徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:ルーク・タニクリフ著、『「さすが!」は英語でなんと言う?』(だいわ文庫 Eigo with Luke)

2018年02月08日 | 書評ー言語

ルーク・タニクリフ(Luke Tunnicliffe)著、『「さすが!」は英語でなんと言う?』は、『「とりあえず」は英語でなんと言う?』の続篇です。

目次は以下の通り。

はじめに

第1章 「自分の行動を伝える」…リベンジする/泣く/理解する/ど忘れ/あなたが好き/ハマる/ディスる/ドタキャンする
コラム ビールを英語で注文する
コラム 運動に関する英語

第2章 「自分の状態を伝える」...時差ボケ/花粉症/大丈夫/忙しい

第3章 モノを評価する...薄い/腐る/神ってる/ゲスい/ウケる/さすが
コラム 神を冒涜していない?
コラム 性差別的な英語に注意
コラム ガラクタを表す面白い英語

第4章 「性格」を伝える...KY・忖度/人見知り/明るい/草食系/積極的/のんき/ナイーブ/お酒が強い/いい人/悪い癖/ずる賢い/オタク
コラム 血液型で食べるべきものを考える

第5章 表現力を上げる英語...そろそろ/やっぱり/せっかく/など/いっぽうで/いくらなんでも
コラム 同音異義語のおやじギャグ
コラム ネイティブらしくなる自問自答の使い方
コラム bow-wow以外の犬の鳴き声8

第6章 「日本の文化」を伝える...おもてなし/絆/日本が好きな外国人/桜・花見/紅葉
コラム 海外にない文化「忘年会」
コラム 「神社」と「お寺」の間違った英語

第7章 これ、英語でなんと言う?...ハーフ/外国人/おととい・明後日/高齢者/田舎
コラム ratとmouseでは大違い!
コラム たくさんある「うんこ」の英語
コラム 直訳できない日本語①「窓口」
コラム 直訳できない日本語②「嗜好品」

今回も色々笑えました。特にウケたのが、「ど忘れ」を意味する「脳みそがおならをする(have a brain fart)」。「slip my mind」は標準的な「ど忘れ」の表現として知っていても、さすがに「おなら」を使った表現は知りませんでした(笑)

面白いと思ったのは、イギリスの「電車オタク」を「アノラック(anorak)」というとか、「健康オタク」は「健康なナッツ(health nut)」というとかですね。オタクと言えば、geek、nerd、otakuだと思ってたので、なかなか興味深いです。

「おととい・明後日」は英語圏では普通使われないそうですね。私が英語でコミュニケーションをとる時は常に時差を考慮しないといけないので、おととい・明後日どころか昨日・明日も避けているので気が付かなかったのですが。ドイツ語とは違うんですね。ドイツ語では、「昨日」は「gestern」、「おととい」は「vorgestern」、「明日」は「morgen」「明後日」は「übermorgen」と普通に言います。

また「嗜好品」にぴったりはまる英語もないという指摘にもちょっと驚きました。ドイツ語で「嗜好品」は「Genussmittel」です。恐らく日本語の「嗜好品」という言葉およびそういう分類の仕方自体がドイツから取り入れられたのではないかと思います。明治・大正時代には欧米言語からの翻訳によってさまざまな新しい日本語が誕生しましたからね。と思って調べてみたら、ウイキペディアにこんな記事が:

「嗜好品という用語は1912年大正元年)の雑誌「太陽」に掲載された森鴎外の短編小説「藤棚」の記述

藥は勿論の事、人生に必要な嗜好品に毒になるような物は幾らもある。世間の恐怖はどうかするとその毒になることのある物を、根本から無くしてしまおうとして、必要な物までを遠ざけやうとする。要求が過大になる。出來ない相談になる。— 森鴎外「藤棚」、『太陽』第18巻第9号、1912年

による」

なるほど、森鴎外はドイツに留学してましたから、納得ですね!

なんて、英語と日本語の俗語比較をしてたはずなのに、なぜか遠いところまで脱線してしまいました。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪


書評:ルーク・タニクリフ著、『「とりあえず」は英語でなんと言う?』(だいわ文庫)

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