が譲受人にも及ぶといえるのか。私が問題としたいのは,実体法との接点である。順を追って,私の疑問を説明したい。