徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:石牟礼道子著、『苦海浄土 わが水俣病』(講談社文庫)

2018年05月27日 | 書評ー小説:作者ア行

『苦海浄土 わが水俣病』は、そのタイトルの通り水俣病の記録で、患者自身の訴えや家族の思い、報道記事、目撃者の回想、医療記録などを集めたものです。

残念ながらよく構想されているとは言い難く、記録と水俣弁で語られる患者の訴えが交錯して非常に分かりづらい読み物です。地の分の文章のリズムもよくないので、読み進めるのに苦痛を感じました。

歴史的記録なら別のものを読んだ方が分かりやすいだろうと思います。

もちろん水俣弁で切々と語られる患者の心情などは、非常に心に迫るものがあり、行政に長いこと放置された水俣病患者及びその家族たちの悲哀に同情せずにはいられないのですが、読破するのは断念しました。