懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

茅葺き民家 トウモロコシ

2011年09月20日 | 茅葺き民家
長野県信濃町はトウモロコシ作りが盛んである。
トウモロコシは玉蜀黍と書くそうだ。
トウモロコシはポルトガルから16世紀に持ち込まれたものらしい。
日本にはトウモロコシより先に中国から唐黍が入ってきていた。
唐黍はキビ、コウリャンの類と考えられる。唐から来た黍なので唐黍、蜀黍と書きモロコシと呼ばれるようになった。
唐黍と書いてどう見てもモロコシとは読めない。モロコシは唐土と書き中国の古名である。私の想像では中国からの物なのでモロコシと呼ぶようになったのではと思う。
初めて見るトウモロコシに唐唐黍と付けた。外国から来る舶来品には何でも唐の字をつけた時代である(唐辛子、唐芋)
しかし、唐の字が二つ並ぶのと玉のように光輝く実にモロコシ(蜀黍)を付けて玉蜀黍になった説が強い。
玉蜀黍は三大穀物のひとつで玉蜀黍を主食にしている地域も多い。
三大穀物の年間生産量は米6億1000万トン、小麦6億590万トン、トウモロコシ6億9500万トンでトウモロコシが一番多いが食用油やバイオ燃料になっている物もあり主食にどれほどなっているか不明。
日本にも古くから主食の穀物、五穀、十穀の言葉がある。
五穀豊穣を願った慣わしがあるように食べられる穀物は何でも口にしてきた。
五穀とは米、麦、粟、稗、豆を指す事が多い。不思議と日本にはトウモロコシは穀物として受け入れなかったようだ。東北の岩手などでは米の不作に備え雑穀を植える習慣があり今でも植えているのを目にする。

トウモロコシは各地で呼び名がいろいろあり面白い。
例を挙げると、キビ、トウキビ、セータカキビ、ふくろキビ、コウライ、モロコシ、タカキビ、トウタカキビ、なんばん、ナンバなどである。
近畿圏や四国の一部、岡山はナンバと言う。
ナンバは大阪難波ではなく南蛮の略である。トウモロコシをナンバンと言う地域もあり、ナンバンと言えば唐辛子や「しし唐」を指す地域もある。
南蛮は南蛮菓子や南蛮漬けから南蛮キセルなどの花の名前まであり舶来品の代名詞でもある。
南蛮の言葉は中華思想の四夷の一つで南方の野蛮な国を指す。四夷は周辺の国々を見下し侮辱した言葉でどれも悪字が使われている。
四夷とは東夷(とうい)、北狄(ほくてき)、西戎(せいじゅう)、南蛮(なんばん)
日本でも蝦夷と言うのは未開発の野蛮な土地の差別用語でもある。
差別用語はどこの国にもある。欧米人は日本人のような黄色人種は人間と思っていなかった時代もあった。日本も欧米人を毛唐やアメ公、ロスケと呼んでいた時代もあった。

食物は伝播してきた国や土地、人の名前が付くことが多い。
ジャガイモはジャガタラからかぼちゃはカンボジアからと良く言われている。
サツマイモは九州では唐芋(とういも、からいも) 、鹿児島の人間は言葉を略すので「といも」というので最初はわからなかった。それと甘いのに何で辛イモなのか。
よく笑い話のネタになる。九州の人間は「牛肉食ってうまかという」「これは馬とちがう牛肉じゃ」、「この牛肉うまか」、「何回言えば分るのかこれば牛じゃ」、方言の誤解から生まれる逸話は多い。
我々のところではサツマイモは琉球イモと言っていた。唐→琉球→鹿児島と伝播してきたところの名前がつく典型である。
関西では関東でいうオデンを関東煮(かんとだき)という。伝播元が食べ物に付いた例である。一般的にはオデンは味噌田楽をさしていたと思う。サトイモ、こんにゃく、豆腐を竹櫛に刺し甘味噌をつけたもの。オデンの由来は御田楽(おでんがく)のがくを略した言葉ではないかと思う。









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