道彦の散歩道

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毎日の事件事故の記録

04/04 「モー太郎弁当」と「竹取物語」

2013年04月04日 | インポート

●「駅弁」シリ-ズは今日で終了。明日からは「釜飯駅弁」シリ-ズです。
【モー太郎弁当】

松坂牛にも負けない演出も出色の「モー太郎弁当「は、紀勢本線・松坂駅の駅弁。
牛顔型の真っ黒なプラスティック製容器は、弁当箱として機能できる平面を確保できる範囲で、黒毛和牛の頭部を見事に再現している。
顔のフタを開けると、童謡「ふるさと」のメロディーが流れる。フタの裏に電子部品が貼り付けられており、これを暗がりに置くか子供が泣く疲れるまで、単音の電子音が響き続ける(最大60秒)。音が鳴る駅弁容器は20世紀にも存在したが、メロディー付き駅弁としては全国初。
ユニ-クな容器や電子音から一転して、弁当の中身はいたってシンプル。白ご飯の上に牛肉を敷き、紅生姜で色を取り、千切大根や柴漬けなどを添えるだけ。
一面の白ご飯を覆い尽くす牛すき焼き肉は、列車の車内照明の光を当てても輝いている。
霜降りとは言わないが、薄めで幅のある肉の赤身と脂身が混じり合う。赤身はとにかく柔らかく、この柔らかさは他の駅弁にはない。一方、脂身は香りも立ち、柔らかく、口の中で温まると溶けていく。常温の駅弁でこの視覚と味覚を味わえるのが松坂である。少々重たい脂身の豊かさは、白ご飯に合わせることで絶品の牛丼となる。
賑やかに感じた電子音、妙にリアルに感じた容器も、松坂らしい内容だとか、懐かしいメロディーだとか、ユニ-クで面白い容器だとか、非常に好印象な駅弁として旅の記憶に固定される。

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【竹取物語】

竹の中から美しい中身が顔を出す「竹取物語」は、東海道本線・新富士駅の駅弁。
1987年11月に誕生したかわいらしさでは今でも全国で屈指の駅弁。
不死の薬が入っているかもしれないような竹製の籠を、割竹の中でちょっと俯き加減な、小さくかわいらしい女の子を描いた掛紙で包む。
フタを取ればタケノコ、ホタテ、クリ、サクラエビ、キンメダイなどの、これまた小さくかわいらしいおかずが現れる。その下には、ゆで落花生が入ったおこわが敷き詰められている。
一言で表現すれば、釜飯風駅弁となる。多くの駅弁に入るタケノコ煮も、ここでは物語に欠かせないアイテムだと感じる。
サクラエビは基本的に駿河湾沿いの駅弁にしか見られない。食感と香りがたまらない小さな海の味。その横に添えられる黄色いクリは、釜飯風駅弁に欠かせない具材であり、ここでは駿河湾に浮かぶお月様にも見える。
富士市の名物であるゆで落花生を混ぜ込んだご飯の独特の風味がまた、おかずの味を引き立てる。

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