■Barbara Meislin / Carvings In The Canyon■
赤紫に染まったアメリカ中西部らしき風景、このタイトル。 まさに1970年代初頭のフォークミュージックとしか思えないのですが、このアルバムが発表されたのは1982年、しかもニューヨークから。 この意外なところがこのアルバムを広く知らしめない要因のひとつなのでしょうか?
これは Barbara Meislin のファーストにして、おそらく唯一のアルバムなのですが、その内容から、Female Vocals ではなく、Folk にカテゴライズしました。 というのも、彼女の声質と発声が、いかにも古典的なフォークという感じで、背筋を伸ばして歌う姿が目に映るかのようなのです。 若かりし頃の森山良子や僕の好きなカナダ人女性 SSW のAnn Mortifee に似ている声ですね。
さて、僕にとってこのアルバムは極端に言えば、ラストの「It’s In Everyone Of Us」だけで十分です。 この曲は David Pomeranz の3枚目のアルバムタイトルにもなっている曲、当然アルバムに収録されている名曲です。 David のバージョンは雄大で歌い上げる感じで、いかにも1976年の Arista Records が好きそうなアレンジでしたが、Barbara のバージョンは、ちょっとテンポアップして、3拍子であることを強調したアレンジになっています。 しかし、それはそれでアルバムラストを飾るに相応しい、いいカバーに仕上がっていると思います。
その他の、主だった曲に触れてみたいと思います。 1曲目の「Brave Heart」でこの人の個性やアルバム全体の雰囲気は掌握できます。 ただ、この曲に限っては、ARPシンセサイザーの音がちょっと邪魔な感じです。 「The Portrait」は歌詞の内容も悲壮感あふれるバラード、「Song Of The Soul」は軽やかなワルツですが、やや冗長です。 B面に移って、タイトル曲の「Carvings In The Canyon」は風のSEから始まり Fender Rhodes の音と控えめな演奏でボーカルを引き立てる佳作。 「The Rose」はどこかで聴いたことのある曲かと思って調べてみたら、Bette Midler が 1979年に放ったヒット曲だったのです。 この曲を書いたことで作者の Amanda McBroom は一躍脚光を浴びたようですね。
クレジットを見ると、 Co-Producer でもある Michael Lobel とGary Pozner の二人がほとんどの楽器をこなしていることが分かります。 ここまで詳細に書いて自慢しなくてもいいのにと思うほどの楽器の羅列です。 この二人がアルバム制作にあたってのキーパーソンだとは思うのですが、プロフィールや他の参加作品などまったくの不明。 コーラスで参加している Tom Intondi は自身でもソロアルバムを発表しているSSW です。
さて、最後にBarbara Meislin の近況ですが、検索したところ、拠点をカリフォルニアに移し、Purple Lady Productions という自身の出版社から、2005年に素敵なタイトルのCD 付き絵本「No One Can Ever Steal Your Rainbow」を発表しています。 ちなみに、絵を描いているのは別の人で、Barbara はストーリーの方を書いています。 日本語訳が出版される可能性はほぼ無いんでしょうね。
■Barbara Meislin / Carvings In The Canyon■
Side-1
Brave Heart # (Amanda McBroom)
Snowflake (Barbara Meislin and Nathan Segal)
The Portrait # (Amanda McBroom)
Marigolds (Barbara Meislin and Nathan Segal)
Song Of The Soul * (Chris Williamson)
Side-2
Carvings In The Canyon # (Barbara Meislin and Amanda McBroom )
Where Do Butterflies Go In The Rain (Barbara Meislin)
Eli Eli (David Zahavi)
The Rose (Amanda McBroom)
It’s In Everyone Of Us * (David Pomeranz)
Michael Lobel:
Frenchi Horn , flute , celeste , violin , cello , double bass , guitar , vibes , ARP synthesizer , tabla , dulcimer , trumpet , recorder , harmonica
Gary Pozner :
Drum kit , percussion set , Steinway piano , Fender Rhodes , harpsichord , bass , vibes , recorder , guitar , violin , viola , cello , double bass , wind chimes , ARP synthesizer
Ariel Powers : electric bass on # , background vocals on * , glockenspiel on ‘Carving In The Canyon’
Mike Dunn : electric bass on ‘Marigolds’ and ‘ Snowflake’
Alan Fishel : drums on ‘Brave Heart’ and ‘The Portrait’
Martha A. Hogan : background vocals on *
Tom Intondi : background vocals on *
Recorded July 1982 at Lobel Productions, West New York , N.J.
Co-produced , arranged and engineered by Michael Lobel and Gary Pozner
Executive Producer : Bernard Brightman
A&R : Natasha Brightman
Cover Design : Lynn Tesser
Liner Design : Madeline Sloan
Photo ; Bob Shamis
Stash Records ST302
赤紫に染まったアメリカ中西部らしき風景、このタイトル。 まさに1970年代初頭のフォークミュージックとしか思えないのですが、このアルバムが発表されたのは1982年、しかもニューヨークから。 この意外なところがこのアルバムを広く知らしめない要因のひとつなのでしょうか?
これは Barbara Meislin のファーストにして、おそらく唯一のアルバムなのですが、その内容から、Female Vocals ではなく、Folk にカテゴライズしました。 というのも、彼女の声質と発声が、いかにも古典的なフォークという感じで、背筋を伸ばして歌う姿が目に映るかのようなのです。 若かりし頃の森山良子や僕の好きなカナダ人女性 SSW のAnn Mortifee に似ている声ですね。
さて、僕にとってこのアルバムは極端に言えば、ラストの「It’s In Everyone Of Us」だけで十分です。 この曲は David Pomeranz の3枚目のアルバムタイトルにもなっている曲、当然アルバムに収録されている名曲です。 David のバージョンは雄大で歌い上げる感じで、いかにも1976年の Arista Records が好きそうなアレンジでしたが、Barbara のバージョンは、ちょっとテンポアップして、3拍子であることを強調したアレンジになっています。 しかし、それはそれでアルバムラストを飾るに相応しい、いいカバーに仕上がっていると思います。
その他の、主だった曲に触れてみたいと思います。 1曲目の「Brave Heart」でこの人の個性やアルバム全体の雰囲気は掌握できます。 ただ、この曲に限っては、ARPシンセサイザーの音がちょっと邪魔な感じです。 「The Portrait」は歌詞の内容も悲壮感あふれるバラード、「Song Of The Soul」は軽やかなワルツですが、やや冗長です。 B面に移って、タイトル曲の「Carvings In The Canyon」は風のSEから始まり Fender Rhodes の音と控えめな演奏でボーカルを引き立てる佳作。 「The Rose」はどこかで聴いたことのある曲かと思って調べてみたら、Bette Midler が 1979年に放ったヒット曲だったのです。 この曲を書いたことで作者の Amanda McBroom は一躍脚光を浴びたようですね。
クレジットを見ると、 Co-Producer でもある Michael Lobel とGary Pozner の二人がほとんどの楽器をこなしていることが分かります。 ここまで詳細に書いて自慢しなくてもいいのにと思うほどの楽器の羅列です。 この二人がアルバム制作にあたってのキーパーソンだとは思うのですが、プロフィールや他の参加作品などまったくの不明。 コーラスで参加している Tom Intondi は自身でもソロアルバムを発表しているSSW です。
さて、最後にBarbara Meislin の近況ですが、検索したところ、拠点をカリフォルニアに移し、Purple Lady Productions という自身の出版社から、2005年に素敵なタイトルのCD 付き絵本「No One Can Ever Steal Your Rainbow」を発表しています。 ちなみに、絵を描いているのは別の人で、Barbara はストーリーの方を書いています。 日本語訳が出版される可能性はほぼ無いんでしょうね。
■Barbara Meislin / Carvings In The Canyon■
Side-1
Brave Heart # (Amanda McBroom)
Snowflake (Barbara Meislin and Nathan Segal)
The Portrait # (Amanda McBroom)
Marigolds (Barbara Meislin and Nathan Segal)
Song Of The Soul * (Chris Williamson)
Side-2
Carvings In The Canyon # (Barbara Meislin and Amanda McBroom )
Where Do Butterflies Go In The Rain (Barbara Meislin)
Eli Eli (David Zahavi)
The Rose (Amanda McBroom)
It’s In Everyone Of Us * (David Pomeranz)
Michael Lobel:
Frenchi Horn , flute , celeste , violin , cello , double bass , guitar , vibes , ARP synthesizer , tabla , dulcimer , trumpet , recorder , harmonica
Gary Pozner :
Drum kit , percussion set , Steinway piano , Fender Rhodes , harpsichord , bass , vibes , recorder , guitar , violin , viola , cello , double bass , wind chimes , ARP synthesizer
Ariel Powers : electric bass on # , background vocals on * , glockenspiel on ‘Carving In The Canyon’
Mike Dunn : electric bass on ‘Marigolds’ and ‘ Snowflake’
Alan Fishel : drums on ‘Brave Heart’ and ‘The Portrait’
Martha A. Hogan : background vocals on *
Tom Intondi : background vocals on *
Recorded July 1982 at Lobel Productions, West New York , N.J.
Co-produced , arranged and engineered by Michael Lobel and Gary Pozner
Executive Producer : Bernard Brightman
A&R : Natasha Brightman
Cover Design : Lynn Tesser
Liner Design : Madeline Sloan
Photo ; Bob Shamis
Stash Records ST302