午後の恋人 (上) (文春文庫 (168‐24)) 価格:¥ 700(税込) 発売日:1983-05 |
リヒテンシュタイン侯爵家の美術展が23日までだったことに気づいた。最終日までまだ2週間あると思うと、ずるずる時間は飛ぶように過ぎ、絶対に見逃すので、あわてて見に行く。
広い展示室に、絢爛たるバロックの名画、美術品、宝飾工芸品がずらり。中でもヴァン・ダイク、ルーベンス、レンブラントの素晴らしさ! 明るく色彩鮮やかで、ため息が出るように美しく、楕円を中心にしたいきいきと流れるような構図は、時代背景や画壇の特徴など知らなくても鑑賞を楽しめる。
エリザベート・ヴィジェ=ルブランの、「虹の女神に扮したリヒテンシュタイン侯爵夫人」が気に入ってしまい、繰り返し見ていたくてカタログを購入。興奮しながら心ゆくまで絵から絵の間を歩き回った後、いい天気で大きなガラスの壁からさんさんと日が射し込むティールームでひと休みする。これは平岩弓枝氏の作品の中で一番、ダントツに好きな本。大人の女性のかくあるべきという行動と精神は見事に優雅、久しぶりに読み返したけれど、やっぱりとてもいい。