Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Eric Relph

2006-07-30 | SSW
■Eric Relph / Pretty Darlin’■

 もうすぐ梅雨明け、行きたいなリゾート。 ということで、この季節の夕暮れ、サンセットビーチで聴いてみたい名盤をご紹介します。
 1978 年、カリフォルニア州オレンジカウンティにあるラグーナ・ビーチにある自主制作レーベルから届けられた Eric Relph の唯一のアルバムは、メロウ&グルーヴィーな SSW ものとして、オークションなどの常連商品となっています。
 
 この幻想的で妙な違和感のあるジャケットからも、かなり興味をそそられるのですが、不思議なことにアルバムのサウンドも、同じように個性的なものになっています。
 アルバム全 10 曲は、いわゆる Eric Relph 的な独特の味わいを持つ曲と、個性に乏しく標準的な仕上がりになってしまった曲とに大別できます。 A 面では、「Pretty Darlin’」、「Forty Miles」、「Treat Me Kind」がお薦めです。 タイトル曲「Pretty Darlin’」はアルバムの印象を決定づける名曲で、エコーのかかった幻想的なアルペジオから始まり、ゆるいボッサ調のリズムが加わってくると、波間を漂うかのようなドリーミーなサウンドが展開されます。 この曲だけで、Eric Relph をハワイの SSW と勘違いしてしまう人もいそうなほどです。 「Forty Miles」もメロウなイントロから始まるフローティグ系の曲。 アコギのイントロから始まり、コンガがアイランド・テイストを盛り上げる「Treat Me Kind」も名曲。 アルバムを通して言えるのですが、素朴なバック・コーラスが癒し系の入浴剤みたいな効果を与えています。 一方、「Oh Why」はメロトロンが聴けるところがポイント。 「Spirit Train」は、サザンロック調のサウンドですが、できれば外してほしかったという気持ちになってしまいます。

 B 面も同じように「Gold Or Silver」と「Stoned Louis」が秀逸。 どちらも Eric Relph ワールドというべき浮遊感とメロウさを兼ね備えており、エステサロンのBGMにしたいような気分になります。 「Down The Road」と「Hands Off Baby」は、逆にらしさが感じられない、ノーマルな曲調です。 前者はウェストコースト風ですが、後者は B 級のロックンロールかのよう。 ラストの「Ah Dey Aum」は、Eric のギターソロによるインスト曲。 メロウさはなく、バロック的なアルペジオが繰る広げられる異色作になっています。

 風呂上りに喉をうるおしてから、久しぶりにアルバムを通して聴きましたが、若干の捨て曲があるものの、Eric Relph の独特のサウンドは捨てがたいものであることを再認識しました。 CD 化は当然されていないのですが、Evy Pollen は自主制作レーベルなので、マスターテープの存在すら怪しそうな気配ですね。 

 さて、参加ミュージシャンで注目すべきは、Bill Champlin でしょう。 Sons Of Champlin のリーダーとしても有名ですが、彼のソロアルバム「独身貴族」が AOR の名盤として日本では人気です。 現在は、Chicago のメンバーでもある Bill Champlin が「独身貴族」と同時期の 1978 年に「Pretty Darlin’」でギターを弾いているとは信じがたい気分です。 もう一人、プロデューサーとしてもクレジットされているMichael Allsup は、Three Dog Night の後期のメンバーだった人でした。

 1978 年、カリフォルニアから届けられた突然変異的なアルバム。 このアルバムの 2 年前には Eagles の Hotel California が発売されています。 そんなことを考えながら聴くと、さらに不思議な気分に浸れます。



■Eric Relph / Pretty Darlin’■

Side-1
Pretty Darlin’
Oh Why
Spirit Train *
Forty Miles
Treat Me Kind

Side-2
Gold Or Silver
Down The Road
Hands Off Baby *
Stoned Louis
Ah Dey Aum

Produced by Eric Relph and Michael Allsup
All Songs Written by Eric Relph
* Lyrics by Grayds Vincent

Eric Relph : guitars and lead vocals
Bill Slater : bass
Ray Price : drums
Danny Krieger : slide guitar
Steve D’Avanzo : piano
Eric Morton : flute
Michael Allsup : Melltoron on ‘Oh Why’
Dave O’Niell : congas
Bill Champlin : guitar and piano on ‘Hands Off Baby’ , guitar on ‘Pretty Darlin’’

Harmonies : Mike Rosato , Bill Manaserro , Dave ‘Niell , Eric Relph . Sarah Miller , Eric Morton , Jay Kessler , Linda Rogers , Mike Allsup and Greg

Engineered by Michael Allsup

Recorded and Mixed at Timbre Sound , Santa Monica , California
Front & Back Cover by Bill Odgen

Evy Pollen Records ER 1-2-49

Henry Buckle

2006-07-28 | SSW
■Henry Buckle / Henry Buckle■

 ジャケットで損をしているアルバムは沢山ありますが、今日取り上げるこのアルバムもそんな一枚。 この色調にいかつい顔、こんなジャケットからは癒し系テイストの SSW が飛び出してくるとは想像できませんね。 そもそも、こんなジャケットになってしまったのも、Henry Buckle という名前がいけないのです。 「バックル」ということで、何のフックやひねりもなく、ベルトの「バックル」をジャケットデザインにさせられてしまったのが、このアルバムの最大の悲劇でしょう。 ご丁寧に、裏ジャケットまでジーンズとベルトの拡大ですから。

 さて、あらためて Henry Buckle についてですが、よくあることですが、このアルバムが彼の唯一の作品のようです。 1972 年にメジャーの Mercury から発売されています。

 アルバムを代表する名曲「Goodtime Day」でスタートするこのアルバム。 この 1 曲を聴くだけで、買ってよかったという気持ちになれるでしょう。 ハープシコードをバックに始まり、徐々にストリングスなどのオーケストレーションが展開、そしてリズムセクションが加わってくるという展開も素晴らしいのですが、何よりもサビのメロディーが、さりげなくもキャッチーなところがポイント。 同時代の SSW と比較しても遜色のない名曲といっていいでしょう。 タイトルどおりカントリー調の「Country Woman」をはさんで、しっとりした「Sitting Here By The Fire」も名曲です。 印象的なフルートや奥行きのあるオーケストレーションなど、アレンジ・センスも素晴らしいです。 二拍子の小曲「You For Me」をアクセントにして、ミディアムで比較的地味な「Why Can’t Today」、そして覚えやすいサビを書く人だなあという思いを新たにする「Don’t Say You Don’s Know Why」へと続いていきます。
 ソフトロック色の濃い「If I Had To Write A Book」でB面はスタート。 この曲も中間部のギターソロやストリングスなど、この手の指向性を意識した楽曲としてはパーフェクトに近いと思います。 A 面も B 面も必殺の名曲をアタマに持ってきているのも珍しいですね。 ギターソロによるインスト「Doing My String」、カントリータッチで雄々しい「Natural Loser」、エレピのイントロで始まるスワンピーな「Doing The Things That Please Me」、控えめなアレンジとかわいらしい曲調がマッチした「What A Day , Yesterday」、ミディアムの「Not Much Of A Man At All」と続き、ラストはギターの弾き語りがメインの「Childhood Days」となります。 この曲はタイトルどおり、子供の頃のサマービーチやフェアグラウンドなどの思い出を綴る小曲なのですが、こうした曲を聴いていると、Henry Buckle は素直で実直でジェントルな人だったのだろうなと感じます。 それだけに、このジャケットといかつい表情はマイナスですね。

 このアルバムは、入手も比較的容易ですが、中古レコード店に置いてあったとしても参考になるミュージシャン・クレジットもないので、なかなか手を出すことはできないでしょう。 お薦めコメントなどがあれば別ですけどね。
 そう思うと、Henry Buckle が、もしも違う名前だったなら、こんなジャケットにならなかったし、ミュージシャンとしての人生も違う展開になったかもしれないなと考えてしまいます。 35 年も前のことなので、そんなこと 今は誰も気にしていないでしょうけど。



■Henry Buckle / Henry Buckle■

Side-1
Goodtime Day
Country Woman
Sitting Here By The Fire
You For Me
Why Can’t Today
Don’t Say You Don’s Know Why

Side-2
If I Had To Write A Book
Doing My String
Natural Loser
Doing The Things That Please Me
What A Day , Yesterday
Not Much Of A Man At All
Childhood Days

All Selections written by Henry Buckle
Arranged & Conducted by John Fiddy
Produced by David Paramor

Mercury Records SRM 1-643

Wiz Bryant

2006-07-19 | SSW
■Wiz Bryant / Timberline■

 子供を背負う父親シリーズの第 2 弾ということで、取り出したのがこのアルバム。 カナダを愛してやまない Wiz Bryant が祖国カナダの自然や風景・人々を歌にしたアルバムです。 発表された年が書かれていないのですが、おそらく1980 年前後のものだと思われます。
 雄大な景色をバックにした Wiz Bryant ですが、背負子で子供を背負って頂上までやってきた達成感からでしょうか、さわやかな笑顔を見せています。 そんな Wiz Bryant の人柄を全面に感じることのできるハートウォーミングなアルバムをご紹介しましょう。

 タイトルだけで十分という気分の「The Happy Canadian」は、ゆるやかなカントリー調のワルツ。 ストリングスの間奏もステキでまるで John Denver が作ったスタンダードかのような曲です。 「The Selkirk Reel」は、アイリッシュやスコットランドのトラディショナルでよく耳にする Jig とか Reel という表現がありますが、この曲の Reel はまさしくそれでした。 スローワルツの「The Pioneer’s Dream」をはさみ、典型的なカントリーソングの「The C.N.E. Song」と続きます。 C.N.E.の意味は分かりませんが、キャンプファイアーで高石ともやとザ・ナターシャセブンが歌っているかのようなほのぼの系です。 アルバムのなかでは異色のマイナー調の「Louis Riel」は、途中でリズムの刻みが変わるものの、一貫してシリアスな印象の残る曲です。 そして、アルバムタイトル曲の「Timberline」は名曲。 ミディアムなバラードなのですが、ベースと少しのパーカッションのみの演奏をバックに伸びやかなボーカルが響き渡る A 面のハイライト。 B 面でも聴けるのですが、女性コーラスの入り方が実にメロウです。 「In Flanders Fields」は鼓笛隊とリコーダーによるマーチ。 Wiz Bryant はボーイスカウトのリーダーだったのかな、という気分にさせられます。
 B 面は名曲「Terry’s Song」でスタート。 ミディアムスローなポップチューンなのですが、サビの部分の Long 姉妹によりコーラスの入り方が素晴らしく CCM に近いようなアレンジが心地よさを増幅しています。 子供たちへの愛情あふれた「The Childrren’s Garden」も Long 姉妹のコーラスに癒されます。 フィドルのイントロで始まる古典的なダンス・チューン「Square Dance Jamboree」、私小説的な世界観「Alpine Music」につづいて、ユニークなピアノのリフが特徴的な「Saint Marie Among The Hurons」と流れていきます。 アルバムのラストは「Land Of The Maple Leaf」というワルツ。 楽観的でドリーミーなサウンドで、Long 姉妹のコーラスとユニゾンするなど、アルバムの締めくくりに相応しいでしょう。 曲調も含め、10cc の「Original Sound Track」のラスト「The Film Of My Love」を想起してしまいました。

 アルバムを通して感じることは、カナダ賛歌といってもおかしくないほどの、祖国愛に満ち溢れていることです。 Wiz Bryant を、カナダの John Denver と勝手に命名したい気分です。 (John Denverについてはベスト盤程度の知識しかありませんが)
 トロントに拠点を置く TMC Records というレーベルからの発売となっているこのレコード。 ジャケットやレーベル面を読んでも TMC が何の略かが分かりませんでした。 このレコード以外のリリースも把握していませんが、8002 という品番であることから、最初の 1 枚目の 8001 が存在することはほぼ確実だと思います。 ということで、今日ご紹介した Wiz Bryant の「Timberline」は、TMC Records が 1980 年に発表した 2 枚目のレコードだと推測されるのです。

 さて、二夜連続となった「子供を背負う父親シリーズ」もこれでネタ切れ最終回です。 もし、シリーズ第 3 弾になれる、というアルバムをご存知の方はぜひともご紹介ください。




■Wiz Bryant / Timberline■

Side-1
The Happy Canadian
The Selkirk Reel
The Pioneer’s Dream
The C.N.E. Song
Louis Riel
Timberline
In Flanders Fields

Side-2
Terry’s Song
The Childrren’s Garden
Square Dance Jamboree
Alpine Music
Saint Marie Among The Hurons
Land Of The Maple Leaf

Lyrics And Music by Wiz Bryant
Produced and arranged by Cam Shearer

Lead Vocal and Guitar : Wiz Bryant
Lead guitar : Mark Crawford
Bass : Joff Taylor
Drums and Percussion : John Dell
Pedal Steel : Bob Lucier
Fiddle : Al Cherny
Violins : Bill Ricgards , Andrew Benac , Victoria Richards , Vera Tarnowsky
Keyboards and Recorder : Can Shearer
Background Vocals : Carol Long , Myrna Long

Recorded at Master’s Worlshop , Rexdale , Ontario

TMC Records 8002

Bob Stromberg

2006-07-16 | SSW
■Bob Stromberg / Life In The Morning■

 子供を背負う父親のジャケット。 二人ともいい表情ですね。 これは、人柄が悪かろうはずのない Bob Stromberg が 1977 年に発表したアルバムです。 おそらくはファーストだと思いますが、google で検索しても、このアルバムについて記述されているサイトを発見することはできませんでした。 本人の公式ページによると、現在はコメディアンとして活躍している Bob Stromberg が人知れず残してくれたこのアルバムは、SSW ファンならば誰にでもお勧めできる名盤です。
 アルバムは全 12 曲入っており、70 年代の作品としては大盛り感があります。 しかもステ曲なしときたら、アルバムの満足度はかなり高いものとなりますよね。 クレジットでは、ギター・ピアノ・ベース・パーカッションというシンプルな編成で、ストリングスやホーンは見当たりません。 実際、聴いてみてもこの必要最低限のメンバーで、穏やかで心温まるような楽曲のオンパレードです。
 アルバムタイトル曲「Life In The Morning」は、いきなり名曲。 ギターと遠慮がちなピアノに乗せて、ややソフト・ロック的なアレンジのなかを、Bob の肩肘張らないボーカルがただよう佳曲です。 この曲で、アルバムへの期待が一気に高まってきます。 つづく「Two Hands」はアップテンポの弾き語り、「Fill Me Again」はサビの部分でリズムセクションの存在感が出てきますが、パタパタしたドラムスの音にはローカル感まる出しという印象です。 雨の曲のわりには、さわやかな印象の「The Rain Song」では、Bob の奥さんと思われる Judy Stromberg のハーモニーが味わえます。 歌い方にやや熱がこもった感じのバラード「Can You Remember」も、薄くはいるシンセとピアノのサポートが素晴らしい曲。 ギターのみのシンプルな「Thought I Would Be Happy」で A 面が終了。
 B 面は、カントリー調の「Have Your Way」で始まります。 シンプルななかにもツボを押さえたメロディ、そして Judy との息の合ったコーラスなど聴き所満載です。 Bob の祖父がスウェーデンから移住してきたことを歌にした「The Immigrant Song」は、なごみテイストのアレンジ。 ギターの弾き語りが繊細な印象のラブソング「Surely You Have Made Me Happy」、ピアノのイントロで始まり、まるで日本のニューミュージックのような「You Are The First Melody」は、BUZZ の中期のようなサウンドです。 Judy とのハモりも素晴らしく、秀逸なミディアムバラードに仕上がっています。 「No Place Could Ever Be Home」は、ギターとピアノによるしっとりとした作品。 途中のコーラスに心揺さぶられます。 ラストの「Yesterday」は、SSW テイストの薄めなポップソング。 サビでは繰り返し Jesus と歌われるなど、この曲だけ CCM(Contemporary Christian Music)のような感じです。

 冒頭のほうにも書きましたが、現在の Bob Stromberg は 'Funny Man’ の愛称で活躍するエンタテイナー。 1995 年からは、Triple Espresso というコメディー・グループを結成してテレビやショウで活躍しています。 ここのサイトも充実しており、T-シャツなどの物販も行っていました。 Bob Stromberg はミュージシャンとしては商業的には全く成功することがなかったのでしょう。 彼のプロフィールやバイオグラフィーからも、このアルバムに関する記載が一切ありません。 現在、入手困難だからという理由だけで記載していないのならばいいのですが、もし Bob Stromberg や周囲のスタッフが、現在のビジネスを優先するあまりに、過去を封印しているとしたら、残念なことですね。 もちろん、そのようなことではないことを祈っていますが、この「Life In The Morning」はあまりにも内容が素晴らしいだけに、何かをきっかけにして評判が広まっていってほしいものです。 ついに CD 化される、なんていう日が来るといいのですが。



■Bob Stromberg / Life In The Morning■

Side-1
Life In The Morning
Two Hands
Fill Me Again
The Rain Song
Can You Remember
Thought I Would Be Happy

Side-2
Have Your Way
The Immigrant Song
Surely You Have Made Me Happy
You Are The First Melody
No Place Could Ever Be Home
Yesterday

Lyrics And Music by Bob Stromberg

Tracy Danz : guitar
Judy Stromberg : vocal
Randy Nelson : piano
Jeff Carlson : bass
Frank Donaldson : percussion

Recorded at Curtom Studios , Chicago
Produced by Delta Records , Chicago

Covenant Press DRS 77-746-CP

Hod & Marc

2006-07-13 | SSW
■Hod & Marc / Hod & Marc■

 最近の 3 作品はいずれも 1970 年代後半の同時代性を持ったロック寄りのソロ・ミュージシャンでしたので、そろそろ 70 年代前半の SSW 系ど真ん中に戻りたいと思います。
 そんなことで取り出したのが、Hod & Marc の唯一のアルバムです。 1972 年に Bell Records からリリースされたこのアルバム。 ひと言で言うと、ロハスなアルバムです。
 というのも、アルバムのどの部分を切っても、非常に緩やかなスローナンバーばかりで、しかもボーカルもさりげなく、リズムセクションもほとんど入ってこないため、二酸化炭素の排出量が少ないなあ、と感じてしまうのです。 演奏もボーカルも、あまりにも地球に優しすぎるサウンドなので、若くて血気盛んな世代にはまったくお勧めできません。 自分でも感じるのですが、40 過ぎてようやくテンポ感が理解できるように気がします。
 
 そんなアルバムなので、いつものように楽曲のコメントを寄せようと思っても、自分の貧困なボキャブラリーでは表現できそうにもありません。 午後の陽だまりのような安らぎを感じる「I’d Love Making Love To You」、ギターのみでシンプルで牧歌的な「You Can Talk To Me」、音数の少なさになかにハーモニーが挿入され、Eddie Hinton のギターがアクセントとなる「Aimee」、リズムセクションがいることを実感できる数少ない曲「The Warm Summer Rain」、クレジットがないので詳細不明ですが、女性コーラスが入る「In Colorado」と、どれも似たような曲調及びテンポでA面は進んでいきます。
 B 面は、サックスやフリューゲルホーンの入る R&B テイストの「Jazzman」以外は、あくまでもメロウにスロウに時間が過ぎ去っていきます。

 こうしてアルバムを聴いて思うのですが、さすがにサラリーマンをやっている自分の時間感覚にはスローすぎて、かえって疲れてしまうかもしれないということです。 クラブ・カルチャーなどに親しんでいる若者は、イライラしすぎて切れてしまうでしょう。 そんなことを感じますが、ここまでメリハリの少ないアルバムというのもかえって珍しいため、時代を先駆したロハス・アルバムというキャッチコピーが自分で言うのもおかしいくらい似合っていると思います。

 さて、クレジットででは、全曲の作曲やギターで Hod David の名前があるのですが、Marc のほうは、「By Love I Mean」の作詞にクレジットされているだけです。 おそらく、リードボーカルは Marc だったと思われ、Hod と Marc は Simon & Garfunkel と同じ役割分担だったようです。
 
 ネットで検索すると、Marc Allen Trujillo は、地道に俳優や音楽の活動を続けているようです。 一方、Hod David には驚きました。 彼は、今も New York で現役のプロデューサーとして活躍しているようなのですが、なんと Bonnie Pink の 2005 年のアルバム「Golden Tears」で 3 曲をプロデュースしていました。 そこで知ったのですが、彼は Maxwell (NYのソロR&B系ミュージシャン)のギタリスト兼プロデューサーだったのです。 このアルバムの内容からはとても信じられません。 同姓同名の別人なのでしょうか?

■Hod & Marc / Hod & Marc■

Side-1
I’d Love Making Love To You
You Can Talk To Me
Aimee
The Warm Summer Rain
In Colorado

Side-2
You Still Don’t Know
Jazzman
Come & Gone
By Love , I Mean
The Lonely Young Girls

Produced by Bob Johnston

A-①④ music &lyrics by Hod David
A-②③⑤,B-③ music by Hod David , lyrics by Will Jacobs
B-① music & lyrics by Hod David , Will Jacobs & Steve Margoshes
B-② music by Hod David , lyrics by Tom Paisley
B-④ music by Hod David , lyrics by Will Jacobs , Hod David & Marc Allen Trujillo
B-② music by Hod David , lyrics by Tom Paisley & Hod David

Strings Arrangements by Bob Mersey

Hod David : acoustic guitars
Tim Drummond : bass
Bob Wilson : keyboards
Eddie Hinton : electric guitar
Kenny Buttrey : drums
Ed Kollis : harmonica
Pete Drake : steel guitar

Bell Records Bell 6080

John Palumbo

2006-07-11 | SSW
■John Palumbo / Innocent Bystander■

 今日は、ジャケットがいい雰囲気を出している John Palumbo のファーストアルバムを紹介します。 ジャケットの写っている黒服の人々は、アーミッシュの人々みたいに見えますが、どうなのでしょうかね。

 さて、このアルバムは、バックコーラスに Badfinger のメンバーが参加していることでも知られているアルバムです。 このアルバムが発表された 1979 年には、すでに Pete Hamm はこの世を去っており、Mike Gibbons も脱退。 一度解散状態だった Badfinger が Joey と Tom により再結成され、「Airwaves」というアルバムをリリースした年です。 当時の Badfinger は西海岸に活動の拠点を移しており、どのような縁があったかは知りませんが、3 人揃っての参加となったようです。

 John Palumbo はピアノ系 SSW のようなのですが、アルバム全体を通して聴くとあまりピアノの音が目立ってはいません。 Lee Ritenour や Harvey Mason といった LA の腕利きミュージシャンが参加していることや、アレンジャーに Michel Colombier のクレジットがあることからわかるようにサウンド面はかなり安心して聴ける内容になっています。

 「Madness On Comet Way」から始まる A 面は、少しハスキーなボーカルが当時のはやり路線の曲調やアレンジにのった凡庸な楽曲が多いです。 そんななか、バラードの「Dear , Dear 」は薄く挿入されるストリングスアレンジが流麗な曲。 Badfinger の3 人によるコーラスも聴くことができます。 「I Lean On You 」は憂いのあるフュージョンタッチの曲。この曲でもコーラスが聴こえてきます。

 B面は、A 面よりもいい内容です。 「Kangaroos」はステ曲なのですが、メロウバラードの「No One Wants To Be Alone」、キャッチーな二拍子ポップの「It’s Okay To Die」と続きます。 娘の行方を追ってアイダホから出てくる父親というフィクションの「The Crying Father From Idaho」は、ミディアムな曲調のなかに憂いとメリハリがある佳作。 ラストの「They Go To Movies」はアップな曲かと予想していたらドラムレスの落ち着いた曲。 ストリングスアレンジが強弱やうねりをうまく表現しており、ラストに相応しい出来となっています。

 そんな John Palumbo ですが、Crack The Sky というバンドのメンバーだった人のようで、このアルバム以降にもソロを2枚ほど発表していました。 そして、この Crack The Sky は現在、再結成されてライブ活動も行っているようです。 公式サイトでは T シャツなどの物販も行っています。 2004 年の最新作のタイトルは「Dogs From Japan」というものでした。



■John Palumbo / Innocent Bystander■

Side-1
Madness On Comet Way *
Family Man *
Dear , Dear *
A Man In The Night **
I Lean On You *

Side-2
Kangaroos **
No One Wants To Be Alone **
It’s Okay To Die **
The Crying Father From Idaho *
They Go To Movies **

Produced by Peter Sullivan
Arrangements by Michel Colombier * and Terence Minogue **

All Words and Music by John Palumbo

Piano , Acoustic guitar , Vocals : John Palumbo
Electric guitars : Lee Ritenour , Steve Beckmeyer
Bass : Dennis Bellfield , Reggie McBride
Drums : Harvey Mason , Alvin Taylor
Electric keyboards : Michel Colombier
Background vocals : Badfinger (Joey Molland , Tommy Evans , Joe Tansin)

Lifesong Records JZ 35503

Franklin Micare

2006-07-10 | AOR
■Franklin Micare / Franklin Micare■

 前回の投稿で名前を出してしまったので、今日は Franklin Micare が 1978 年にリリースしたファーストアルバムをご紹介します。 ほとんどの人がこのアルバムを彼の唯一の作品だと考えていると思いますが、なんと今世紀に入ってからセカンドアルバムを発表しています。 その CD については、いったん後回しにしますね。

 一般的には AOR としてカテゴライズされることが多いこのアルバムですが、AOR というよりは普通にキャッチーで POP なアルバムです。 未だに CD 化されてはいないものの、中古レコード店でよく見かけますし、数百円で買えるようなものです。
 アルバムを語るのに重要な事項としては、ジャズ界の巨匠プロデューサーである Joel Dorn がプロデュースしている点があります。 あまりにもジャズ界での仕事が有名なために、ポピュラー界ではあまり多くの仕事をしていませんが、僕の愛聴盤である David Forman のアリスタ盤も彼のプロデュース作品です。 クレジットを見ると、Elliott Randall , Allan Schwartzberg , Will Lee などの NY セッションマンが参加しており、いい時代のニューヨークの匂いを感じることもできます。

 アルバムは、同じテイストの曲「Nobody」と「Delectable Love」でスタート。 このたたみかけるメロディ展開とインスト・パートのないアレンジを勝手に Micare 節と呼んでいますが、この曲調には若気の至りというか、ちょっと気恥ずかしさすら感じるものがあります。 ちなみに、後者には Kenny Vance がコーラスで参加しています。 つづく、「If You Love Me , Love Me Right」はアルバムで最も好きな曲のひとつ。 ここらでメロウなバラードが来ないと息切れしてしまうと思った矢先に始まるので、リスナー的には大満足でしょう。 トロピカルなアレンジと余裕のある歌いまわしも良いです。 Micare 一人による「Hot Jazz」は大人の味わい。 そして、テンプスの大名曲カバーとなる「I Can’t Help Myself」は、オーソドックスなアレンジにも Micare 節を感じます。
 B 面は、Micare 節の「Instant Electricity」、アフリカンっぽいリズムの「Rhythm」と続き、アルバムの中でも印象的なメロではピカいちともいえる「So Nice (Whatever It Is)」へと流れていきます。 この曲も典型的な Micare 節なのですが、Micare 節の特徴はクセのある短いリピートを多用する点にあるといえるでしょう。 とはいいつつ言葉では表現するのはこれが限界です。 ちょっとマイナー調の「The Feelin’ Of Love」には、女性コーラスのなかに、Googie Coppola の名前を発見。 ラストの A 面ラストと同様にカバー曲となる「Mack The Knife」。 これは、ニューヨークのライブハウス「Brandy’s」でのソロ・ライブ録音となっていますが、リラックスした雰囲気のなか、お客さんの手拍子や歌う本人の笑い声なども聴け、盛り上がっている様子が伝わってきます。

 こうして、アルバムを通して聴いてみると、Frankiln Micare の本質的にやりたい音楽は、僕が表現してきたMicare 節のポップソングではなく「Hot Jazz」や「Mack The Knife」のような、アダルトでジャズ寄りのサウンドだったのだと感じます。 ライブで聴かれる「Mack The Knife」と冒頭の「Nobody」が同じ人物とは思えません。 そうしたことから、Joel Dorn 、Franklin Micare そして多くのアレンジを手がけている Elloott Randall などの間で、微妙な力関係が生まれてこのようなアルバムになったのだと思います。 とはいえ、全体的な曲のクオリティも高いし、時々聴きたくなる「If You Love Me , Love Me Right」や「So Nice」があるので、このアルバムは大切な一枚になっています。

 さて、冒頭にセカンドアルバムの話をしましたが、そのタイトルは「You’re The Reason」というもので、半分くらいがスタンダードのカバーだったように思います。 普通に Bobby Caldwell が年をとったのと同じようなものです。 
 ところが、今日現在、苦労して買ったこのセカンドCDが行方不明になってしまっています。 パソコンにも入れていないので、ちょっと悲しいですが、それほど焦ってないのも事実で、じつはオーソドックスすぎて退屈な作品だったのです。
 ネットで検索したら、近影をみつけることができました。 その中に書かれていたキャッチ・コピーです。 真ん中の人は知りませんが、褒めすぎです。

Harry Connick Jr. meets Desi Arnez meets Van Morrison!



■Franklin Micare / Franklin Micare■

Side-1
Nobody
Delectable Love
If You Love Me , Love Me Right
Hot Jazz
I Can’t Help Myself

Side-2
Instant Electricity
Rhythm
So Nice (Whatever It Is)
The Feelin’ Of Love
Mack The Knife

Franklin Micare : vocal , acoustic guitar , electric guitar

Drums : Rick shlosser , Allan Schwartzberg , Gary Mure
Bass : Bob Babbit , Will Lee
Guitar : Elliot Randall , Bruce Foster , Jon Stroll
Piano , Keyboards : Pat Rebillot , Kenny Ascher , Kenny Ascher ,Larry Harlow
Percussion : Jimmy Maelen , Pablo Rosario , Bruce Foster
Conga : Jody Linscott , Milton Cardona , Rick Shlosser
Synthesizer : Philip Namanworth

Produced by Joel Dorn for the Masked Announcer
All Songs by Frankilin Micare
Except ‘ I Can’t Help Myself’ by Holland-Dozier-Holland
‘Mack The Knife’ by Weill-Brecht-Blitzstein

All Tunes Recorded and Remixed at Regent Sound Studios , New York

Private Stock Records PS7005

Van Dunson

2006-07-08 | SSW
■Van Dunson / Van Dunson■

 ワールドカップに気をとられて、すっかり忘れていたのが世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」です。 昨年のランス・アームストロングの前人未到の 7連覇と引退により、今年は本命不在の混戦模様です。 来週から山岳ステージが始まりますので、J-Sportsでの生中継が楽しみです。
 自転車つながりということで強引に持ってきたのが、The Bicycle Music Company という聞いたこともないレーベルから 1979年にリリースされたこのアルバム。 主人公の Van Dunson もどうやらこのアルバムしか発表していないようですし、レーベルの存在とともに、ほとんど語られたことのない作品だと思います。

 そんなマイナーなレコードなのですが、僕も買ってからまともに聴いたのが1回しかありませんでした。 その時の印象があまりにも薄いために、レコード棚のなかで放置されたままになっていました。 今回、久しぶりに聴きなおしましたが、やはり特筆すべき楽曲もなく、埋没していっても仕方ない作品だと思います。
 全体的には、パワーポップと 80年代風のロックサウンドに近いのですが、曲が弱いのにはどうしようもありません。 A 面では、「Satellite」「You’re All I Need To Get By」が何とか聴ける程度。 B 面は、スーパートランプに少し似ている「Frozen Flight」、曲としては最も出来のいいバラード「Introductions」など、A 面よりは聴き応えがあります。  
 この手のサウンドでは同時代のものとしては、同じく未 CD 化作品で比べると、Franklin Micare のアルバムに近いものだと思いますが、レベルはこちらのほうが低いですね。 

 では、なんでそんなアルバムを持ち続けているのかというと、ひとつは Margo Guryan がProducer でクレジットされている点は大きいです。 1968 年の名盤「Take A Picture」で独特の囁くような歌声を披露してくれた Margo Guryan が、10 年以上経った 1979 年にどうして Producer としてクレジットされているのか。 ここがこのアルバムの最大の謎であり存在意義でもあるのです。 Margo Guryan が同名の別人だとは考えにくいので、彼女のマニアは要注目です。 ただ、サウンド的には、彼女の存在はまったく影響を与えていないと思いますので、そこはご注意ください。

 しかし、このセンスのないジャケット。 Van Dunson の声も深みのないネコ声ですし、まったく売れる要素が見当たらないアルバムなのですが、どうしても気になってしまう点がもう一つ。 冒頭にも書きましたが、The Bicycle Music Company というレーベル名です。 まさか今は存在していないだろうと思って検索してみると、なんと公式サイトが出てきました。 そこのWriters / Artists の部分をクリックすると、Margo Guryan や彼女の Produce 作品「Oklahoma Toad」で有名な Dave Frishberg の名前を見つけることができました。 そして、なんと Van Dunson の名前も。 しかし、サイトの内容は乏しく、この会社がレコード会社として存続しているという臨場感を感じないところが、不思議ですね。
 The Bicycle Music Company の頭文字を並べて TBMC として品番をつくり、そこから 2 番目のリリースだったと思われる、TBMC 2 というこのアルバム。 最初の 1 枚はいったい誰の作品だったのでしょうか。 とても気になります。



■Van Dunson / Van Dunson■

Side-1
Human Error
Satellite
Baby, I Believe In You
You’re All I Need To Get By
Is It Right

Side-2
Frozen Flight
Introductions
The Transient
Do It Better
How Long Will It Take

Van Dunson : piano , lead vocals , vocal harmonies
David Wheatley : piano , additional keyboards
Dee Murray : bass , vocal harmonies
Jim Varley : drums
Slick : guitar
Ian Underwood : synthesizers

Songs by Van Dunson
except `You’re All I Need To Get By’ by Nickolas Ashford and Valerie Simpson
Arranged by Van Dunson , David Wheatley
Orchestrated and Conducted by David Wheatley

Produced by David Rosner , Margo Guryan

The Bicycle Music Company TBMC 2

Jack McMahon

2006-07-02 | AOR
■Jack McMahon / Better Late■

 イングランドとブラジルが敗退してしまいました。 ほぼ徹夜状態で観戦しましたが、準決勝以降は 1日 1 試合なので、観戦するほうとしてはラクになりますね。
 さて今日ご紹介するのは、オレゴン州、ポートランド産のローカル AOR の隠れ名盤として知られる、Jack Mcmahon のファーストアルバムです。 1983 年という AOR 全盛期の最後期に発表されたこのアルバム、よく見ると僕の好きな品番 1001 だったのです。 今まであまり意識していませんでしたが。

 アルバムは、軽快なアップチューン「Don’t Look Back」で幕を開けます。 演奏も悪くないのですが、シンセの音色や手数の多いドラムなど垢抜けなさが残るあたりローカル産ならではの味わいです。 小鳥のさえずりから始まる「In The Islands」はトロピカルなテイスト。 ソリッドな「On The Ledge」をはさんで始まる「Fakin’ Romance」はアルバムの代表曲です。 グルーブ感のある演奏ときらびやかなピアノソロなど、今ふうに言えば、クラブ向きとも言えるサウンドです。  ミディアムなバラード「4 In The Morning」は、スティールギターがいい味を出していますが、僕には明け方の 4 時といううよりも夕暮れの 4 時のサウンドに聴こえます。
 B 面に入ると、レゲエっぽいアレンジの「The Way You Love Me Will Do」、オルガンの音がノスタルジックな「Oh Sister」、典型的な AOR 「What Kind Of Fool」と続きます。 そして歌い出しから狙っているなあと思わせるバラードの「I Don’t Wanna Cry」をラスト前に配置。 ラストは、リズムセクション、とくにベースが格好いい「Keep Some Love In Your Heart」となります。 この曲は例によってシンセ・ソロの音色はいまひとつですが、ギターソロも悪くなくドライブ向きに仕上がっています。

 こうして、アルバム全編を通して聴いてみると、バラエティに富んだ編成を考えているし、サウンドも垢抜けないところもありますが、悪くない。 そんなことで、ローカル AOR としては、クオリティはまずまずといえるでしょう。 しかし、じゃ、Steve Eaton のセカンドあたりと比較したらどうなのかと訊かれれば、Steve Eaton のほうが圧倒的にいいわけで、そんなことからして、熱心な AOR ファンのみにお勧めできる作品かと思います。

 ネットで調べたところ、Jack McMahon の公式ページを見つけました。 最新のアルバムも発表しているようですし、ライブも盛んに行っているようです。 そのサイトには、このアルバム「Better Late」が特に日本で受けていて 40 ドルくらいの価格になっていると書かれています。 その価格が妥当かどうかは微妙なところですね。



■Jack McMahon / Better Late■

Side-1
Don’t Look Back
In The Islands
On The Ledge
Fakin’ Romance
4 In The Morning

Side-2
The Way You Love Me Will Do
Oh Sister
What Kind Of Fool
I Don’t Wanna Cry
Keep Some Love In Your Heart

All Songs Written by Jack McMahon
Except ‘In The Islands’ by Jack McMahon and Patty O’Connor

Produced by Jack McMahon
Recorded at Recording Associates , Portland , Oregon

Carlton Jackson : drums
Denny Bixby : bass
Glen Holstrom : piano , synthesizer
Todd Carver : electric guitar
Jack McMahon : acoustic guitar , vocals
Tom Grant : synthesiuzer
Ron Stephens : pedal steel guitar
Brian Davis : percussions
Larry Pindar : sax
Ron Marraccini : drums on ‘4 In The Morning’
Gary Ogan : vocals

Encore Records 1001