Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

New Trolls

2006-04-08 | Live Report
■Concerto Grosso Live in Japan / New Trolls■

 今日から、ライブリポートをするカテゴリーとして「Live Report」を設けました。 このブログの本来のコンセプトからはちょっと逸脱するものかもしれませんが、たまにしか行かないライブの印象を留めておきたいという気持ちでスタートします。

 そんな最初のレポートは、PFM、Banco、Area等と並ぶイタリアン・プログレッシヴ・ロック界の巨人、New Trolls です。 今まで僕がこのブログに書いてきた音楽とはまったく異質のミュージシャン(グループ)です。
 そもそも、このライブは 1971年の名盤「コンチェルト・グロッソ」をストリングス入りで再現するという壮大なもので、気にはなっていたのですが 12,000円という高価なチケットに躊躇していました。
 そんなところ、先週、大学時代からの友人 K からメールがあり、「招待券を入手したので行かないか」というウソのような誘いを受けたのです。 「思わず、タダなら行くよ」という返事をしたのですが、その時点でも、ライブにはそれほど大きな期待はしていませんでした。 もちろん、初来日でもあり、どんなものかという興味は持っていましたが。

 そして昨日行ってきましたが、正直かなり感動しました。 ラストのスタンディング・オベーションはまるでクラシックコンサートのクライマックスのようでした。
 ライブはバンド編成の 1部と、ストリングスオーケストラを入れた 2部との構成になっていました。 1部のほうはあまり知っている曲が無かったのですが、メンバーの演奏力と歌心を知るには十分な内容。 K のほうは、実は New Trolls をまったく聴いたことがなかったので、やや退屈のようでした。 1部でよかったのは 1981年の名盤「FS」からの曲です。 このアルバム、汽車の走る音がアルバムのところどころに出てくるコンセプトアルバムだったように記憶しています。 コーラスの分厚さもすごいポップス時期の傑作です。 とはいえ、このアルバム、1980年代に荻窪に存在した幻の貸レコード店「メロディー・パーク」で借りてカセットに入れて聴いたものなので、レコードは持っていませんでした。 そのカセットもすでに紛失。 紙ジャケット仕様の国内盤が出ているので早めに買いたいと思います。
 20分の休憩を挟んで、いよいよ 2部。 ここからラストのアンコールまでは本当にすばらしかった。 Concerto Grosso の Part 1&2 の再現には、日本人の 15人ほどのストリングス・オーケストラが起用されています。 弦はほとんどが女性、Part 2の美しすぎるイントロは oboe だったでしょうか、男性でした。 この2部については、これからいろんな方がレポートを書くと思いますが、流麗な楽曲のなか、曲名は忘れましたが、Part 2 に入っているらしきアップなバロック調の曲の盛り上がりは最高。 2度目のアンコールで2度この曲を演奏してくれたときには興奮しました。 ちょうど、元旦のニューイヤーコンサートが必ず「ラデツキー行進曲」で終わる感じにちょっと似たクライマックスでした。
 Part 2のほうも CD が行方不明なのでみつからなかったら買いなおそうと思いますが、あの盛り上がって 2回演奏した曲は、僕は Picchio Dal Pozzo のものだと記憶してしまっていました。 ちょっと手元に CD がないので確認できませんが、リーダーのヴィットリオの弟がこの Picchio Dal Pozzo の元メンバーで、このライブでもストリングス・オーケストラを指揮していましたので、あながち記憶違いじゃないかも。 
 他にもアップな曲を演奏しましたが、そのときのコーラスワークのうまさには完全に脱帽。 メンバー全員が歌えるのもすごいですが、そのハーモニーとアンサンブルのすばらしさはまるで全盛期の Queen を髣髴とさせるものでした。 ライブが終わったのが 22時過ぎ。 リーダーのヴィットリオは New Trolls のデビュー、1967年から活動しているので 60歳は超えているはずなのに、衰え知らずの声、演奏力でした。 まさに尊敬に値する本物のミュージシャンです。

 K とライブに出かけたのは昨年の Hatfield And the North 以来だったのですが(あのときも Club Citta’でしたが)、その時よりも客層は上。 中年というよりは初老に近い男性や夫婦が目立ちます。 30歳台はほとんど皆無。 それより、50歳に近い女性の集団も多かったのには驚きました。 イタリア語会話の先生の引率なのか、ストリングスの日本人女性の招待なのか、と想像してみましたが真相はわかりません。

 最後に招待券をくださった K のお取引先の方にご挨拶をし、チッタを後にし、帰り道の代々木で下車。 そこで偶然みつけたロックバーで軽く串焼きを食べて解散しました。 

■Concerto Grosso Live in Japan / New Trolls■

2006年4月7日(金)
CLUB CITTA’ 川崎

19:30開演 22:20頃終演 (途中20分休憩あり)

ヴィットリオ・デ・スカルツィ VITTORIO DE SCALZI (lead vocals, keyboards, flute, guitars)
アルドー・デ・スカルツィ (元ピッキオ・ダル・ポッツォ) ALDO DE SCALZI (keyboards, guitars, vocals)
アルフィオ・ヴィタンツァ (元ラッテ・エ・ミエーレ) ALFIO VITANZA (drums, lead vocals)
アンドレーア・マッダローネ ANDREA MADDALONE (guitars, vocals)
マウロ・スポジート MAURO SPOSITO (guitars, vocals)
ロベルト・ティランティ ROBERTO TIRANTI (electric bass, vocals)
マウリツィオ・サルヴィ (元ニュー・トロルス) MAURIZIO SALVI (musical director, conductor)

*最後のマウリツィオらしき人物は見当たりませんでした。ステージ上には、初老の3人と若めの3人の6人だけでした。 ちなみに、ベースとボーカルのロベルト・ティランティですが、かなりのハイトーンボイスでスゴイなと思っていたら、イタリアン・メタルの重要バンド「ラビリンス」のボーカル、ロブ・タイラントと同一人物のようです。 この人目当てもいたのかも。


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3 コメント

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その曲は (もあ)
2006-04-13 16:30:15
こんにちは。ライヴで2回演奏されたConcerto grosso n.2からの曲は「Vivace」です。n.2のオープニング曲ですね。



それと、オーケストラを指揮してたのはMaurizio Salviです。Aldo De Scalziは、今回の来日のためにイタリアで空港に向かう途中で事故にあい、そのまま入院してしまったそうで、来日していません(怪我はたいしたことなく、すでに退院しているようです)。



New Trollsは、日本では完全にプログレ扱いですが、基本はポップ・ロック系のグループです。アルバムでいうとConcerto grosso per1~同n.2のあいだだけが突出してプログレ風味で、その前および後は、コーラスの美しいポップ・ロックがメインです。もし彼らのQueenばりのコーラス・アンサンブルが置きに召しましたなら、プログレ期ではない彼らの作品、『Aldebaran』や続く『New Trolls』などもお聴きになってみてくださいね。たしか、どちらも現在、紙ジャケの日本盤が売られていたと思います。

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ご指摘ありがとうございます (MILKWOOD)
2006-04-14 23:42:33
「もあ」さん、丁寧なご指摘ありがとうございます。やはり、Concerto Grosso n.2 からの曲でしたか。 「Vivace」は見事な曲なので、早くCDで聴きたいです。 たしか、持っていたはずなのに紛失中なのです。 あと、指揮者の件も僕のコメントが間違ってたようです。興奮していたもので、確認しないままブログに書いてしまいました。 こういった訂正のご指摘はかえってありがたいので、よろしくお願いします。
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不愉快です。 (Unknown)
2018-01-08 00:56:18
長年来日を待ち望み、必死の想いでチケットを取り、自腹で行ったコンサートに、何の想いも持たない無知な奴が、招待券で行き、自慢気にレポートを書いてるのは、不愉快以外の何物でもない。
この記事を読んだほぼ全員の恨みを買っているはず。
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