Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Bill Jerpe

2006-03-10 | SSW
■Bill Jerpe / Bill Jerpe■

このジャケット、いかにも1970年代初頭のアルバムという感じです。 この頃のアルバムのアートワークは、このように本人の顔をコラージュしたり写真を二重露光するようなデザインがけっこうあるような気がします。 このアルバムもそんな一枚ですね。 この人、「ビル・ジェルペ」と僕は呼んでいますが、果たして「ジェルペ」なのか「ジャープ」なのかも分からない、かなりunknown なミュージシャンです。
 このアルバムは1970年にリリース、Shortwheel Records というレーベル名はあるものの、ほぼ自主制作だと思われるます。 内容は、フォークロックなのですが、時にカントリーっぽさがあったりします。 スワンプ系やカナダのテイストは感じません。 A面の4曲目に音楽出版で、Karma Sutra のクレジットがあるので、Karma Sutra 近辺でリリースの話があったのかもしれませんね。 それが、何らかの理由でボツになって、自主制作で発売したといういきさつがあったのではないかと個人的に推測しています。 

 さて、このアルバムの最大の特長は Bill Jerpe の「ネコ声」です。しかもかなり不安定でやる気の無さそうな感じで、最初聴いたときには「なんじゃ、これ」と思ってしまいました。 とくにファルセット気味に裏返ったときのの声の危うさは例えようもありません。 そんな Bill Jerpe について語っている海外サイトを見ると、Bob Dylan の影響が強いのでは、というようなコメントがありました。 たしかにそんな気もします。 しかし、この「ネコ声」感は、もっと別の誰かに似てるなあと思っていたら、思いつきました。 The Only Ones の Peter Perett です。 Peter のほうがより金属的な感じがありますが、それはサウンドとの輪郭を出すためのエフェクトのような気もします。 そこで、個人的にこのアルバムを、「Peter Perett が The Only Ones 結成前に密かに自主制作していた、幻のフォークロックアルバム」と勝手に形容したいと思います(笑)。 というわけで、このアルバムはけっして後世に名を残す名盤ということでもないと思います。 今でも1曲目に針を落とすと、なぜか「あー、しまった」とちょっぴり後悔してしまうのです。
 そんなアルバムですが、オススメのトラックは、「Lilly Lay Down 」を筆頭に、 「Help Me Home」、「Have You Heard Any Good Jokes,Lately? 」といったところでしょうか。

最後にクレジットを紹介します。



■Bill Jerpe / Bill Jerpe■

SIDE-A
Another Day Goes Down
You'll Get To Heaven
Thanks A Lot For Coming Into My Life
Have You Heart Any Good Jokes, Lately?
Non-Stop's Blues

SIDE-B
Lily Lay Down
Lost In The Ocean,Stuck In The Sky
Sitting Here Satisfied
I Expect To See You Then
Help Me Home

Words and Music by Bill Jerpe
Produced by Bill Jerpe

Bill Jerpe : vocals, guitar , and banjo
Paul Johnson : drums
Peter Weinstock : piano , organ , recorder , autoharp
Bart Barbour : lead guitar
Russ Simon : bass

Shortwheel Records SW-100